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BTS:花様年華『I NEED U』の物語を書いてみる


花様年華についてはARMYさん達がたくさん考察されていて、動画やブログなど数え切れないほど存在しています。

できればいろいろと読んだ上で自身でも考察するのが良いのかもしれません。

しかし、せっかくならまだよくわかっていない状態で、単純にその世界観を直に感じた上で何かカタチに残したい、という欲求の方が強く、まずは追加情報を入れずに、公式が発表しているものだけをたどっていくことにしました。



考察の中心となりそうな「起承轉結」の動画については、こちらの記事↓に記載していますので良かったら合わせてご覧ください。


一方で、花様年華をモチーフに何かしらのアートワークをしたい欲求があり、先日こちらの記事↓を書きました。


この後、花様年華のある場面をもとに絵を描いたのですが、描いてから、その場面について記事にするには、そこへ至るまでの過程がないと背景として薄くなるなと感じたので、物語をさかのぼって言語化してみることにしました。


まずは「プロローグ」というタイトルだけに、序章=導入を表すのかと思い、こちら↓の動画から観ていこうとじっくり視聴。


しかし、プロローグを見る前に、どうやらその前段階として観なければならないものがあるようだと気づき、たどり着いたのがこちらの動画です↓


『I NEED U』は2015年にリリースされ、BTSが音楽番組で初めて1位を取った楽曲で、こちらの動画はいわゆるMusic Videoです。

ただし、歌唱シーンは全くなく、ひとつのドラマの様な内容となっています。

ひとつひとつの場面を分析して説明していこうと思いましたが、どうもしっくりこないので、動画と歌詞をもとにそのまま物語にしてみることにしました。

「起承轉結」とも繋がっているところがあると思うので、一部場面をリンクさせています。

私自身の解釈と創作も含まれています。

ほかの動画を観ていくところで解釈が変わって、追々修正するかもしれません。

登場するのはすべてメンバーで、以下の通りすべて本名にて記載します。

写真の右から、

JINさん=ソクジン
RMさん=ナムジュン
Vさん=テヒョン
J-HOPEさん=ホソク
JIMINさん=ジミン
SUGAさん=ユンギ
JUNGKOOKさん=ジョングク

となります。

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日本語で良い表現がなかったので「ヒョン」という韓国語をそのまま使います。
血の繋がりの有無に関わらず目上の男性に対する「お兄さん」という意味です。

動画自体をまだ観たことがない方は、まず最初にご覧いただくことをお薦めいたします😊


それでは、始めます。

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ソクジンはひとり、選択肢を前に思い悩んでいた。

この選択が正しいのか。それともその逆か。

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「弟たち」のことを思い、自分がすべきことを考える。



ホソク、

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いつでも笑顔で周りを気遣い助けてばかりだけれど、本当に助けてほしいのはホソク自身だということを知っている。




ジョングク、

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末っ子でみんなに可愛がられているけれど、負けず嫌いで危ういところがある。いつか自分を傷つけることにならないか心配だ。




テヒョン、

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下から2番目で末っ子以上に甘えてくるのに、肝心な時には我慢して甘えてこない。どうか壊れてしまう前に手を差し伸べてほしいよ。




ユンギ、

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前はもっとよく笑うやつだったけれど、大切な人を失い、すべてが変わってしまった。またお前の笑った顔が見たい。




ナムジュン、

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今は砂を噛む様な日々を送ってる。才能があって、本当はもっともっと高く遠くに羽ばたけるのに。僕に何ができるだろう。




ジミン、

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自分の犯した過ちに苦しんで息ができずにいる。その苦しみを灰にして、水に流せたらいいのに。





みんなのことを助けたい。

僕はどんな選択をすべき「だった」んだろう。



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生きていく上ではさまざまな選択を繰り返す。

ひとつの選択を間違うと、すべてが砕け散って、力を失い、落ちていくような、そんな末路を辿ることがある。







ユンギはひとりの部屋に慣れずにいた。

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手元に残って触れられるのはライターだけ。

どうせなら、何も残してほしくなかった。

しかし、たとえライターがなくて、何も残っていなかったとしても、亡霊みたいにいつでもそこにいるような気がする。

そこにいて、俺が壊れていくのを見下ろしてるんだろ。

頼む、消えてくれ。

それとも、俺が消えようか。

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ホソクはいつものように慣れた手つきで薬の瓶を手にしていた。

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最初に薬を処方されてからずいぶん経つ。

目を閉じることができないんだ。
目を閉じたら、すべてを失いそうで。

薬がないと眠れない。

薬がないと生きられない。

そもそも僕は生きていても良いのかな。

生まれて良かったのかな。

ごめんなさい。

僕がここにいるのは間違いですか。

ねえ、お母さん。

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そうだ、僕が選べるのはひとつしかない。

わかっていたことじゃないか。

これしか方法はないんだ。

ソクジンは立ち上がり、その「扉」を開ける決意をした。

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テヒョンにとって、ひとりになれる場所は少しだけ息のできる唯一の場所になっていた。

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家に帰ってもまた辛い現実が待ってるだけだ。

だから、ひとりになって思い出す。

みんなが一緒だった「あの時」のこと。

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いつも一緒だった。

くだらないことで腹を抱えて笑い合って、じゃれ合って、時にはケンカもしたが、それでもいつでも楽しかった。


だから「あの時」を思い出している時は、ほんの少しだけ笑った気になれる。

生きている気になれる。


「あの時」はどこへ行ってしまったんだろう。

もう、二度と戻らないのだろうか。

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ジョングクもまた「あの時」のことを考えていた。

しかし、記憶は薄らいであまりよく思い出せない。

あの時は笑ってた気がするけれど、いつから笑わなくなったっけ。

いつから笑えなくなったっけ?

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もう、どうでもいい。

どうでもいいけど、なぜだろう。

心のどこかであの時を求めている。

目を閉じて、また開いた時、あの時に戻っていたらいいのに、と。

そう、求めてしまう。

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…決して戻れるはずもないのに。


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7人は年齢も性格もバラバラだけれど、なぜか妙に気が合った。

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たくさんバカもしたし、それぞれに問題を抱えていたけれど、夢もあって、あり得ないような未来を語ってもお互いに真剣に耳を傾けた。

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一緒にいたら、自然と笑っていた。

笑えていた。




ナムジュンもまた「あの時」の笑顔を思い出していた。

地面に寝転んで腕枕してやるなんてバカなこと言ってたのはテヒョンだったかな。

しばらく会ってないけど、元気でやっているだろうか。

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「あの時」と変わらず夢はあるけれど、「あの時」と変わらず夢は遠い。

「あの時」は笑いながら寝転んでた地面に落とされた金を、苛立ちと絶望感を隠しながら拾うような日々。

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平気だ。

俺はバカだから、何度だって繰り返す。

いつかこの夜から抜け出して、太陽の下で笑ってやる。

太陽の下なら、頬をつたう涙もすぐに乾くだろう。

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同じ太陽の下で、ホソクは一歩ずつ「その時」に近づいていた。

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笑えないけど、泣くこともできない。

もう、僕が僕を手放そうとしている。



テヒョンもまた「その時」に近づこうとしていた。

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まだ「この時」は知らない。知るよしもない。

しかし、「その時」は歪んだ時間と時間の狭間で擦れ合う様な歪んだ音を立てて、テヒョンに確実に忍び寄っていた。



ジョングクは、痛みだけが唯一の生きている証のように感じていた。

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唯一自分が存在する証でもある。

生きていることはこんなに痛いものだったっけ。

本当はもっと別の証があったんじゃないか。



誰か、気づいて。

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誰か、気づいて。

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誰か…、

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誰か、助けて。

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時が満ちて、静かに「扉」は開こうとしていた。


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痛みはないけれど、わずかながら胸が痺れるようにあたたかい。

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ジミンは誰かが呼ぶのを聞いた気がして、ふと顔をあげた。

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ほんの少しの期待。





そして、「扉」は開かれた。







テヒョンは「その時」に一歩、また一歩と近づいていた。

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叫び声、骨を打つ音、か細い身体がしなり壁にぶつかる音、うめき声…。

変わらない日常。
しかし、決して見慣れることのない日常が「扉」の向こうにある。

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日常は変わらない。

けれど、「この時」のテヒョンはいつもとは違った。

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ダメだ。
逃げてはダメだ。

気づいてた。
気づいてたのにずっと何もできなかった。

もう限界だ。

俺がやるしかない。

救うことができるのは俺しかいない。

救うためにできる選択はたったひとつ。


「悪」を断つ。


テヒョンは近くにあったガラス瓶を手に「扉」を開き、思いっきり振り下ろす。

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俺が「貴女」を護ります。





そして、ジョングクにも「その時」が訪れる。

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ふらつく足でたどり着いた大通り。
気づいた時には間近でヘッドライトが照らしていた。

運命は瞬く間に目の前に現れ、思いもよらない形で、痛みから解放されることになる。




そして、すべてを悟ったジミンは自分に問いかける。

やっぱり誰も僕のことなんて呼びはしない。

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やっぱり運命なんて変えられないんだ。


結局は誰も救われない。

僕も救われない。





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結局は過去のある華やかな瞬間だけが、誰かの記憶の中で燦然と輝いて色を持つ。




ねえ、あなたが思い描いたのは「この時」だった?

あなたが開いた「扉」は何?

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その「扉」の先には何があったの?

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あなたは何をしたの?




…笑顔が観たかった。

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もう一度、みんなの笑顔が観たかった。



テヒョン、

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テヒョン、

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テヒョン、

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テヒョン、

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僕は、何をした?







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…もう一度、笑顔が見たかっただけなんだ。

ホソクが薬を手放して、

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ナムジュンが本来いるべき場所を掴む。

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ユンギ、なんでだ。

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消えるべきはお前じゃないだろ。




テヒョン、なんでだ。

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罪を負うべきはお前じゃないだろ。



ジミン、もう少しでお前に声が届きそうだったんだよ。

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みんな、ごめん。

また、みんなで笑いながら、あの海に行きたかったんだ。

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僕は、選択を間違ったのだろうか。



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以上です。


白い花はスメラルドと言って、どうやらその花をキーとして、ソクジンはタイムループをしている、というのが大筋の設定のようですが、このMusic Videoに限って言えば、タイムループをしているようには思えませんでした。

ここでは、スメラルドを使うことで、ほんの少し運命をずらしたように見えます。

そして、良くしようとしたつもりが、かえって運命が狂ってしまった。

その影響を受けたのが、テヒョンとジョングク。

「魔がさす」という言葉がありますが、テヒョンはいつもなら拳を握りしめてじっと耐えてきたはずの光景に耐えられなくなり、近くにあったガラス瓶を手に、母を傷つける「悪」=父を殴打します。
もつれることになり、ガラス瓶が割れ、腹部を指すのですが、その後もまるで何かが取り憑いた様に何度も何度も刺して、殺してしまいます。

ジョングクは肩が触れたために喧嘩となり傷を負った後、ふらふらと道に出て、気づけば車が目前に。

ほんの少しずらした運命が、より過酷なものへと変えてしまったように見えました。


しかし、ここにはそのほかの可能性があります。

① ソクジンが少しだけ運命を動かした
 →私が感じたシナリオです


② 実はソクジンは何もできなかった
 →運命を変えることを試みたけれど、結局は運命は変えられず、そもそもテヒョンとジョングクはその時を迎える運命にあり、ただなるべくしてなる結果になっただけ、ととらえることもできると思います


③ ソクジンはこの時点では何もする気がなかった
 →そもそもこの時には運命を変えたり時間を操作する力はなくて、ソクジンが実行したのは弟たちのたどる運命を観ることだったともとらえられます。最後の方に見せたソクジンの涙は運命を変えてしまった、または、変えられなかったことへの涙にも見えますが、運命を知った涙にも見えるのです


話は続くので、可能性はそのままに仮置き、つまりこの記事は編集中の下書きを公開している状態です。


この先の物語を見ていって、別のストーリーと繋がったら、書き直すかもしれません。


大変長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございます😊

👑


※続きの記事はこちらです↓

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