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みんなはどう思ってる?選択的夫婦別姓制度のアンケート結果を公開します!

結婚した夫婦がどちらか一方の名字(姓)を名乗るか、結婚前の名字を使い続けるか選ぶことができる「選択的夫婦別姓制度」。若い世代を中心に導入を求める声が高まっています。最近では自民党の橋本聖子・男女共同参画担当大臣がこの制度の取りまとめに向けた議論を進めると発言したことからも注目が高まっています。
では、選択的夫婦別姓制度の導入についてみんなはどう考えているのでしょうか?高校生から60代以上が回答したアンケート結果を公開します!

★「選択的夫婦別姓制度」の基本情報はコチラの記事をチェック!
選択的夫婦別姓制度ってなんだろう?賛成・反対の理由と各政党のスタンスを知ってみよう!


選択的夫婦別姓制度の導入に賛成?反対?

選択的夫婦別姓制度の賛否

選択的夫婦別姓制度の導入に賛成する人は全体の83.1%となりました。特に女性は約90%の人が賛成しています。また、どの地域に住んでいる人も80%以上が「賛成」と答えていました。

制度の導入について_男女

次に、性別・年代別の結果です。
男性は高校生と40代以上で反対が多い傾向にありました。女性は60代以上の人は他の年代と比べて反対の割合が多いですが、それでも80%以上が賛成しています。女性や18才~30代の男性と比べて「すべての夫婦が同姓であるべき」という考えを持つ人の割合は、高校生と40代以上の男性で高いようです。


「夫婦別姓」も選べるようになったとき自分はどうしたい?

では、仮に選択的夫婦別姓制度が導入されたとしたら、どの姓を名乗りたいと考えているのでしょうか?

あなたはどうしたいか_男性

まず、男性の結果です。
高校生、18-19才、50代以上では「夫婦同姓」を望む人が50%を超えました。20~40代では「相手の要望に沿いたい」と回答する人が他の年代と比較して高いです。
また、高校生、18-19才は「自分の名字を変えてもいいので夫婦同姓がいい」と回答する人の割合が他の年代より高い結果となりました。

あなたはどうしたいか_女性

続いて、女性の結果です。
全年代で「自分の名字を変えてもいいので夫婦同姓がいい」と答えた人が最も多い結果となりました。「自分は名字を変えずに夫婦同姓がいい」「夫婦別姓がいい」の回答を合わせると、最も低い18-19才でも約13%、最も高い50代で37%となりました。
日本では女性が結婚前の姓を名乗っている夫婦は4%(※)ですが、結婚後も姓を変えたくないという女性はそれ以上に多いことがわかります。

※【参考】厚生労働省:平成28年度「婚姻に関する統計」


結婚相手がこれまでの名字でいることを望んだらどうする?

「夫婦同姓」「夫婦別姓」どちらの選択をするにも、結婚相手の考えを知る必要があるでしょう。もし仮に選択的夫婦別姓制度が導入されたとき、結婚相手がこれまでの名字でいることを望んだらどうするか、みんなに聞いてみました。

相手がこれまでの名字を望んだら_男性

まず、男性の結果です。
年代が若いほど「自分の名字を変えて夫婦同姓にする」の割合が高く、年代が上がるほど「夫婦別姓にする」の割合が高いことがわかります。特に高校生~19才は「自分が名字を変えていい」と考える人の割合が他の年代と比べて圧倒的に高いです。

「夫婦同姓を重視し、自分の名字を変えることに抵抗が低い」10代と、「自分の名字を名乗り続けることを重視する」大人世代という価値観の違いが浮き彫りになりました。

相手がこれまでの名字を望んだら_女性

続いて、女性の結果です。
最も低い18-19歳でも27%、最も高い50代では50%もの人が夫婦別姓を選ぶと回答しています。こちらも男性と同じで、10代よりも20代以上の大人世代の方が夫婦別姓を選ぶ傾向にあるようです。


「自分がどうしたいか」と「制度としてどうあるべきか」

ここまでの結果で、別姓・同姓どちらを選択する人も決して少ない数ではなく、夫婦同姓を望む人の中でも考え方は異なることも見えてきました。
次は、「自分は結婚後の名字をどうしたいのか」と「制度として選択的夫婦別姓をどう思うか」の関係性を見ていきましょう。

選択的夫婦別姓制度の賛否×自分はどうしたいか(男性)

選択的夫婦別姓制度の賛否×自分はどうしたいか(女性)

「自分がどうするか」の考え方別に見ていくと、選択的夫婦別姓制度の導入に反対する割合が最も高いのは「自分は名字を変えずに夫婦同姓がいい」と回答した男性でした。続いて、「自分が名字を変えてもいいので夫婦同姓がいい」と回答した男性、「自分は名字を変えずに夫婦同姓がいい」と回答した女性の順で反対の割合が高いことがわかります。
一方で「相手の要望に沿いたい」と回答した人は男女ともに賛成の割合が90%以上となりました。


夫婦別姓の場合、家族の絆や子どもに影響はあると思う?

選択的夫婦別姓制度の議論で話題に上がるのが、「家族の絆」や「生まれてくる子どもへの影響」について。関連する2つの質問をみんなに聞いてみました。

別姓と家族の絆

制度の導入に反対する理由の中には、夫婦別姓だと家族の絆が弱まるという意見もあります。アンケートでは、全年代の男女の大多数が「夫婦別姓でも家族の絆は変わらない」と回答していました。ただ、高校生と30-50代は他の年代の男性や女性と比較して家族の絆が弱まることを心配する傾向が高いようです。

別姓と子どもへの影響

続いて、子どもへの影響についてです。
夫婦別姓により「子どもに良くない影響がある」と考える人は3~4割いることがわかりました。比較的若い世代の方が子どもへの影響を心配する傾向にあるようです。
今後、選択的夫婦別姓制度の議論を深めるうえでは、その懸念をどうクリアできるのかという点も大事なポイントになるかもしれません。


まとめ

・選択的夫婦別姓制度の導入に賛成する人は男性77%、女性89%
・「夫婦別姓」が選べるようになったとしても「夫婦同姓」を望む人が50%以上
・男性では若い世代になるほど「自分が名字を変えても良い」と考えている割合が高い
・女性で「夫婦別姓」を望んでいる人の割合は、実際に結婚後に名字を変える女性の割合よりも高い
・選択的夫婦別姓制度に反対する割合が最も高いのは「自分は名字を変えずに夫婦同姓がいい」と考える男性
・夫婦別姓により「家族の絆が弱まる」と考える人は少数派だが、子どもへの影響を心配する声は全世代で半分近くにのぼる

さまざまな考え方がある「選択的夫婦別姓制度」。あなたはどう思いますか?自分がどうしたいか、制度としてどうあるべきか両方の視点で考え、性別・年代問わず社会全体で議論を深めていきましょう!


【調査概要】
調査期間:2020/10/8-10/13
調査対象:全国の高校生~60歳以上の男女4210名
調査方法:インターネット調査(Tアンケート)
※高校生:600名/18-19歳:600名/20代:603名/30代:601名/40代:601名/50代:601名/60代以上:604名
※各年代で回答者の男女比は同等