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おとな女子こそウィンター・リゾート!

ウィンター・ツーリズムのパイオニアと言えばスイス。中でも、南東部のエンガディン地方、標高1822mの高台にあるサン・モリッツは1864年、一番最初に冬季観光地を提唱したウィンター・ツーリズム発祥の地。大きな湖を中心にアルプスの山々に囲まれた地形で、平均して1年で320日ほど晴天の日があり、『シャンパン気候』と呼ばれる空気の爽快さから、夏は登山やハイキングを楽しむ人々で賑わい、冬はウィンタースポーツや社交を楽しむ人々が世界中から集う、今ではヨーロッパを代表するラグジュアリー・リゾートとして知られていますね。

おとな女子旅で、ヨーロッパのウィンター・ラグジュアリー・リゾートを楽しむことは、一度は経験してみる価値があると思います!スキーなど、冬のスポーツを楽しむだけの場所じゃないんですよ。滞在すること、そのものに意義があるんです。

St. Moritz:サン・モリッツ

過去2回の冬季オリンピックをはじめ、ウインタースポーツの聖地とも言われ、冬も本番に入ると、世界中から富裕層セレブがこの小さな街に集まってきます。

四方をぐるっと山に囲まれているので、冬は特に日の出が遅く日の入りが早い!

真冬はどこもかしこも一面の雪景色、俗世から隔離されたような感じ。ラグジュアリー・リゾートしての歴史が長いため、ホテルやレストランだけでなく、交通機関などのサービスも文句なしの超一流。大都市から直行列車などが無く、アクセスが容易とは言い難いけれど、その分、白銀の小さな街は静かな別世界、バケーションには最適の場所ということ(超セレブの方々はプライベートジェットで隣町の空港に降り立つ様です)。

冬のワンダーランド

ウィンター・リゾートと言う通り、スキー、スケート、そり、スノー・シュー、雪山ハイキングや雪上ウォーキングなど、自然の中で様々なスポーツやアクティビティが楽しめるのは勿論なのですが、街を上げて盛り上がるウィンターイベントが冬の間、目白押し。

サン・モリッツ湖は完全に凍るので、氷上競馬やポロ大会が開催される

グルメ・フェスティバル、White Turf(雪上競馬大会)、雪上ポロ・ワールドカップ、アルペンスキー世界選手権、シュリテッダ(馬そり行進)、クラシック・カー大会、などなど、12月頭のウィンター・シーズン開始から3月末まで、毎週末に何かしら大きなイベントが開催され、地元の人々と観光客がともに盛り上がる、ちょっとしたお祭り騒ぎが続くのです。

冬の山岳リゾート=保養地

サン・モリッツ滞在中、アウトドア系アクティビティにあまり興味がない人々や、美と健康に感度の高い人々は、スパなどのウェルネス施設で1日中過ごすことが出来ます。

ホテルのスパの充実度はスゴイ!1日過ごせます

この地に湧き出ている自然の鉱泉水(温泉)は、ヨーロッパで一番濃度の高い炭酸水。紀元前のケルト人の時代には保養地・巡礼の地として既に知られており、中世には現在のスパ施設の元祖となったクアハウス(療養施設)が建てられていたほど。

『ハイルバート』と呼ばれる公営スパから、医療施設併設の治療・療養に重きを置いたスパ、5ッ星ホテル内の豪華なスパまで、地元民も観光客も自由にスパ施設を堪能できるのは、他のウィンター・リゾートとちょっと違うところ。

パノラマ列車の起点

スイスの旅ならでは、列車の旅を楽しむにもVery Good。サン・モリッツは、人気パノラマ列車の起点となる駅なのです。ベルニナ特急に乗って、車窓から世界遺産の数々を楽しみながら、イタリアへの越境も可能。

ベルニナ特急は景勝地が続く

一方の氷河特急は、全行程乗車すると8時間の長丁場ですが、ワインやホットチョコレートを飲みながらアルプスの雪景色パノラマを楽しむ旅スタイルは、他では味わえません。時間をかけて最上級のフルコースを頂ける‟エクセレンスクラス”は、1等車の上に位置付けられた特別車両で、車両もサービスも贅を尽くした人気席。乗車には1等のチケットに加えて追加料金420CHF(≒5万円)が必要と高額ですが、1日1本の運行で、1列車に1車両:20席しかないため、年間通して予約が困難なんですよ。

真冬の社交場

貴族という階級制度がまだ残り、社交界というものが未だ存在するヨーロッパに於いて、冬のリゾート地でのバケーションは、ファミリーや親しい友人・知人間で最新情報を交換する大切な年間行事のひとつ。日本人が、盆暮れ正月に親戚一同で集う様な感じでしょうか。彼らは雪山リゾートで落ち合う、ということなんです。

富裕層セレブの皆さんは、昼間にスキーなどのアクティビティをさらっとこなし、イベント参加を楽しんだら、ランチ以降はアフタースキーのための時間。冬の社交を楽しむことが、真冬のバカンスの本当の目的なので。

だから、雪深い山岳リゾートでも、夜のパーティードレスなどの需要があるということ。サン・モリッツのメイン通りには、ロレックスやエルメスなどファッションからジュエリーまで、名だたる有名ブランド店が一通り並んでいます。パッと見、山間の小さな街にブランドショップが連なっているのは異様な感じもしますが、ラグジュアリー・リゾートならではのあるあるなんですね。

ここで毎冬2~4週間のバカンスを過ごす人々は、本物の富裕層。全てにおいて‟半端じゃない”。なので、ウィンター・リゾートでのバカンスにあまり慣れていない日本人には、人間ウォッチングが最も楽しいアクティビティだったりします!

まだまだここではリアルファー着用率高し!

余談:街と地元民と富裕層バカンス客とのバランス

山間の小さな街だったサン・モリッツはリゾートとしてどんどん開発が進み、今やヨーロッパの富裕層以外にも人気の場所となりました。街としては、世界中から観光客がやってきてくれるほどハッピー、地元の産業が潤う訳です。その一方、観光客が増えすぎると、地元民の静かな生活に影響が出て問題となることも(日本でも、鎌倉や京都などがこの問題に直面していますね)。サン・モリッツの場合、湖の北側の高台に広がるドルフ地区に高級ホテルなどが集まっており、湖の西側には3ッ星ホテルや庶民的なお店が並ぶバート地区と、街の中心が2カ所あることによって、その辺のバランスが上手く取れている様子(今のところ)。

とは言え、賑わうサン・モリッツを離れる富裕層もいることは事実。10年位前からグシュタード(Gstaad)に流れているそうですが、サン・モリッツより更に小さな鄙びた村、地元住民とセレブのバカンス客との間でいろいろと問題になっているという話も入ってきています。グシュタードを代表する5ッ星シャレ―(山小屋風ホテル):The Alpina Gstaadの営業部長をしているMarianoとは、ミスター・ホージョーも私も仲が良いので、機会があれば深く掘り下げて聞いてみようと思っています(Marianoは、TravellinGorgeous®チャンネルVol.40にちょこっと出演してくれていますので、チェックしてみてください)。

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