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「流産率15%」そんなこと知らなかった

わたしがなぜ自分の不育症経験について書こうと思ったのか。
それは、流産率の高さや不育症の存在が世の中に知られていないと感じたから。

流産の確率は全妊娠のうち15%。7人に1人の女性が直面している。(厚生労働省調査班)。
7人に1人。割と当たり前に起きてしまうことではないだろうか。

わたしは過去2回の流産を経験し、その後不育症と診断された。

初めての流産の後、数日泣き続けようやく冷静を取り戻し始めた頃、どうしてわたしは流産率の高さを知らなかったのか、今までなぜ知る機会がなかったのか、単純に不思議に思った。

妊娠することができたのにお腹の中で赤ちゃんが育たない。
妊娠の喜びから一変して襲う喪失感や、お腹で命を育むことができなかった劣等感から、その経験を周囲に語る女性は少ないと思う。親しい間柄でも積極的には伝えるようなことではないだろう。
わたし自身、ごく身近な数人にしか明かせていないし、両親にすら伝えられていない。

普通、出産までの妊娠期間は妊婦さんとその家族にとって幸せな時間のはずだ。
最初の流産のとき、わたしは妊娠生活や出産について何の知識もない状態で、初めての妊娠について情報が載っているマタニティ誌やプレママ向けのメディアを読んでいた。お腹に命が宿っていると思うと心があたたかで、希望に満ちた近いうちに訪れる将来を疑いもしていなかった。

そう、プレママ向けメディアは赤ちゃんが健やかに生れてくることが前提とされており、流産についてなど書かれていないのだ。
流産について取り上げるなんて縁起でもないからだろうか。流産についてのコンテンツがメディア的にお金にならないからだろうか。
流産は誰にでも起こることなのに、それを知ることができないのだ。

このページに訪れていただいた方はご存知の方が多いと思うが、「不育症」について改めて。
妊娠することができても流産・死産を繰り返し、出産できない状態のことを言う。(※1)
「不妊症」と同じように認識されることもあるようだが、妊娠が難しい「不妊症」に対して、妊娠しても習慣的に自分の体の中で我が子の死を味わわなければならないのが「不育症」だ。

妊娠の有無や女性・男性に関わらず、流産が起こることや不育症を抱えるということが他人事ではないと知ってもらいたい。流産を繰り返していた当時に知ることができたら、つらさの100分の1くらいは救われていたかもしれないと思っている。

また、もしそのような立場に置かれてしまったら、「自分だけではない」「同じつらさを抱えた仲間がいる」と少しでもいいから支えになれたらと思い、わたしが流産・不育症を経て出産に至ったことをシェアしていきたいと思う。

※1
「習慣(反復)流産」とほぼ同意語であるが、妊娠22週以降の死産や生後1週間以内の新生児死亡は含まれない。(引用元:習慣流産・不育症グループ(習慣流産・不育症のみなさんへ)-名古屋市立大学大学院医学研究科 産科婦人科学)

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