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【学び72冊目】 イノベーターの条件

社会の構造の変化から、今の時代に求められることを議論する一冊でした。専ら経済だけにフォーカスを当てるだけでなく、政治と社会構造の方にむしろよりスポットが当てられており、「経済」にどういう意味合いをもたらすのか、かなり抽象的な次元で考えさせられる1冊です。

【王室の崩壊→資本主義→マルクス主義】

王室が崩壊し、富が完全に分配されることを誰もが信じました。しかし結局、一部の富裕層が他の物を低い賃金で搾取するという構図しか生まれませんでした。そこで、マルクス主義的社会主義が台頭します。

【第一次世界大戦後→ファシズム台頭→第二次大戦→冷戦】
第一次大戦後、人々は「頑張れば成果が出る、幸せになれる」という考えを捨て始めました。社会という波に飲まれるしかないのだと。そこで何か信じれるものが必要だったのです。そこで、強力なファシズム(資本主義も社会主義も否定)や、レーニン主義が台頭します。
第二次大戦後は、資本主義陣営と共産主義陣営のイデオロギーの戦いが始まります。共産主義国家の強力なリーダー達は、リーダーとしては非常に優秀でしたが、結局破壊だけで、生み出すものはありませんでした。

その時代により、社会の中心になるものは変わってきます。人間の本性に翻弄され、社会そのものが変わってきたのです。また、ある一定の領域での自由は、追求されている段階では達成されないということは、20世紀が証明しました。宗教的自由ではなく、経済的自由が社会の基盤となり、はじめて宗教的自由が初めて達成されました。宗教が社会の基盤ではなくなって初めて、当たり前のように宗教的自由が達成されたのです。そのため、経済的な自由は、また別の次元の自由の追求が社会の基盤となった時に本当の意味で達成されると、ドラッカーは予測します。
今理想とされてるものが、低次元となり、高次元のあらたな基盤が社会に生まれた時に、理想とされてたものが初めて達成されます。経済は、政治に翻弄されるのではなく、政治も経済も「社会」の一部で、社会の変化に影響されるのです。今何が、この社会の基盤になっており、次に来るであろう「社会」を予測することで、政治人も、経済人も生き残る術を知ることができるのだと思います。

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