見出し画像

おとな女子こそ南イタリア⑦モンレアーレ

海沿いのパレルモから内陸に約8km、標高300m超の山頂にある小さな町:Monreale。パレルモから日帰りトリップ先として以前より人気でしたが、2015年に世界遺産に登録されてからは、超混雑の地となっています。

パレルモの町は、結構大きいのです。新市街と旧市街が交わるエリアにあるホテルを朝9時に出て、ノルマン王宮裏手にあるバス停まで30分ちょっとのウォーキング。旅先で完璧な朝活ですよ。こんな感じで、パレルモ滞在中は1日1万歩以上、普通に歩いていましたから。フィットネスジムが無いホテルでも、全く問題なし。普段より沢山食べているけれど、食べた分は十分消費している実感があり。

モンレアーレにお手軽に簡単に行く方法は、市バス389番に乗ること。冷房が効いていて快適です。パレルモ市内を出たバスは、段々と高くへ登っていき、終点がモンレアーレ旧市街の入り口。このバス停は坂道下にあるのが難点で、旧市街の中心へはひたすら登坂を歩かなければなりませんが。

リリース済のTravellinGorgeous®チャンネルVol.91と併せてご覧いただくと解り易いです!

パッと視界が開けると、そこはドゥオモ広場。1174年に建てられたモンレアーレのドゥオモは、実はパレルモのドゥオモよりも贅を尽くした豪華なものなんです。こちらの方が後に建てられたので。

このドゥオモを有名にしたひとつは、丸天井を飾る『パントクラトール:全能のキリスト』と呼ばれる黄金のモザイク。その豪華絢爛さには、本当に圧倒されます。ドゥオモを見学する場合は、ぜひ屋上テラスにも上がるべし。もうひとつの見所であるキオストロ(回廊付き中庭)を、上から眺めることが出来ますよ。

ドゥオモに興味が無い、或いは時間が無いという場合は、キオストロだけでも見学可能(チケットが別になっている)。元はドゥオモ付属のベネディクト派修道院として建てられたこちら、行って見れば‟天国の回廊”と呼ばれる意味が判ります!素晴らしい中庭です。回廊のアーチを支える黄金の柱は、全部で228本。近くで見るとひとつひとつに細かいモザイク装飾が施されていて、いかに手の込んだ造りかが判ります。イタリア国内で、最も美しい回廊のひとつと賞賛されている理由は、イスラム、ビザンチン、ロマネスクの建築様式が混じり合った傑作であるからなんですね。

正確に4分割されたシンメトリーな庭には、オリーブ、オレンジやレモン、デーツなど、アラブ文化に於いて繁栄の意味を持つ植物が植えられています。その一角には、シュロの木を模したアラブ風の噴水もあります。

高地にあるモンレアーレからは、Conca D'Oro(黄金盆地)が一望できるのですが、このパノラマポイントとなっている場所は、実はドゥオモ裏手にある司教様の居住区の庭だった!一応、門のところには『関係者以外立ち入り禁止』の看板が掛けられているものの、ドイツ人かスペイン人か、先に侵入していた観光客がいたことと、司教館の修理をしている大工さん達も特に注意をしていなかったので、便乗して入ってみたのでした。ここからの眺めはさすがのView!やはり司教様は、その町で一番眺めの良い場所にお住まいなのね、と思った次第。

モンレアーレで観光地となっているのは、このドゥオモ広場周辺だけで、その奥の西側地域は、地元の人々が暮らす下町エリア。2時間もあれば、ドゥオモも回廊も十分見て回れるので、朝早めにパレルモを出れば、ランチはパレルモに戻ってから食べられるという訳。そのため、行きのバスに乗る際は、帰りのバスの時刻もチェックしておくと◎。切符も往復で買えます。

しかーし!我々の帰路で問題勃発。12時台の市バスが待てど暮らせど来ない。行きのバスでも一緒だったドイツ人らしき観光客マダムと『遅いわねぇ』と話しつつ、28℃を超えた炎天下で30分待っても来ない(バス停と言っても、何もないのです)。更に、その次の13時台のバスの時間を過ぎても、これまた来ない。

当然、バス停は2つのバスに乗ろうと思って集まってきた人で溢れ返ってきました。その中にいた青年(パレルモ大学観光学科在学中のサルボ君)が市バスのオフィスに電話をしたところ、どうやら12時台と13時台のバスを運転するはずのドライバーが、休んでしまったとか?だからバスは無し、との回答!

市バスなのに(市バスだから?)、急な欠勤に対し別の運転手をアサインするとか、そういう対応はしないらしいです。運転手がブッチした便は、単に欠便となるだけ。

『これは、ここではよくあることなんだよ~。申し訳ない…』とサルボ君。いやいや、君が悪い訳じゃないんだから。我々は時間に余裕がある旅人だもの。しかし、サルボ君はその日、進級テストのために大学へ行くところだったのでさぁ大変。お兄さんに電話でヘルプを求めると、別の場所からAST社のパレルモ行きプルマンが、あと10分後に出るらしい。そちらは市バスと違って高速を走り、途中のバス停も無いから早く着くとのこと。

『僕はそれに乗っていくけど、一緒に行きますか?』次の市バスも来るかどうか判らないし、これもご縁だと、サルボ君に同行することにしたのは良いものの、何とAST社のバス停は、市バス乗り場から1km以上離れた町の反対側!しかも、あと10分も無い!結構キツイ坂道の石畳を、暑さに負けず必死に走る初老の夫婦…。

何とか間に合ったけれど、バスに乗り込んだ時は、前身汗まみれでベトベトだったのは言うまでも無く。ASTのバスは別会社なので、改めて切符を買う必要があったけれど、2人で3EUR?さほど痛手でなかったし、クーラーが良く効いた大型バスは乗り心地良かったので、結果オーライとします。

降車は、パレルモ市内ならインデペンデンツァ広場で、終点は中央駅とのこと。サルボ君ありがとう!観光学科の学生さんということで、今後、何かご一緒出来たら良いね、よろしくね!と連絡先を交換して別れたのでした。

そんなこんなの珍道中でしたが、実は、1994年にモンレアーレを訪れていた私!どうりでデジャブ感が強かった訳だ!帰国してから、昔のイタリア旅行の写真をチェックしている中で気付いたという(YouTubeの差し込み画像に使えるモノがあるか探していた)。その当時、バスに揺られてモンレアーレまで行った記憶が無いのですよ。でも、全くの個人旅行だったので、バスで行ったはずなんですけどねぇ。バス停から長らく歩いた覚えもないから、市バスで行ったと思うんですけど。何も覚えていないって、恐ろしい…。

ちなみに、サルボ君の本名はSalvatore:サルバトーレ。イタリア人は本名で呼ばれていない人も、結構いるんですよ。従姉のGiusy:ジューシーは、Giuseppina:ジュゼッピーナが本当の名前。Mina:ミーナと呼ばれている人は、Domenica:ドメニカ(日曜日の意味→日曜日に生まれた子に付けやすい名前)などなど、この件もいろいろ調べて行くと、結構面白いです。

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

おとな女子が本気で楽しめる旅:TravellinGorgeousのため、リサーチ&実体験を元にYouTube連動で活きた情報をお届けしていきます。2022年からはツアー催行します。ご支援頂けましたら嬉しいです。また、取材にご協力頂けるホテル/宿、観光業の皆様、ぜひご連絡ください!