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外転抵抗テストから紐解く肩の評価方法

この記事は、肩の評価の際に用いる外転抵抗テストの有効な活用方法について記載しています。

この記事を読み進めることで、以下の点について理解できます
□評価の際に用いるSOP(Standard Operating Procedure:標準作業手順)
 理解できる。
□痛みの原因が区別できる。
□評価に有力とされている徒手検査を学ぶことができる。

外転抵抗テストとは

外転抵抗テストとは、疼痛誘発テストの一つで、外転運動時に①運動時痛②筋力低下などを評価する評価方法です。

下垂位での評価を用いることが多いですが、軽度外転位と合わせて評価を行うことで多くの情報を得ることができます。


外転抵抗運動のフローチャート

ポイントは、下垂位と軽度外転位での評価結果を比較することにあります。
合わせて、各肢位で疼痛を誘発する可能性のある因子についても理解を進めておくと、一つの評価から多くの情報を得ることかできます。


外転抵抗テストの評価結果と痛みの原因について

下垂位の場合、肩甲上腕関節を包む関節包の上方エリアは、伸張される肢位となります。

一方で、外転位(外転角が増すにつれて)では、上方関節包が弛緩する肢位となります。

この関節包の緊張度合いに変更を加え、評価を行うことで、疼痛の原因を把握しやすくなります。

肩甲上腕関節を包む関節包上部が緊張するといことは、関節包の緊張により肩峰下でのImpingementは生じ得ないとされています。*1

一方で、肩甲上腕関節を包む関節包上部が弛緩している場合、関節包の緊張による骨頭の安定性を欠いた肢位となり、回旋腱板による求心性が担保されない
場合に、Impingementを生じる可能性が高くなります。*1

以上の解剖学的特徴を踏まえ評価を進めると、評価結果より以下の考察を持つことができます。

*1 筒井廣明:投球障害肩こう診てこう治せ.メジカルビュー社.2005.p54

外転抵抗テストの結果と疼痛の原因について


外転抵抗テスト実施の際に、肢位を変更することで原因追及の足掛かりとなり、そこから疾患別の評価を進めて行うことで、その(評価)結果に妥当性を持たすことができます。


外転抵抗テストの結果と原因の分類について。
*この後に疾患別の評価に進むことに注目


疾患別評価方法について

外転抵抗テストのみの結果で物事を把握することは、その結果の十分な妥当性があるとは言えません。
よって、その後にどのようなテストを重ね、所見を収集するか。がポイントとなります。

ここでは、我々アスレティックトレーナーにとってはバイブルの一つである
PEARSON NEW INTERNATIONAL EDITION "Orthopedic Physical Examination Testes An Evidence-Based Approach*2を用いて徒手検査を厳選したいと思います。

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