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2020年の振り返り1.1.1

年の瀬に振り返りらしいことを何もしないまま新年を迎えてしまったので、遅ればせながら2020年の歩みを振り返ろうと思う。読んだ/見た/行ったものと、制作したもの、少しだけ大学生活のこと、という構成で書いていく。1.1.1は「インプット系の中でも本や漫画、それのパート①」というつもり。
2020年は30冊の本と漫画を読んでいた。シリーズものは1つにまとめると、20種類の創作物に触れたことになる。前半10、後半10に分けて感想を記していく。

ちなみに、2020年に読んだ本と漫画は以下。

入浴検定公式テキスト
森博嗣 すべてがFになる
西尾維新 新本格魔法少女りすか1~3巻
村田沙耶香 殺人出産・しろいろの街の、その骨の体温の
西尾維新/暁月あきら 症年症女1~3巻
浅野いにお おやすみプンプン4~8巻
舞城王太郎 私はあなたの瞳の林檎・されど私の可愛い檸檬
東浩紀 弱いつながり
中村文則 何もかも憂鬱な夜に
奥平智之 ココロの不調回復 食べてうつぬけ
TCC 広告コピー年鑑 2018
千葉雅也 デッドライン
上遠野浩平 恥知らずのパープルヘイズ
西尾維新 クビキリサイクル・クビシメロマンチスト・クビツリハイスクール
津川友介 世界一シンプルで科学的に証明された最高の食事
中村佑介 みんなのイラスト教室
レベッカ・ブラウン 体の贈り物
山本直樹 明日また電話するよ

入浴検定公式テキスト
参考書。
大学4年間働くつもりだったバイト先に契約満了を言い渡される前、「これを身につけて売り場で応用するぞ」などと意気込んで読んでいた。これのソースはこの本。

森博嗣 すべてがFになる
小説。
コロナ対策第一陣としてひとまず春休みの延長が決まったころに読んだのだと思う。書かれたのが96年なので、端々に無自覚な性差別を感じはしたがストーリーは面白かった。技術系の大学に通う前と後だと楽しめる小ネタの幅が違うだろうから、このタイミングで読んでよかったと思う。

西尾維新 新本格魔法少女りすか1~3巻
小説。
パートナーのおすすめで西尾維新を読み始めた。3巻完結だと思ってまずりすかシリーズを読んだのだが、蓋を開けてみたら未完放置作品だった。「残り10ページもないのにどうやって回収するんだ!?!?」と興奮しながらページを繰っていた自分が物悲しい。

村田沙耶香 殺人出産
小説。
図書館で借りて読んだ本。短編集で、表題の「殺人出産」は「10人産めば1人殺してもいい」という法律のもとで人口を維持する日本の話。この法律に違和感を覚える・反対する人と、違和感を覚えない・賛同する人が居り、さらに法律の「1人殺してもいい」は文字通り選ばれた相手がどのような人間だろうと平等に適用される点が物語に陰りを加える。表題以外の短編では「トリプル」が面白かった。

村田沙耶香 しろいろの街の、その骨の体温の
小説。
村田沙耶香2冊目。自意識とスクールカーストに雁字搦めになっている女の子の話。私は物語の女の子ほどの自意識はなかったが、それでものたうち回りたくなるような居心地悪さや認めざるを得ない「あるある」があって最悪な気分になりながら読み進めた。女の子が小学生の時につるんでいた友達に興奮して話しかけられているシーンで、その子の興奮度合いや話の内容よりも、口のまわりについた歯磨き粉に言及する描写があるのだが、それが妙に記憶に残った。

西尾維新/暁月あきら 症年症女1~3巻
漫画。
西尾維新を薦めてきたパートナーから「漫画だけどこれは本当に面白い、一度読んでくれ」と言われて手に取った作品。特に印象という印象はない。私はストーリーよりも筆者の時として煩雑で装飾過多な言い回しのほうが西尾維新を読む理由なので、それが捨象された漫画形式がハマらなかったのだと思う。

浅野いにお おやすみプンプン4~8巻
漫画。
勢いで1巻を買い、そのまま惰性で最終巻まで読んだが、今一つ印象の薄いまま終わってしまった。エモい系の漫画のエモさを楽しむためには何か習得するべきコツがいるのかもしれない。その「何もなさ」がウケている理由なら大成功だと思う。

舞城王太郎 私はあなたの瞳の林檎

小説。
同時期に発売された短編集の片割れ。恋にまつわる話が集められている。収録されていた「ほにゃららサラダ」が、「しろいろの街の、その骨の体温の」がのたうち回るタイプの居心地悪さだとすれば、奥歯を噛み締めたうえで「あ~」とか「うえ~」とか妙な音を漏らしてしまう居心地悪さがあった。図書館で借りて読んだが気に入ったので購入した。

舞城王太郎 されど私の可愛い檸檬
小説。
上記短編集の片割れで、家族をテーマにした編纂。収録されていた「トロフィーワイフ」が面白かった。この言葉は言わずもがな、他人に見せびらかすトロフィー・自分の能力の結果得た戦利品としての妻、というネガティブで蔑視的な意味でつかわれるが、このトロフィーワイフに自らなりに行く女性の話。「うるせえつべこべ言わずに行け」と怒鳴ることは、「本当に嫌なら行かなくてもいいが、きっと相手は悲しむだろうな」と優しく微笑むことよりも「持つべき感情を強制していない」という点で優しく救いがある、というネットコラムを読んだことがあるが、まさにそれと同じものを見たと思う。確かまだ買ってはいないが、これを書いていたら読み返したくなったので近々買う。

東浩紀 弱いつながり

エッセイ?ビジネス本かもしれない。
所属している研究室の教授の薦めで読んだ本。論旨としては「サジェスト機能に乗っかるだけのネット検索は代替可能な人生の縮図でもあり構築手段でもあるので、それを打破してセレンディピティを得るには物理的かつライトに環境を変える→旅に出るべき」のような感じだった。"You may also like:" の網目の内側を何となく漂う生活を変える方法が思考実験レベルから記されていて面白かった。パートナーとよく遠出するので、現地ではたと地図を開いたり、夕飯処を探したりするレベルではあるが思い当たるところがあった。
また、おすすめしてもらったこともあり教授に感想を送ったのだが、それに対してかなりの長文で返信を貰え、違和感のあった箇所に解釈の幅ができた。ありがたいことだと思う。

後半に続く

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