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「ただ、そこにいる」こと、それと自己肯定感|グループ展の感想

去る8/23~25に『Photo exhibition ただ、そこにいる』へ参加しました。
写真について色々語りたかったのですが、会場にいられる時間が短くお話しができませんでして。
そこでリハビリがてらnoteで語りを聴いてもらおうという記事です。

今回は展示のコンセプトに対してのアプローチ、そして展示自体の感想と反省について書いていきます。
次回は写真そのものについて語っていこうかと。

「ただ、そこにいる」の解釈

今回のグループ展にはテーマが設定されていました。
一つは「夏を感じるポートレート」、そして「ただそこにいる」という展示のテーマ。
いろんな理由で自分の中でのコンセプトが二転三転してしまい、その分かえって短期間に深く考え込んでまとまった感覚です。

私の感覚ですが、「ただ、そこにいる」というフレーズとポートレートとの相性は、良くは無いです。
含意されるイメージとして”恣意性を排除した状態”であることが求められる以上、それはスナップとの境界に立つことになります。
しかしスナップではなく、ポートレートとしての解釈であるとしたとき、ストレートにポートレートへ取り組んでいては埋もれてしまうと判断しました。

私がとったのは言葉の意味を拡張して考えること。
字面通りの情景ではなく、”特別な努力なしに、ただそこにいる”・”ただそこにいてほしいという願望”のようなもの。
情景全体ではなく、背景を人物を合わせながらも分離させ、言葉そのものを人物にのみ焦点を当てるとするなら、撮影者の影を排除して、モデルの魅力のみのエッヂを際立たせれば成立するのでは、と。

急造ではあるのですが、私にできるのは拙いながらも解釈をすることなので、もうこれでいこう、と。
具体的な作品への落とし込みについては次回記事にて。

準備面での反省点

今回初めてのハレパネ展示でした。
ハレパネとは糊付きスチレンボードの通称で、プリントされた写真をボードに貼り、そのボードに虫ピンと呼ばれる細い釘を打って壁面に固定する方式。

ハレパネは業者に頼めばピッタリサイズで張り付けて送ってくれます。
私にもその選択肢があったのですが、料金が気になったこと、何より一度は自分でやってみたいというクリエイターのこだわりから四葉とも自分で貼ることに。
これが悪戦苦闘…
失敗をカバー可能なように進めてはいたのですが、首の皮一枚といったギリギリの進行でした。
でもこれは次回以降に生きると信じてる。

そしてキャプション。
今回も文章を綴ってみたのですが、前回の展示で(横長の判型にして縦書きの方がいいな…)と思っていたことを、壁に設置してから思い出したのです。
この辺のこだわりは次回記事に書きましょう…

でもいい面もあった。
前回と同じナカイ写真工房さんへお願いしたのですが、期待通り私の出したい青色を演出してくれました。
マット紙で艶を消した表現とも相性が良く、私個人としては大満足。
ふんわり系を目指したので解像度は落としましたが、ここの表現が得意なプリントが他社さんで出来るのかは今後の調査かな。

2回目の展示で分かる反省点|コミュ力は基礎

今回の展示は、失敗こそ前回から減っています。
しかし一方で大いに反省点というか、自分のウィークポイントが明確になりました。
すでに出来上がっているコミュニティに入っていくことができない。
積極的にコミュニケーションを取れない。
これが今回致命傷でした。

よく分からないまま「なんか行けそうだから行ってみよう」くらいの認識で参加申請をして今に至るわけですが。
もともとLeicaというカメラメーカーの愛好家さんコミュニティがオープンで開催している展示、と後で知りました。
参加者さんは顔なじみ同士で仲良くされていて、私にはそこへ入っていくことが無理と言って差し支えない性格なのでありました。

まぁ過去のトラウマと言いますか。
何度もチャレンジしては失敗し、既存のコミュニティへ入っていくという課題が無理難題と化しています。
背中で語れば人がついてくるようなTop of Topであれば話は別なのでしょうが、私のようなペーペーはお察しのとおり孤立してグダグダ。
平たく言えば参加費や制作費を考慮すると金額分のリターンを(自分のせいで)得られなかった。(これを書いたのちひっくり返った後述)

成功への最も確実な近道は、人脈の構築と、それを資産として運用し利益を得る行動に他なりません。
SNS全盛のいま、コミュ狂御用達ツールに疲れが爆発して強くてニューゲームとか宣ってる私に得られる利益は雀の涙ほどもないのです。
しいて言えば、若葉さんを自信をもって展示作品へと昇華させられたこと、でしょうかね。

あとこれは前回参加した展示と比較しての気づき。
ブックを置くの大事。展示を見ている人に話しかけていいのかは判断がつかないけど、ブックを手にしてくれた人は話しかけるチャンス。
・感想ノートもあると便利。自分が居ないときに来てくれた人と繋がれる、数少ないチャンス(今回は設置者ゼロなので仕方ない)。
・今回パネル展示だったけど、自分のコンセプトとしては額装が一番だと再認識。
・名札はあった方が便利。顔を明かしていない人は特に。

ブックについては「そんなこと関係なしに話しかければええやん」ではあるのですが。
服屋行って店員さんに話しかけてほしくないサイドの人間からすると、鑑賞体験を邪魔されるのって苦痛なのです。
見てくださってる方に、自分がされて嫌なことはしたくないけど、少なくともブックを手に取ってくれる程度に興味を持ってくれてるという判断基準はありがたいことこの上ない。
コミュ力弱者はブックを作ろう。

落胆していた最終日残り10分で舞い降りた神様

上述した通り、自分のせいで得る物が少なかった今回。
誰とも話せず記事を書きながら在廊していた会期終了10分前。
来場者さんがこんな時間に…と目線を上げると見覚えのある車いすではありませんか。
そう、敬愛してやまないビーバーさん

なんかアニメでよく見るくらいの勢いで椅子から立ち上がりました。
それは主催者さんから「お知合いですか?」と素っ頓狂な顔で質問されてしまうくらいなんかすごいリアクションでしたよ。
この時から私の手のひらは汗でミヂョミヂョ。

展示2回目にして、憧れの方に写真をご覧いただく機会。
ゆっくりと会場を回るビーバーさん、誰とも知らず談笑する参加者さん、緊張のあまり直立不動の不審者あさぎの構図。
ビーバーさんがお話ししている内容を聞き間違えていなければ、なんでも私の写真を見に来たとおっしゃっているではありませんか恐悦至極。
やべぇ。

いざ私の作品の前に。
しばしご覧いただいた後で、作品についてお話しさせていただきました。
限られた時間の中で語るには、私が考えてきたことと言うのは膨大でありまして。
語りすぎないようにしたかったのですが、いかに若葉さんのお力を発揮してもらおうと試行錯誤したかの思い出が口を動かしてしまうのでした。

「とてもいい展示作品でした」とコメントいただいて。
この人にご覧いただけたのなら、お金とかコミュ力とかどうでもいいなという極致に至る。
そして何より、11月の展示のコンセプトについてもお伝えしたので。。。

11月の展示に向けて

ウダウダしてはいられません。
次のグループ展が決まっています。
11月22日~24日、去年参加した『UNTITLED』がパワーアップして開催されます。
場所は同じく原宿のデザフェスギャラリー。
そこに向けての準備がすでに進んでおります。

前回は展示自体が初だったこともあり、色々様子見をしていたところがありました。
しかし今回は数多のインフルエンサー様がご参加されるとあって、そんじょそこらの表現では埋もれてしまう。
本気で考えて、本気で撮影して、本気で表現する、そんな心境。

去年の出展以降、「今のままじゃダメだ」と様々行動を起こしてきました。
結果として得るものは大きかったのですが、反動として心がかき乱される出来事もたくさん。
そんな中で見つめた自分の出来ることは、写真以外からの要素を取り入れて表現に組み込むこと、かなと。

そのためには文章を(無理にでも)書き続けなければなりません。
書けなくなって以降、自分でハードルを上げ続けてしまっていることを自覚していて。
でもあと2か月、本腰いれないと本当に埋もれて終わるだけになってしまう。
役者さんが本気でカメラの前に立ってくれるのだから、私も四の五の言わずに本気で走り切るしかありません。

今回のグループ展で得られるものは少なかったかもしれない。
でも「今のままではダメだ」と再認識できたことは大きな収穫。
一方で「やっぱり自分の写真好きだ」とも認識できたことも確かで。

この感情をきっかけにして、残りの期間を走り切ろうと思います。

おわりに・謝辞

まず見に来てくださった方々へ感謝を。
見てくださる方がいての写真です。

そして若葉さんに最大限のありがとうを。
今回のコンセプトを深く考えさせてくださったのは、他ならぬあなたでした。
ひとりでも多く魅力を感じ取ってくれていたら嬉しいですし、若葉さんの自信に繋がったら何よりも。

参加者の方々へ。
なかなかお話しができずで浮いていた私ですが、暖かく迎え入れてくださってとても嬉しかったです。
またお会いする機会があれば、なにとぞ。

またここnoteで。
他SNSもぜひ。

それでは。

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