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今までの人生25(消えない音)

うつ病で退職した報告をしてから
母とは話していない。

いい歳して情けないとか
親戚に知られたくないとか

また言われると思うとできなかった。

あっという間に季節は

自宅の近くには救急病院があり
結構ピーポーピーポーと時間関係なく
聞こえてくる。

「あー また鳴ってる」

急患が多い日だなぁ・・・と思っていると
また聞こえてくる。

いつもの通り夜にネット仲間と通話し楽しんだ後
薬を飲んで布団へ。

また今夜も急患かぁ
うるさくて眠れないよ・・・
(急患さんごめんなさい)
うるさーい と思って耳を塞ぐ。

あれ?
音が小さくならない?
耳に指を突き刺してギュッとする。
あれ?
まだ聞こえる。
耳から手を離す。
音の大きさは変わらない。

何かおかしい。
まだ鳴ってる。

頭がおかしくなりそうだった。

次の通院日

「どうですかぁ〜」

と、聞いてくる先生に

「救急車のピーポーピーポーが
  鳴り止まなくてずっと聞こえるんです。」

うるさくて眠れませんと伝えた。

「神経が過敏になってるんですね・・・
 お薬変えてみましょう。」

鳴り止まないその音の原因は
私にあったのだ。

神経が過敏?

こんなに毎日ボーっとしてるのに・・・
神経が過敏・・・

どんどん訳が分からなくなる。
ピーポー音の次は
玄関のピンポンの音。
電話の音。

一度聞くと
ずーっと鳴りやまないのだ。

音楽を聴くのは好きだったので
好きな曲を聴いて気を紛らわせる。

しばらくして音楽を聴くのをやめると
普通の生活音しか耳に入ってこない。

良かった・・・。
自分なりの解決法だが気が楽になった。

そんな気持ちも束の間。

「ピンポーン」

セールスだ。
予定のない訪問には出ないと決めていたので
何度か鳴らされる。

耳をふさいで「うるさーーーーい」
心で叫ぶ。

案の定・・・
「ピンポーン」
「ピンポーン」
「ピンポーン」

・・・
・・・
・・・
耳に残る。
もう鳴ってないのに
耳の奥から聞こえる・・・

涙が止まらない
泣きながらまた音楽を聴く。

しばらくして気持ちも落ち着き

「ピンポーン」

が聞こえないことを確認できて
ホッとする。

疲れて横になり
いつの間にか眠っていた。

すると次は電話で目が覚める。
電話の音にも
ビクッとする。


今日はここまで


雪国はもう冬だ。
雪・・・
まだ寝雪にはならないが
最高気温は一桁。
最低気温はマイナス。
雪の日が増えてくるし
気が滅入る日も多くなる。
でも私は四季がはっきりしてるのが好き。

30代後半でうつ病になり、 病気になった原因や、 51歳を機に第二の人生を歩もうと未来を望むことを決めた、 これからのことを綴っていきたいと思います。