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今までの人生11(38歳の誕生日)

彼の残りの荷物をダンボールに詰め

数日経ったある日
仕事から帰宅するとリビングに置いてあった
段ボールは無くなっていた。

解っていたけど
涙は止まらず
いつまで泣いていたかもわからず
リビングのフローリングが冷たく
寒くて目が覚めた。

もう朝だ。
シャワーを浴び仕事に行く。

仕事に行けば行ったでパワハラだ。
心のよりどころも何もかも
もう私にはないのだと・・・

それでも生きていく為には
仕事はしなくてはならない。
その日も何とか乗り切り
やっと帰宅する。

明かりのついてない寒い部屋。
少し広くなったリビング。

「ただいま」

返事はもちろんない・・・

カバンを置き
部屋着に着替え
冷たいリビングに座り
時計の秒針の音だけが聞こえる冷たい部屋。

「ピンポーン♪」

チャイムが鳴った。
インターフォンだったので
「はい、どちらさまですか?」
・・・
・・・
・・・
「俺だけど・・・」
申し訳なさそうな、つらそうな声は彼だった。

急いで玄関のドアを開け

「おかえり!」

無意識に出た言葉だ。

返さなくちゃ・・・
 ポストとかに入れたら盗まれても困るし。」

の存在忘れていた。

「それとこれ、変かもしれないけど・・・
 誕生日おめでとう。」

その日は私の38歳の誕生日だった。
悲しみのあまり自分でもすっかり忘れていた。

ケーキとプレゼント?

別れるのになんで?

「〇〇(私)と出逢えて本当に幸せだったから。
    俺のワガママで幸せにしてやれなくてごめん。」

「嫌だよ・・・一人にしないで・・・・」
自然と言葉に出ていた。

「本当に〇〇(私)のせいじゃないから。
   俺がダメなんだ ごめん。
   泣かないで・・・ずっと泣いて疲れただろ
   俺のせいでごめん。もう泣かないで・・・

そう言って合鍵を私の手のひらにのせ
ハグして

「死ぬまでに、お互い独り身でどこかで出逢える
 ことがあったらその時は絶対一緒になろうな。」

そう言って
しょっぱいキスをして彼とはさよならした。

プレゼントは私が好きだったチーズケーキと
幸運が訪れますようにという願いの
パワーストーンブレスレット。

泣き続けてるのに涙は枯れず
もらったブレスレットを身に着け
チーズケーキをほおばり

父の介護をしながら仕事も頑張っていた母に
心配はかけたくなかったが
私の両親も会って知っている関係だったので
報告の電話をした。

今日誕生日だったのに
彼とお別れしました。

結婚すると思っていた母は
泣くのをこらえて話す私に

「別れは辛かったかもだけど
    誕生日おめでとう!」

母のせい一杯の励ましの言葉。

これ以上母には心配かけられない。

「ありがと・・・」

「一応報告だから。お母さんも無理しないでね。
   また連絡するね!」

そして何もなかったかのように
明日はやってくるのだ。
心のヒビはまた少し大きくなった。


今日はここまで


昨日のコロナワクチン接種の影響で
微熱と怠さ・・・
ゆっくり過ごそう

こんな辛い思いをした秋なのに
私は昔から秋が好き
だって食欲の秋!(笑)
ってのもあるけど(ダイエット中です。涙)
やっぱり母が大変な想いをして
産んでくれたからかな。

30代後半でうつ病になり、 病気になった原因や、 51歳を機に第二の人生を歩もうと未来を望むことを決めた、 これからのことを綴っていきたいと思います。