面白い作品のレシピ

面白い作品は、各々が能動的に機能している時だと思います。
そして、様々な意図が作品という一つに集約されて行くとき。

中山絵里さんの演出は、俳優が考えてきたものに対して、「それならば、この方がいいのでは?」とより良い方法を提案してくれたり、迷っていれば、「こんなのしてみたら?」と言って、俳優が元々持つ素材を引き出す方式です。

安達工房のセリフは、無味乾燥な分だけに、俳優が持ち込むものが多ければ多いほど、その人自身の色が濃く出るようになっています。

その代わり、持ち込むものがないと、何も表さない芝居になりますが、そこは安達工房自身が俳優であるので、俳優を信頼しております。

説明は少なく、行動で示すことを良しとしているので、書かれていないところで、どんな行動を持ってくるか。言葉ではなく、行動でどう埋めるか。

稽古を進めながら、作品を皆で作り上げているなというとき、台本で自分が意図していない力をフッと感じる時があります。
そんな時間がとても愛おしい。

面白い作品へ進化を!

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