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僕らが八王子の里山を24時間配信拠点にした理由。

今回「24HR LIVEATHON」で東京と世界10ヵ国と繋ぐ配信拠点となったのは東京都八王子市の里山に位置する「小津倶楽部」。ホスト役を務めた金沢さんや僕のバックグラウンドには、古き良き和室の襖や日本家屋の香り漂う木造の梁。よくよく考えると、一体、僕らが何処にいたのか「???」だった方もいたのではないかと思い始めました。

なぜ今回の24時間企画の配信拠点をこの小津倶楽部にしたのか。その理由を少しここでご紹介したいと思います。主な理由は以下の4つ。

1. 自分の地元・八王子
2. 八=ハチ=蜂という言葉遊び
3. 24時間オンラインという地味な取り組みをやり抜くための環境
4. 「風の谷」から世界へ発信という社会実験

それぞれの理由をひとつずつ明かしていきます。


1. 自分の地元・八王子

僕が幼少時代から過ごしてきた八王子は、電車でも車でも新宿から40分程度の場所に在ります。東京都ではありながら、広大な土地を有し人口57万人を誇る中核都市、いわば地方都市の匂い漂う街だったりします。JR八王子駅・京王八王子駅周辺では都市生活に必要なものは充たされるし、学園都市でもあるので若者も多くいます。一方で少し車を走らせれば、郊外型ショッピングモールにもアクセス出来るし、また少し足を伸ばせば高尾山をはじめ自然豊かな場所が多く残る不思議な場所でもあります。

国内外の音楽フェスなどをベンチマークし「フェスをつくる」ということを考えたとき、八王子は候補地のひとつにも考えられる土地だと考えています。”TOKYO”の中にありながら、局地的に世界中から人が集まるひとつのデスティネーション”HACHIOJI”になって、地元のまちづくりに少しでも貢献できたら面白いとも思うし。


2. 八=ハチ=蜂という言葉遊び

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これは完全に語呂合わせの言葉遊びですが、HiVEは蜂の巣ということで櫻田潤さんにイラストも制作していただいた通り「蜂」へのこだわりもあります。そこから派生して数字で言うと「8」にもシンボリックなイメージを持っていて、この前の24時間も8×3時間(8×3=24・ハチサンニジュウシ)と言う語呂にも掛けて、3時間刻みでリンクを更新しながら配信していました。

と言うこともあり「八王子(ハチオウジ)」の”ハチ”にも少なからず親和性を感じているところであります。


3. 24時間オンラインという地味な取り組みをやり抜くための環境

と、ここからようやく本格的な理由になって来ます。一口に八王子と言っても広いエリアなわけですが、その中でなぜ「小津倶楽部」が配信拠点になったのか。

まず、最初のきっかけは地元の盟友・ランドスケープアーキテクトの保清人さんの存在です。かれこれ10年ほどのお付き合いになりますが、全くの異業種ながら世界に目を向けた取り組みをされている保さんからはいつも多くの刺激を受け、地元で呑み語らう仲間でもあります。そんな保さんのFBシェアなどから小津倶楽部の存在を知りました。

「機会があれば是非一度行ってみたい。」

そう思いながら、なかなかきっかけがなく、2020年を迎えていました。そんな中、今回の企画を練り進めていくうちに「配信拠点」の壁にぶち当たります。当然ながらオンラインイベントなので自宅から配信と言うのも有力な選択肢ではあったわけですが、「配信に当たってやはりひとつ拠点はつくりたい。でも24時間借りられる場所なんてあるのか?」そんな問いに対するひとつの解として、小津倶楽部にて再生された古民家「おもむろ」が頭に浮かんだのです。

早速、保さんに連絡し、小津倶楽部の代表理事・前原教久さんとアポを取り、7/4(土)に小津を訪れ、使用させていただくご相談。実際に小津を訪れたのは、その時が初めてでしたが、東京都内、八王子市内に残る里山の姿に感銘を受け、「来るものは拒まず。去るものは追わず。」という前原さんの潔いポリシーにも感化されました。

また、その自然環境とそこで活動する人々のエネルギーに魅了され「ここならきっと24時間耐えられる!」と確信。実際、ここでやることが出来て本当に良かったと感じています。

↓というこちらの投稿のタネ明かしでした。


4. 「風の谷」から世界へ発信という社会実験

風の谷」とは、今年ベストセラーとなっている「シン・ニホン」の著者である安宅和人氏が提唱する風の谷のナウシカに現れる一つの心の原風景のような集落。都市集中に対するアンチテーゼなのですが、ここ東京都内にもそんな場所は存在しているのです。

今のままの流れの中で人類がひた進む先には「都市集中型の未来」しかないようにみえる。それに対して、テクノロジーの力を使って、自然と共に豊かに生きる別の選択肢もありうるのではないか。それが「風の谷的未来」を創れないのか、という僕らの発想です。 - 安宅和人氏

小津倶楽部は、東京都内にいまだ存在する里山とともに発展するコミュニティなわけですが、そのエコシステムには「昨今のコロナ禍による新たなライフスタイル“New Normal”を考える上で重要なヒントが隠されているのではないか?」そう感じています。

以前、ブログCSVでも同じく安宅氏が提唱している開疎化について書いたのですが、小津とはまさに東京都内にありながら過蜜とは無縁、そんな土地でもあります。

開疎な空間からでも、オンラインなら世界と違和感なく繋がることが出来る。それを証明し、New Normalでの働き方に紐づくような社会実験にもなったら面白いと思ったのもひとつの理由です。そんな意図もあり、今回小津倶楽部の皆さんのご理解とご支援のもと、都内ではなく、敢えてこの場所を世界へのライブ配信拠点とさせていただきました。

正直なところ24時間を舐めていた自分は、朝方からお昼頃にかけて、なかなかしんどい時間帯もありました。しかし、自然に囲まれた里山の空気で蘇り、また我々のようなどこの馬の骨ともわからないような人間にも手厚くおもてなしして下さる小津倶楽部の皆さんの姿勢に活力をいただき、結果としてなんとか24時間を乗り切ることが出来ました。

と、そんな自分たちが救われた環境を解説しながら、ふと思い返す。VCTのTakさんは小津倶楽部ではなく自宅から24時間配信し続けていた。ある意味一人でやり切ったTakさんは本当に凄い、と改めて尊敬しています(笑)。

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