昨年12月5日に『オリンピア』(北烏山編集室)が刊行されて少し経ったころ、日本語版を受けとった作者のデニス・ボックさんから出版社宛にお礼の連絡が来ました。その返信で、何か日本の読者へのメッセージを書いてくれないかとお願いしたところ、新年早々にメッセージが届きました。数行程度のごく簡単なメッセージを予想していたのですが、届いたのは1ページ余りに及ぶ長いものでした。そこには、連作短編集『オリンピア』がどんないきさつで構想されたのかがくわしく書かれていました。
すばらしいメッセージを送ってくださったボックさん、ありがとうございました。以下がその全文の日本語訳です。『オリンピア』を未読のかたも、すでに読了なさったかたも、ぜひご一読ください。特に未読のかたにとってわかりづらい個所がいくつかあったので、わたしの判断で注釈を入れてあります。