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バルセロナ型子育て (続き)

前回の投稿で、バルセロナ型育
児の特徴を書きました。

①親の考え、やり方を押し付け
る。

②子どもの意見を尊重せずに、
親が望む進路、職業に進むこと
を最大の目標とする。

③親が望む結果を子どもが得ら
れなかった場合、態度を変える
こともある。

どういった子育てをバルセロナ
型育児と言っているのか、具体
的な例をあげてみたいと思いま
す。



有名ピアニストを育てた子育て


クラシック好きのお母さんの影
響で、現在ピアニストとして活
躍されているAさんは5歳からピ
アノを始めました。

練習は1日8~12時間、朝の5時
には叩き起こされピアノの練習
を始めていたそうです。

Aさんが眠そうな顔をすれば
「人間はいつかずっと寝る時が
来る」と説教されていた、と本
人は語っています。

Aさんにはお姉さんがいるので
すが、お姉さんとふたりで遊ん
で笑っていると、お母さんは
『今笑うな!人生の後半で笑
え』とも言っていたそうです。


「学校に行かなくてイイ」


遠足や修学旅行も行かせてもら
えず、学校の勉強もやらなくて
いいというのが、Aさんのお母
さんの主張でした。

「漢字も計算も雑念だと思え」
と教え込んでこられたため、
「今だに九九が全部言えない」
とAさんは明かしています。

ピアノ以外なにもできない自分
を理解していたからこそ、小学
生の時から「ピアニストになれ
ないと死ぬ」と本当に感じてい
たため、「母に反抗する暇もな
かった」と振り返っています。

才能があっても嫌いになることも

Aさんのお母さんは「天才なん
だから、天才は苦しまないと才
能が開花しない」と、Aさんの
才能を信じていました。

子どもの才能を信じることは素
晴らしいですが、子どもの楽し
みを取り上げ、自分の考えを押
し付けているのは、カルト宗教
の教祖と変わらないと言えるの
ではないでしょうか?

才能があってもピアノを弾くこ
とが嫌いになって、ピアノを辞
めてしまう可能性も大いにあり
ますし、人によっては自ら命を
絶ってしまう恐れもあります。

ピアニストのAさんのお母さん
ほど極端でなくても、似たよ
うなケースはあると思います。

成人しても親離れ、子離れがで
きない、子どものやることすべ
てに親が関与するケースなど
も、バルセロナ型子育てと言っ
て差し支えないでしょう。

バルセロナ型子育てのメリットとデメリット

◆メリット
①年齢が若いときに1万時間に
到達できます。

②仮に今まで続けてきたことが
続けられなくなっても、次にや
りたいことが見つかれば、凄い
集中力を発揮できる(可能性が
あります)。

一流になるためには、①にある
ように1万時間かかると言われ
ています。小さいうちから、
長時間鍛練していれば、早い段
階で1万時間に到達できます。
若いうちから、長期間多くのお
金を稼ぐことも可能になりま
す。

①を達成するためには、かなり
の集中力が必要になります。②
挙げましたように、仮に才能が
あると思っていた分野のことを
諦めることになったとしても
「次はこれをやる」というもの
が見つかれば、ものすごい集中
力を発揮するでしょう。

◆デメリット
①依存体質になりやすい。

②①とは反対に親子関係が悪く
なることもあり得ます。

①親は子どもの世話をすること
に自分の価値を見出していて、
それが生きがいとなり、子離れ
ができません。

一方の子ども側は何かに依存し
ていても親が身の回りのことを
すべてやってくれるので、自立
しなくなります。誰かに何かを
してもらうのが当たり前にな
り、感謝をすることがなくなり
ます。

このような共依存で育った子ど
もは依存型の大人になり、自立
すべき年齢になってもなかなか
自立ができません。

①とは反対に、 成長して自我が
出てくると、親に反発して②に
挙げたように親子関係が悪くな
ることもあります。

成人してから親子関係が悪くな
ると、修復するのは極めて困難
になります。

依存体質ではない、自立した大
人に成長させるためにはどうし
たら良いでしょうか?

次回の投稿では、バルセロナ型
子育てとは違う子育て論につい
て書きたいと思います。

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