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復帰の前にすべきチェックリスト(ハムストリングス肉離れ編)

この記事は、スポーツ現場で多発するハムストリングス肉離れについてまとめた
記事になります。

ある文献では、再発(再受傷)の可能性が高く厄介な怪我としても紹介されています。

再発(再受傷)を予防し、早期復帰を考え行っている評価内容について順を追って説明して行きます。


ハムストリングス肉離れの実際

肉離れの受傷機転として①走動作中に発生するもの②ストレッチ中に発生するものに区分されます。

①走動作:High-speed running type
②ストレッチ:Stretching type

受傷機転と損傷のタイプ分け


また、両者のパターンの発生頻度として、High speed typeの発生が圧倒的に高いと言われています。


さらに、この損傷のパターンは重症化しないものの再発しやすいという特徴を持っていると言われています。


損傷部位については大腿二頭筋長頭:BF longのトラブルが多いとされてり
その割合は、全体の85%~94%と記載があったり、BF long/半腱様筋ST/
半膜様筋SMで69%/18%/13%
と報告している文献がります。(1.2)


ハムストリングス損傷を考えた時、膝関節と股関節の両関節に作用することから、股関節の動作に共同で働く大殿筋の作用を評価しておくことが重要であると言えます。(3)

また、既往歴のある選手は、膝窩角が既往のない選手に比べ高いことが報告されています。(3)

この結果より、外傷発生の因果関係は断定されていないが、既往歴のある選手ほど、評価の中で膝窩角の左右差が残存していないかを評価て掴んでおく必要性があると言えます。

*1 Askling CM,et at all:Br Sports Med,48(7):532-9,2014
*2 Woodley S:Hamstrings strains:Where do they occur?:NZ journal of physiotherapy:32.22-28.2004
*3 徳武 岳ら:High speed running typeのハムストリングス 肉離れの既往歴と股関節周囲筋群の機能および形態の関連:日本臨床スポーツ医学会誌:Vol.25 No.3.2017.408-9


対応する中で考慮すべきこと

対応中に考慮すべきことの一つに時間的配慮が挙げられます。

受傷後、どれくらいの時間が経過しているか。


という観点から、状態を把握することが必要になります。
これは、組織の回復の程度を考慮する意味でも押さえておきたいポイントです。

次に、状態の回復程度を経時的に見て行くこと。更に、先行研究より相関が示され
ている受傷度と回復までの必要日数を考慮し現状を評価していくことが重要だと
言えます。

前者は、経過を踏まえ、この先にすべきことをより具体的にできる。
後者は、一般的な回復の過程と比較し、現在地を把握することかできる
と考えます。

時間的配慮について1

先に述べた、先行研究や指標として、MRIを用いた重症度分類「奥脇分類」
日本整形外科学会が発表している『PSRLを用いた分類」があります。

これらの概念を念頭に評価を進めることが望ましいと言えます。

MRIを用いた奥脇分類について
*この分類分けについては、MRIも用いていることに注目すべきである。
損傷部位はどのような状況か。より正確な情報収集が必須と言える。
PSLRを用いた分類について

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