私という名の祠に
“小さい頃は神様がいて、
不思議に夢を叶えてくれた”らしい。
そう、小さい頃は。
いつだっただろう……
あの祠を訪れたのは。
最近は
他のことに構いすぎて
そのことすら忘れていた。
訪れようと思えばいつだってできたのに
なんとなく意識が遠のいていた。
その祠に花を供えるのは
私しかいない。
たまに気にかけて
きれいにしてやらなければ、
雑草だらけになって
荒れ果ててしまう。
たまに「お世話になってます」と
ねぎらってやらなければ、
何も願いを聞いてくれなくなる。
そうして
うっかりほったらかすと、
いつの間にか神様のいない
空っぽの祠になるという。
私という名の祠に
花を供えてあげられるのは
私だけだ。
だから、私だけは忘れずに、
手土産のひとつも
持っていこうと思う。
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