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セゼン・アクス:"Sezen Aksu Söylüyor" 「セゼン・アクスは歌う」

トルコのポピュラー音楽にそれほど詳しいわけではない、というか、全世界の音楽にそれぞれそれほど詳しいわけでもなく、ツマミ食いばかりなので、いちいちこのようなディスクレーマをつけても仕方ないのだが、一昨年からよく聴いているのは Altin Gun (アルトゥン・ギュン) というアナドル・ロック(*1)のグループだ。

トルコ地元のバンドというわけでなくオランダのアムステルダムで結成されたグループだ。民俗楽器でもある弦楽器・サズのエレクトリック版と、ちょっとチープなキーボードとパーカッションの音がサイケな感じで面白いバンドだ。

女性と男性のフロント:メルヴェ・ダシュデミル Merve Daşdemir (Vo, Key)とエルディンチ・エジェヴィット Erdinç Ecevit (Vo, Saz )がトルコ人だと思う。
2021年のアルバム "Yol" も面白い。

つい最近にシングルも出ている。

そういえば、トルコといえば、以前にちょっと触れたトルコのジャズ・ギタリストのサープ・マデンもついこの間、新しいアルバムをリリースした。こちらはトルコ色やオリエンタルな雰囲気はあまりないが、私の好きな音でもあり、新作を聴けて嬉しいかぎりだ。

そんなわけで、最近、トルコ発の音楽もよく聴いている気がする。

先週末に京都の自宅に帰ったときに昔懐かしいカセットテープをひっくり返していたら、1990年ごろに買ったトルコの女性シンガーソングライターのカセットテープが目にとまった。名前もわからず、アルバムタイトルもわからず、しかしオリエンタルなエキゾチックな曲と音作り、そしてなにより歌声に聞きほれて、だいぶん聴いた。

Spotifyで検索したらすぐに見つかった。トルコ・ポップスの女王と言われるセゼン・アクスの "Sezen Aksu Söylüyor" 「セゼンアクスは歌う(Google 翻訳)」。

再生してみれば、1曲目 "Birak Beni"のイントロから、あのころテープで聴いていたセゼン・アクスの歌声がよみがえり感慨深い。どこか哀愁のこもった力強い声でオリエントの雰囲気たっぷりのドラマティックな歌、トルコの民俗楽器の音色が現代的な音にうまく溶け込んで素晴らしい楽曲ばかりだ。1曲目のほか、3曲目の "Gidiyorum"、4曲目の "Son Bakış"、7曲目の "Balalim"、8曲目の "Kış Masalı"、10曲目の "Istanbul Hatirasi" あたりが特に気に入っている。

以来30年の間に20枚ほどのアルバムをコンスタントに出している。どれも安定したテイストのいい曲ばかりだ。それほど聴きこんでいないので選ぶのは難しいが、1996年の”Düş Bahçeleri” 「ドリームガーデンズ(Google 翻訳)」から "Bile Bile”、2003年の "Yaz Bitmeden" 「夏が終わる前に(Google 翻訳)」から "Aşktan Ne Haber"、2008年の "Deniz Yıldızı"から "Yol Arkadaşım" を選曲。


今も精力的に活動しているようで、今年2022年になって可愛らしい童謡のシングルをリリースしている。

やはり国民に愛されている証拠であろう。

2018年に、他のミュージシャンに提供した楽曲をセルフ・カバーした アルバム"DEMO"をリリースした。2020年から2021年にかけてその第二弾 "DEMO 2"としてシングルで1曲づつ 計15曲リリースしている。


映画のサウンドトラックらしい "Ben Öyle Birini Sevdim ki"もなかなかいい曲だ。

Spotifyでもたっぷり楽しむことができるし、YouTubeの公式にもたくさんのオフィシャルクリップが上がっている。YouTube のほうは歌詞が字幕で出たり、ご本人の解説もアップされていたりするので、翻訳ソフトで翻訳しながら楽しむこともできる。

さて、いろいろ探して聴きあさっているうちに、今日、さらに魅力的なトルコの若手女性シンガーソングライター Eda Baba という人を見つけて、この人にもぞっこん惚れてしまった。この人のことは、いずれ記事にすることになるだろう。


本当に、いい時代になったものだ。



■注記
(*1) アナドル Anadulu はトルコ語でアナトリア・小アジアのことらしい。
「60〜70年代にトルコで人気を博したサイケなフォークロック(=アナドル・ロック)をモチーフとしたサウンドを聞かせる」ということだ。

ALTIN GUN (fujirockfestival.com)

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