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外食したい、その先に…「塩生姜らー麺専門店MANNISH」神田

外食がしたいのだ、外食が。何か月も感染症の予防ということで概ね外食を控えていたが、そろそろ限界だ。ひとの作ったものを食べたい。できればおいしいものを。

そんな思いが高じて、ここ数日間は都内で数件の外食を体験した。久々のお刺身定食など、気もそぞろで注文してみた。すると…ひと席開けて座った男性客がごほごほせき込んだ時に、なにか緊張が走った。また、大柄な従業員の方が、息苦しいのか鼻をだしてマスクを着けているのをみてまた緊張が走った。

私は気が小さいのだ。緊張が止まらない。そしてしかし、なんとしても外食したい。

数件外食を試して、結局ここ好いな、と思ったのがMANNISHである。お店の感染症対策がしっかりしているとか、そういうことではない。ちょうど四連休の最終日、夕方前のお客が少ない時間に入店し、おいしいラーメンをいただくことができたのだった。そう、それは偶然手に入れた安心・安全である。

塩×生姜の利いたスープ、ということで、店頭のメニューを見てとても辛みがあるのではないか?と少し怪訝に思った。というのは、以前に、生姜ブームの先駆けとなった飲食店で提供される生姜ソースに、大量の砂糖が使用されているのを知り、生姜の辛みというものは強烈なのだと思っていたからだ。

すり鉢状の白いどんぶりに、そこ部分に生姜の荒い破片が

その上に、鳥ラーメンらしい、細めの麺、新鮮な小松菜、ブロッコリーか何かの貝割菜、ネギ。鳥チャーシューは厚みがあってうれしいところ。ラーメン店の作戦にまんまと乗って、味玉をチョイス。

ずず、とスープを啜ってみると、存外にあっさりしていて素直においしいうま味を感じる。だんだんそれでも辛くなってくるのだが、もともと薬味好き。生姜の破片も齧ってみたりして、最後まで美味しくいただいた。スープも完食。

途中、大振りの生姜を酢につけた、備え付けの酢を足して「味変?」かと思ったが、特に味が変化する…というよりは、スープがすっきりしてさらにおいしくなった気がした。店主の計らいだろうが、これは新しい発見だ。

夕刻にはまだ遠い、中途半端な時間帯だというのに、お客は一人客がぽつり、ぽつりとやってきて、カウンター席をひと席開けて座るのにちょうどよいローテーションが達成されている、という不思議なおまけつき。

東京のスモールビジネス、スモールだけに、「時」と「運」が味方に付けば、無敵の威力を発揮することもあるだろう。

蚤の心臓で、ぼつぼつ外食生活に戻り始めたわたくしではあるが、美味しい生姜ラーメンに、ほっと一息つけて、四連休もようやく本当の意味で休憩できたように思う。

心配事は尽きないが、日々の愉しみは自分で見つけていかなくてはいけませんね。何事も。

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