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「はじめての海外文学」フェア開催図書館からいただいたお手紙

 以前の記事でも少しお知らせしましたが、滋賀県の野洲図書館で3月3日まで「はじめての海外文学」フェアが開催されていました。過去のフェアで選書された作品や絵本も含めて、300冊ほどを一気に公開してくださっていて、おそらく「はじめての海外文学」フェアとして、これまでで最大規模のものでした。
 このフェアを企画してくださった野洲図書館の早田さんから、フェアの終了のお知らせとともにお手紙をいただきました。ご本人の承諾を得て、ほぼ全文を掲載します。

お世話になっております。野洲図書館の早田です。

3/3 をもちまして、「はじめての海外文学@野洲図書館が無事完走、終了いたしました!

VOL4 ~ VOL6 の本に野洲図書館司書セレクトを加えた全322 タイトルそのうち266 タイトル、のべ278 回が貸出しにまわりました。

本当に好評で、多くの方が棚前で立ち止まり、本を手に取ってくださっていました。

結果、大成功!だったと思います。

好評過ぎて「本が足りないっっ」(半分以上貸出しにまわり、棚がスカスカ)と焦る場面も何度かありました;

海外文学、正直当館でもよく貸し出しに回る……とは言い難い棚なのですが、誰かが「面白いよ!」と薦めることで、こんなにも読者の関心を引くことができるものかと、「はじめての海外文学」という企画の持つポテンシャルに脱帽です。

この“誰か”が“訳者の皆さん”だというところが、なによりのポイントですね。

図書館での、普段の本の見せ方(「こんな面白い本があるでーー」とアピールする力)が足りていなかったんだなぁと改めて反省しました。通常の棚も、もっともっと魅力的なものにしていかないかんなぁと、いま、やる気に満ちております。

活用させていただいたチラシも大好評で、ホクホク顔で持ち帰る方のうれしそうな様子に、こちらもうれしくなりました。図書館の本にスリップがはさんであるのも、かなり新鮮だったようです。

【中略】

今回のフェア、図書館での“貸出し”ですので、そのまま著者や訳者の皆様、書店、出版社などの利益につながるものではありませんが、こういう取り組みがあることによって、図書館で手に取った本を「手元に置いておきたい」と思う人が買ってくれたり、海外文学に興味を持つ人が増えたり、なにより「本を読む」という習慣を持つ人が増えて、読書という文化がより豊かなものになればと思います。

海外文学好きの“裾野を広げる”という意味では、図書館は最適かもしれませんね。

図書館としてはいつも、出版社と著者・訳者、書店でタッグを組んでステキな企画をさえているのをうらやましく思っていましたので、今回お声掛けいただいて、本当にうれしかったです。

本を読むということが、ほんとうに楽しいことなんだということを、もっともっと積極的に広めていきたいですね。

また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。

本当にありがとうございました。

 海外文学にかかわる仕事をする者として、大変励みとなるメッセージでした。まだまだやれることがある、とあらためて感じたしだいです。このような企画を実現してくださったことに厚くお礼を申しあげます。
 今年度の「はじめての海外文学」フェアの選書リストはここにあります。フリーペーパーや特製スリップなどの拡材はここにまとまっています。選者有志によるトークイベント「はじめての海外文学」スペシャルとそのプレイベントは、ここで視聴できます。
 フェアは今年の秋ごろまで、いつでも自由な期間にわたって開催できますので、ご興味のある書店や図書館などの関係者のかたはお問い合わせページからご連絡ください(ツイッターアカウント @kaigaibungaku へのDMでもいいです)。この翻訳百景のアドレスにご連絡くださる形でもかまいません。どうぞよろしくお願いいたします。
 最後に、野洲図書館でおこなわれていたフェアの画像をいくつか紹介します。

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