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トルコの歌姫たち1・エダ・ババ:Eda Baba "Zor Kadin"

前に、トルコの歌姫・女王、セゼン・アクスへの思いのたけを記事にした。

この記事の中で、エダ・ババという素晴らしい女性歌手を見つけたと書いた。1989年生まれというから今 33歳、それにしてはセゼン・アクスに通じる声と堂々とした歌いっぷり、一発で惚れてしまった。

2017年のライブで素晴らしいのがあって最近、よく聴いている。"Zor Kadin"という曲だが、 覚えやすいギターのバッキングとメロディーで耳に残り、そして、Eda Baba のチャーミングな表情と仕草が魅せるライブ、うっとりする。

2023/7/14追記:残念ながらリンク切れになってしまって、見ることができないのが残念だ。素晴らしい音源だったので是非公開してほしいと願っている。

オーディエンスも一緒に歌い、乗りもいいので有名な曲だろう、と思って曲名で検索してみたら、Sertab Erener (セルタブ・エレネル)が歌ったものがオリジナルだった。

砂浜でちょっと古めのラップトップ、時代を感じさせるビデオクリップではあるが、こちらもいい感だ。

セルタブ・エレネルもなかなか良いので、次回、このシリーズで思いのたけを語ろうと思う。トルコの歌姫たちは、このあと、2週にわたって、2, セルタブ・エレネル、3. アジダ・ペッカンと続ける予定だ。 

・・・さて、Eda Baba であった。

2017年の "Uzun İnce Bir Yoldayım" 1(「私は長くて細い道を進んでいます」by Google 翻訳)というシングルがデビューではないかと思う。アコースティックギター一本の弾き語りで哀愁を感じさせる歌声とマッチしてじっくりと聴かせる。

YouTubeでは、2015年にすでに "Geceler Kara Tren"などいろいろ動画があがっていて、まだこのころは自宅録音ぽい音質だし、簡単なビデオクリップだが、素朴で楽しめる。

2019年リリースの "Bir Küçük Tebessüm" が初のフルアルバムだと思うが、フルアルバムはこれと 2020年の "Can Suyu"の2枚だけのようだ。シングルとEPはコンスタントにリリースされている。ここでは、それら2枚のアルバムと2022年のEP "Aile Albümü" をリンクしておこう。

"Bir Küçük Tebessüm"は、民俗楽器の音をうまく全体のアンサンブルにとけこませながら、ドラムスやキーボードで全体をポップにまとめている感じだ。

2020年のアルバムはアコースティックのバンドをバックに、素直な曲構成で、哀愁を感じさせる歌声をじっくりと聴かせる。

スタジオライブの形で YouTube にも上がっていて、アコースティック・ギターとガットギターのバックによる 2曲目、Her Şey Seninle Güzel (YouTube https://youtu.be/hSEqTDCtwfo) や トルコの弦楽器・サズの音も聴ける 1曲目 Beni Vur (YouTube https://youtu.be/occw5fOV7xY) もいい。

3曲目のEllerimde Çiçeklerもいい。バックはガットギターとエレアコのウード、そしてバイオリンだ。是非、視聴していただきたい一曲だ。

ウードというのは、中近東で昔からあって、リュート・琵琶の先祖が同一と思われる楽器で、もちろんギターとも同族だ。寄木で作られた深く丸みのあるバックを持つ涙粒型のボディ、フレットレスのネック、弦は6コース11弦(5対の複弦+再低音が単弦)となっている。

カナダの有名ギターのメーカー Godin (ゴダン) のギターは美しいし、その使い勝手の良さや、クラシックギターもあれば、エレクトリック、アコースティック、ジプシーギターなどバリエーション豊富で、ガット弦でもスチール弦でも、そして、このようなウードもある。

2022年のミニアルバムもなかなかいい。

家族によるレコーディングなのだろう、きっと。

中東・オリエントの素朴な雰囲気が伝わって来るすばらしい曲たちだ。なんだかホームパーティに呼ばれて自分も一緒に手拍子を打ちながら踊っている、そんな気になれる。

先週公開された"Homini Pufidi Tumba"もすばらしい。

この人は、民俗楽器も交えたアコースティックなバックでのライブ演奏が魅力的で、こうして改めて聴いていて、ますます惚れた。

これからがますます楽しみなミュージシャンだ。

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