火曜日しばらく雑記帳・2024 CW04
先週の金曜日は、朝一番ののぞみで京都の自宅に帰り、午前中は京都のリビングで仕事をこなし、一通りきりがついた合間を縫って、年明けすぐに更新手続きをしていたパスポートを受け取りに行ってきた。
いろいろ行きたいところはあるけれど、ドイツにはまだ付き合いのある友人もいるし、初めての海外出張がドイツのミュンヘンだったこともあって思い入れもひときわ強く、また行きたいものだなぁとぼんやり思いながら待っていた。
海外の空港の雰囲気は大好きだ。スーツケースやキャリーバッグを持った様々な身なりと様々な体格の人々が行きかい、まったく知らない言葉でざわついている。空港を利用する人達は皆、旅の途中だ。何かの目的のためにどこか目的地へ向かっている。そんな中でポツンと一人で座っていると、私は何者でもない何者かでいられる、そんな心地よさがいい。
ミュンヘン空港やフランクフルト空港ではヴァイス・ヴルストにヴァイス・ビア、ハンブルク空港ではイェヴァーのピルスナー。ドイツの北のほうのピルスナーは苦みが非常に強い。18世紀ごろだろうか、安定した品質のビールを大量に生産できるようになってくると、地域で消費されていたビールが海外に輸出されるようになる。そして貯蔵技術が今ほど発達していない時代、長い船旅に耐えるように防腐剤としてホップを大量に入れるビールが作られるようになったという。だからしてドイツ北部のビールは苦みが強い。
イギリス発祥の IPA という種類のビールは柑橘系の華やかな香りと強い苦みで、最近特に人気のようで多くの人に知られたと思う。この IPA の苦みが非常に強いのも同様な理由だ。大航海時代にインドを目指す船には一人あたり一樽のビールが積み込まれたらしい。生水は保存が効かないがビールは保存が効くからだ。だから、そのビールは、防腐剤としての効用を期待して、通常のペール・エールよりもホップを特別に多く使った。ホップの香りが高く苦みの強いそのビールをインディア・ペール・エール (IPA) と呼ぶようになったという。決してインドが発祥というわけではないのである。
・・・いかにももっともな感じがするが、真偽のほどは確かめてない。ちょっと口から出まかせ気味かもしれないので注意してほしい。
申請のときは行列も長くかなり待たされたが、受け取りはすぐだった。
■長いものに巻かれるべきか、麺類はやはり大好きだ。
例えば、先週の火曜日にはミートソースのスパゲティ
ソースは、ニンニクをオリーブオイルで熱して香りを出して、みじん切りの玉ねぎとひき肉を炒めて、缶詰のダッテリーノ種トマトでバジルとともにじっくり煮込む、まぁ普通のトマトソースだ。今回は鷹の爪も3-4本入れてごく微量の辛みを加えて楽しんだ。
京都に移動する前日の18日は、ちょっと写真が地味だが、鶏とほうれん草のクリームソースでタリアテッレ。
オリーブオイルでニンニクを加熱して香りを出して、鶏とほうれん草を投入し火を通して牛乳でのばし、塩・胡椒で調味、マスタードを隠し味、トロミは吉野葛で。太い平麺のパスタのタリアテッレとばっちりのコンビネーション。
冬に熱々が美味しい一品だ。
先週のカリーはチキン・カリー。
スパイスとヨーグルトで鶏肉とジャガイモに京人参を煮込む簡単なビストロしまむらの定番のカリー。スパイスは、スターターにマスタードシードとクミンシード、メインは自分で挽かずにMDHのチキンカリーマサラにガランマサラ。
バスマティライスは紅芯大根を一緒に炊いて、アジョワンホールで薬くさい香りをプラス。
余りに余裕がない一週間で事務所に籠っていたこともあり、弁当はつくらなかった。また、昼食をスキップする日もあった。
世のなか厳しい。
■先週に引っかかった音楽をすこし
1.ギリシャのヨルゴス・ダララス (George Dalaras)が新しいアルバム "Pirazodas Ton Dalara" をリリースした。このジャケ写はいかがなものだろう。お爺さんが若者に「君たち、それでいいんだよ」って感じに迎合するようなポーズがいただけない。しかし曲はそれぞれ悪くない。
1曲目の Σαν το κερί (San To Keri - Like the candle という意味らしい) はΔραπέτες (Drapetes - Escapeeという意味らしい) という名の男女二人のグループだろうか、音作りも軽くラップも交えて、メロディの独特な哀愁はそのままにいい感じに仕上がっている。
他に収められている楽曲も、もっとギリシャ歌謡の色の濃いものもあるし、共演者もバラエティに富んでいて楽しめる。たとえば2曲目、ベテランのグリケリア (Glykeria)とのデュエット、"Den Thelo Pia Na Xanarthis" は新しいアレンジで聴かせる。
ギリシャのポピュラーソングはベテランも若手も勢いがありそう、それぞれの交流もいろいろあって楽しめそうだ。
2.ノラ・ジョーンズの新曲 "Running" がリリースされた。去年の6月の "Can You Believe"が3年ぶりの新曲だということだったが、それから半年ちょっとおいての2曲目だ。
ノラ・ジョーンズは2002年のデビューアルバム "Come Away With Me" で惚れて、"Feels Likes Home," "Not Too Late," "The Fall" と追いかけた。ハスキーな歌声もいいし、新しいスタイルのオリジナルの楽曲がいい。
それ以降は次第に聴かなくなり、この数年か、しばらく聴いてなかったように思う。それほど熱心なファンではないとも言える。それが、去年からの、Palying Along というタイトルの Podcast で異母妹のアヌーシュカ・シャンカールやロバート・グラスパー他、いろいろなミュージシャンと共演を披露するのがよく、また、レイヴェイ(Laufey)とのクリスマスソングもなかなかよかったので、またよく聴くようになった。
これからどんな展開が開けていくのか楽しみだ。
3.もうぞっこん、というと、ラウ・ノアだが、新しいシングルは ピアニストの Shai Maestro とのデュオで "Home." なんと、ラウ・ノアは歌は歌わず、ギターだけ。
と、今、まさに、これを書いている間にアルバムが Spotify でいつの間にかリリースされているのに気が付いた。
10曲目の最後の一曲だけ弾き語りのソロ(後半、コーラスのバックが加わる)だが、他の9曲は、これまでに雑記帳でシェアしてきたシングル数曲も含め、それぞれ異なるのミュージシャンとの共演だ。それぞれの曲ごとに多彩な表情を魅せる。
これは、このアルバムに特化した記事を近いうちに書かねばなるまい。どの曲もあまりに美しい。1曲目のグァテマラのシンガーソングライター Gaby Moreno との "Auque Suene Bonito" からゾクゾク来る。
前にも2回ほどシェアしたが、3曲目のSÍLVIA PÉREZ CRUZ (シルビア・ペレス・クルス)の "Que Pasen Cosas"が特に好きなのでしつこく貼っておこう。
4.デンマークのサクソフォン Simon Spang-Hanssen の "Jungle Deal"
サックス、ギター、ピアノ、ドラムスとソロが続き、バックのパーカッションも楽しい。ちょっと人の食ったようなテーマと、ワイルドでテンポのいい演奏で元気が出る一曲。ギターは北欧のジャズ・ギタリスト Bjarne Roupé(ビャルネ・ルーペ)、明るいディストーションとディレイの効いた、空間を切り裂くウネウネ系。
5.最近、イタリアのギタリスト、マッテオ・マンクーゾの記事のアクセス数が伸びている。前から1週間に30 - 60程度のアクセスがコンスタントにあるので、たまに最新情報を追記するなどメンテをしている。
それがこの数週間でじわじわと増えてこの1週間では130弱のアクセス数があったようだ。そのわりにコメントやスキがつかないのは、ふーん、で終わっているからだろうけれども、せっかくネットで検索してアクセスしていただいて、つまらないでは申し訳ないし責任を感じる。
もう少し何とかしたい。
他に、今年の新しい企画といえば、ポール・サイモンへの思いのたけを綴るシリーズをマガジンにした。3-4週間に一本くらいのペースになると思う。これは、思いつく順番でアルバムを取り上げながら、思い込みはそのままに個人的な思いをぶつけていく、しかも長文、読者のことはいつもに増して考えられていない極めて個人的なマガジンになると思う。
■金曜日の朝いちの新幹線で京都の自宅に帰っていた。土曜日は一日雨降りで、読書と、気になることがあったのでちょいちょいと仕事。日曜日の午前中には一晩降り続いた雨があがり、雨雲レーダーで雨雲の動きを確認してからジョギングに出た。少し短めの 8.5km。
この日はそれほど冷え込まず、走りやすかった。
■ウクライナやパレスチナの紛争は今だに続いていて収束する兆しも見えない。どうにかならないものだろうか。
理由はいらない。即時停戦を求めるものである。
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