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イスラエル発のジャズ : アヴィシャイ・コーエン、オメル・アヴィタル Avishai Cohen, Omer Avital

イスラエル出身のベーシスト・ボーカル・作曲・アレンジャーのアヴィシャイ・コーエンをよく聴くようになったきっかけはあまり覚えていないのだが、たぶん、2006年のアルバム Continuo が目にとまったからだろうと思う。

中東の雰囲気たっぷりのアルバムジャケットからだと思う。

荘厳な印象の低音が全体を包み込みパーカッションが鳴るなか、かき鳴らされるウードの旋律が雰囲気たっぷりのイントロから、ピアノのメロディが転がるように入りイン・テンポその後の展開は厳粛でドラマティック、いい感じだ。どの曲もテンポがよく断固とした力強さを感じるが、どちらかというと少し悲し気な調子だ。

ピアノも粒がたってきれがよい演奏だし、アヴィシャイ・コーエンのベースの音がくっきりと太く響き聴きごたえがある。

2003年のアルバム "Lyla" もいい。


そういえば、やはりイスラエル出身のベーシストでニューヨークで活躍しているという Omer Avital (オメル・アヴィタル)も似たようなテイストがある。私が気に入っているのは、2020年の"New York Paradox"という力強いアルバムだ。これは、リリースされてからよく聴いている。

2016年の "Abutbul Music" もいい。こちらは、どちらかというとストレートなジャズで、特に大きなクセはないように思うが、なんとなく強い力を感じる。

中近東、オリエント色の強い楽曲がそろっているのが、イスラエルのマンドリン奏者 Avi Avital との共演盤、2017年 のAvital Meets Avital だ。ピアノは Yonathan Avishai (ヨナタン・アヴィシャイ)、パーカッションは Itamar Doari (イタマール・ドアリ)、全員イスラエルのミュージシャンだ。


パーカッションのイタマール・ドアリは、アヴィシャイ・コーエンとも共演している。こちらの動画で、アヴィシャイ・コーエンとイタマール・ドアリの演奏を見ることができる。

また、こちらのライブも聴きごたえある。

毎度、迂闊なことばかりなのだが、2019年に来日公演をしていたそうだ。迂闊なことに知らなかった。。この動画では、日本語の字幕で紹介が入るので参考になると思う。


2021年にリリースしたばかりの アルバム、 "Sensitive Hours" もしみじみ良い。こちらも中近東あたりの音楽が好きな人には、とてもおススメだ。

一曲目は、私は知らなかったのだが、有名な曲みたいだ。

アヴィシャイ節ともいえる2曲目 Ahava Hadashaもいいし、タブラの音とリズムが印象的な3曲目もいい。宗教音楽のような厳粛なコーラスの5曲目もじっくりと聴かせる。メロディがイエメンに伝わるユダヤの伝統歌謡の雰囲気も感じさせる 8曲目の Dror Ikra もいい。全曲 4分前後のボーカルがメインの楽曲で多くの方が楽しめる楽曲がそろっていると思う。

同じ年の "Two Roses" というアルバムもとてもよかった。本人コメント入りのバージョンが今年 (2022年) 改めてリリースされている。こちらを貼っておこう。


大学を卒業したばかりの私の親族の一人が去年からヘブライ大学へ留学している。しっかりと宗教と歴史を勉強し、現在直面している彼の地の問題を体感し、将来、中東和平、世界の平和に向けて少しでも力になってほしいと願うものである。

世界中の紛争が早く解決しますように。


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イスラエルのポップスについてはやはり歌姫オフラ・ハザは欠かせない。
マガジン「世界の歌姫たち」に記事を書いたことがある。


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