見出し画像

トルコの歌姫たち2・セルタブ・エレネル:Sertab Erener "Aşk Ölmez" 愛は死なない

「トルコの歌姫たち1」として先週 (2022/7/1)に、エダ・ババが素晴らしい・愛が深まった、と語った。その冒頭に選曲した一曲がセルタブ・エレネルの歌だった。高音域での芯の一本通った力強いビブラートに魅せられて、今回もトルコのポピュラー音楽、セルタブ・エレネルの歌を書こうと思う。

まず、2018年に公開されているライブの動画 "Aşk" (「愛」 by google 翻訳) を聴くと、彼女の高音の迫力ある歌声と情感たっぷりの歌いっぷりで圧倒される。特にこのようなアコースティック楽器をバックの演奏で映える。

"Aşk" のオリジナルは、1999年の自身の名前を冠したアルバムに収められている。

このアルバムは、3曲目の"Aşk"のほか、エダ・ババがカバーした "Zor Kadin" も収録されているし、1曲目の Vur Yüreğim ( "私の心を撃て" by google翻訳)もドラマティックな展開で彼女ならではのいい曲だ。自身も何度も演奏しレコーディングも残しているようだ。つい先週だったか、トルコのラッパーŞanışerとのコラボで装い新たにリリースされた。YouTubeでは Izmir Big Band との共演のライブ演奏が上がっていて、これもいい。


セゼン・アクスより1世代下の1964年生まれで、1992年に最初のアルバム "Sakin Ol" をリリース、ユーロヴィジョンで2003年に優勝、というキャリアで、女性歌手のスターの一人ということだ。

30年で18枚程度のアルバム、4年ほどブランクがあくときもあったようなので、それほど多作ではないが、これまで何枚か聞いたところでは、民俗楽器の音色やエレクトリックの響きが見事にバランスして、音作りも曲調もバラエティに富んだ2004年のアルバム "Aşk Ölmez" がなかなか好きだ。一曲目の "Aşk Ölmez, Biz Ölürüz" (「愛は死なない、私たちは死ぬ」 by Google 翻訳)も少し不思議な感じのメロディと和声進行、エレクトリックギターのスパイスもよく効いていて、十分に楽しめる。

7曲目の "Kolay Değil" はインド歌謡の要素が前面に出ていて少し驚かされるし、10曲目の "Beni Bağışla" (「私を許して」 by google 翻訳)も特徴のある曲構成でなかなか面白い。9曲目の "Sessiz Gemi" ("Silent Ship" by google翻訳)も気に入った。

2020年の "Ben Yaşarım" もバラエティに富んだ曲が並んでいて飽きさせない。アコースティックのバックで歌われる1曲目と2曲目も哀愁がこもっていていいし、3曲目は一転して、テンポのいいエレクトリックギターのリフで4曲目はゆったりとしたバラード調、といった具合だ。

このアルバムの発表後のライブのアルバムも出ている。YouTubeで動画で見れるので、こちらで堪能できる。ご本人のコメント(解説?たぶん)も丁寧に入る。が言葉がわからないので残念。。。

そういえば、2022年には、セゼン・アクスも子守歌をリリースしていたが、セルタブ・エレネルも子供のためのアルバムを発表している。

セゼン・アクスとのデュエットもYouTube にあがっていた。

セゼン・アクスと声質が似ているので、ほとんど同じ音域で歌うとなかなか区別がつきにくい。

YouTubeにあがっている動画をいくらか聴いているなかでは、上にも紹介した Izmir Big Band との共演ライブがなかなか気に入っている。

イズミルは、トルコのエーゲ海沿岸にある都市だ。一度訪れてみたいものである。

2020年の室内でのライブ録音もしっとりと聴かせる。何曲も視聴できて、非常に迷うが、セゼン・アクスの曲 "Masum Değiliz | Keşke Ben Söyleseydim" のカバーを選曲しよう。

聴けば聴くほどに好きになっていく、力強く引き込まれていく、そんなセイレーンのような歌声だ。こうして記事に書いている間にさらに惚れてしまった。



■ 関連 note 記事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?