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アビエル・ナム:Abeer Nehme "Bi Saraha"

アラブ歌謡や中東の音楽にそれほど詳しいというわけでもないけれど、何人か好きな人がいる。レバノンのミュージシャンが中心になってしまうし(*1)、アラブというよりイスラエルのミュージシャンがどうしても多くなるのは、文化や社会の価値観に基づいて音楽の位置づけやスタイルへの許容度も様々なので偏るのはしかたがないかもしれない。

ついこの間、Natinal Arab Orchestraの YouTube 動画を視聴していたら、Abeer Nehme (アビエル・ナム (*2)) というレバノンの女性の歌い手が素晴らしく聴き惚れてしまった。

ナンシー・アジュラムにも似ているが、もっと伝統的な感じをさせながら、それでいてよりポップな感じもある。先月シングルカットされた "Bi Saraha"  (本音を言うと - by google 翻訳 ) を聴くとそんな魅力が楽しめる。

Wikipedia では英語でエントリーがあった。

Abeer Nehme has been referred to as "The all styles specialist" because of her talent in performing dialogues between different styles of music, such as: Oriental modal traditional styles, Lebanese styles, Syriac-Aramaic religious ethnic style, Greek Byzantine religious style and Opera and modern western styles.

Abeer Nehme - Wikipedia

アビエル・ナムは「全スタイルのスペシャリスト」と言われてきた。なぜなら、伝統的な東方様式のスタイル、レバノンのスタイル、シリア-アラムの宗教的なスタイル、ギリシャ・ビザンチンのスタイル、そしてオペラや近代西洋のスタイル、それぞれを行き来して表現する才能を持っているからだ。

私によるおおざっぱな訳

映画のサウンドトラックもある。ビデオクリップとともに暗示的でドラマティックな展開がいい。


つい最近リリースされたシングル、"Aamel Nasini" (私を忘れて - by google 翻訳)もアラブ歌謡の魅力がたっぷりだ。

この曲と冒頭で紹介した "Bi Saraha" が収録されているアルバムは粒ぞろいの楽曲が揃っている。

1曲目の "Bala Ma Nhess" (感じずに - by google翻訳)はもっと西洋ポップスよりのサウンドで聴かせる。

2021年の "Byeb'a Nas" はもっとアラブの雰囲気どっぷりで、圧巻のビブラート、こちらのほうが好みの人も多いかもしれない。

あるいはもっと伝統的なアルバムなら、2018年の "Sing A Little"。こちらは格式も感じながらじっくり聴かせる。これも素晴らしい。


リリースされたアルバムは 最近のものばかりなのだけど、前から評価は高いようで、そういえばナンシー・アジュラムよりも少しお姉さんらしい。歳がどうの、というわけではないけれど、今後さらに素晴らしいアルバムを出す予感、ますます楽しみなミュージシャンだ。


■注記

(*1) レバノンでは、ナンシー・アジュラムが一押しだし、YouTuber でこれからの活躍が期待される タリア・ラフード、唯一無二の声を持つレジェンドのフェイルーズ。3人とも「世界の歌姫たち」でとりあげている。

(*2) アラビア語表記をコピーして、AZUREテキスト読み上げツールを使いレバノン標準で再生、聴き取ったところをカタカナで少し無理やり表記したらこういう感じだ。表記に異論のある方は遠慮なくコメントででも指摘いただければ、と思う。

ちなみに google 翻訳では「アビール・ネーメ」と出るけれども、どうしてもそうは聴こえない。


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