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中小企業の未来をひらく 「デザイン経営×知財」セミナー

 特許庁さんの公式YouTubeチャンネルに、「中小企業の未来をひらく『デザイン経営×知財』セミナー」 の動画が公開されました。
 このセミナーは、特許庁デザイン経営プロジェクト・中小企業支援チームの「デザイン経営×知財」研究会の中間報告として、「デザイン経営×知財」という考え方の普及に向けた活動のキックオフイベントとして実施されたものですが、私もこの研究会に参加し、セミナーでは 0:27:30 ~ 0:51:40 の25分弱、「デザイン経営と知財 – 未来を拓く 中小企業経営の羅針盤」と題してお話をさせていただいています。

 デザイン経営と知財の関係について、思うところを凝縮したつもりではありますが、そこそこ長い話になってしまいました。
 お話しした内容を目次として整理すると、以下の通りです。

  1. はじめに(本研究会のテーマについての概論) 0:27:30 ~

  2. デザイン経営はこれまでの経営スタイルとどこが違うのか? 0:29:58 ~

  3. なぜ正解の見えない事業環境にデザインが適合的なのか? 0:35:16 ~

  4. 知的財産に注目する意味、デザイン経営との好循環 0:39:42 ~

  5. 社会の構造的変化とデザイン、知的財産 0:43:53 ~

  6. デザイン経営は 学ぶ「メソッド」? 0:50:15 ~

 デザイン経営という言葉に触れると、自分もそうだったように最初に生じやすいのは、
「なんで今、デザイン経営なの?」
「要するにこれまでの経営スタイルとどこが違うの?」
といった疑問ではないかと思いますが、2.~3.で、そのあたりの話をしています。
 また、本研究会のテーマであるところの知財との関係については、4.でいろいろ述べさせてもらっていますが、今回一工夫したのが、知的財産とは何かを示した次の図です。

 デザインのプロセスでは、その企業の「らしさ」をしっかり捉え、表現していくことが重要になりますが、知財の専門家の眼で、図の下から「知的資産」→「知的財産」→「知的財産権」と絞り込んでいくプロセスは、まさにその「らしさ」(=固有性)の解像度を上げる作業なのではないでしょうか。
 そしてそれが法的な保護対象になることで、「らしさ」が守られ、「らしさ」を客観的に伝えやすくなり、「らしさ」をライセンスして広げやすくもなります。

 知的資産/知的財産/知的財産権の関係というと、以前から↓の図

知的財産権、知的財産、知的資産、無形資産の分類イメージ図
(経済産業省Webサイトより https://www.meti.go.jp/policy/intellectual_assets/teigi.html)

がよく使われていますが、立体感をもって表すともっとわかりやすくなるのではないか?
 まだまだ知財というと特許権、商標権といった権利に限定して理解されていることが多い中、こうした「知的財産」の概念を伝えていくのがとても重要ですので、このあたりはさらに工夫を凝らしていきたいと思っています。

 今回のセミナーでも、それぞれの企業の「らしさ」がキーワードの一つとなっていますが、似たような言葉である「強み」との違いが結構重要なではないかと考えており、そのあたりは「差異化」と「差別化」の違いも含め、日を改めて整理する予定です。

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