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vol.137「『質問』の持つ性質、続き:質問の内容は『なんでもいい』」

誰にでも特技・とりえはあるもの。私の場合「相手の話を整理する能力」「フィードバック(または質問)する能力」だと思っています。

前回は、大人数の場で挙手して質問する場面。(1)自分が喋りたいことではなく「相手が聞いてほしいこと」を質問する。奇をてらわなくていい。自分語りはしなくていい。本題を、短く話す。(2)そのためには、あらかじめ書き出しておく。ほかの人と重複してもいいよう、入れ替え戦をしながら当てられるのを待つといいですよ、という話をしました。


◆質問の、内容そのものは重要ではない。

「質問」は、大勢の場でする場合と、1対1(少人数)でする場合とあります。今回は後者「1対1で会話する」ケースを例にします。

ポイントは
(1) 相談を受ける場合:「確認」のための質問をする
(2) 関係構築したい場合:質問の内容は「なんでもいい」

です。

(1) 相談を受ける場合:「確認」のための質問をする

相談をうける半分は、本人もうすうす答えがわかっています。
このケースでは、相手の考えを整理する質問を投げかけるだけ。選択肢がいくつかある場合は、絞る質問をするだけです。

「自分ではどっちがいいと思っていますか?」
「じゃあ止(や)めればいいんじゃない?」
「いちばん悪くて何が起こりますか?」

自分の意見を言葉にしてもらう。この事案の、上限・下限・左右の振れ幅をざっくり知覚してもらう。

旅(冒険)をしているのは本人でしかなく、起きている事実は変わらないのだけど、「いまいる位置」と「冒険する地図の広さ(最大でもこのぐらい)」をいま一度把握してもらう。歩くか止まるか、どちらの方向へ向かうかは、自分で決めてもらう、みたいな感じ。
※このあたり、もうすこし短く言語化できたらまた書きます。

もう半分、本人が見えていないゾーンがある場合は、そこに気づけるよう、質問を工夫します。
気づかないのは能力の差というよりは、視座をどこに設定してるかのズレであることが多い。数歩もどって立つ場所を変えると、さっきまでの自分の背中が自分で見える、みたいなことです。
本人が言ってることを構造化する、抽象化する。前に自分で言ってたこととのつながり、または矛盾を示唆する。

(2) 関係構築したい場合:質問の内容は「なんでもいい」

前々回触れたように「質問することが目的」になることもあります。

相手との基礎的な関係構築が目的のとき、質問する→答えが返ってくる→関連質問をする→答えが返ってくる、のラリーが何ターンか続くことが重要です。質問内容そのものは、極論すると「どうでもいい」。
ビジネスセミナーの懇親会でたまたま隣になった人。新しくチームメイトになった人。紹介か合コンかお見合いか、とにかく初対面の相手との会話。すべてに共通します。

再質問の内容は「相手が話したそうなこと」です。もちろん神様ではないし、相手のことをわかった気になってもいけないけど、表情や声のはずみかた、答えが長く・詳しくなるか等、がんばって観察する。「相手の聞いてほしいことを質問する」、という意味では 講演会で質問するときと同じです。

いわゆる「雑談する能力」に近いかもしれませんが、「雑談」というと多彩で広い範囲の/タイムリーな話題を広げられる、という印象を持ちます。範囲は「相手」です。相手に照準を絞る。そして内容は何でもいい。

◆質問するタイミング(間合い)

具体的な相談を受ける場合でも、関係構築のための会話でも、質問は、相手がひととおり話しきってから投げかける。言葉をかぶせない。さえぎらない。
どんな場合でも、「相手に多く話してもらう」のが鉄則です。話すうちに考えが整理されるし、アドバイスするにせよ関連質問を考えるにせよ、「次に何を言うかの素材情報」がそれだけたくさん手に入るからです。

質問する前には、「反応」する。ことも大事で、うなずく・深刻な話なら真剣な表情で聴く・興味深い話ならうなる、頭(かぶり)を振る。
質問のラリーを続けることも、反応を示すことも、「相手のためにエネルギーを費やす」こと。人の信用を得て、こちらの話を受け入れてもらうための、必須条件だと思います。


「質問する技術」は、さまざまなスキルのなかでも賞味期限が長い。ほぼ半永久的に使えます。※バージョンアップはもちろん必要です。
話す(プレゼンする)スキルよりも、聴いて・質問するスキルのほうが重要だと感じます。いつからでも今からでも訓練することは可能だから、万人におすすめの勉強テーマだと思います。

最後までお読みくださりありがとうございます。


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