子供を天才にする4つの要素
自分自身も子供にも才能ある人間になってほしい。そのためにも、天才や成功の研究の本は一通り読んでみた。その中から三つの要素を抽出した。
1.一つにのめり込む前に知識の幅を広げたほうが成功する
2.成功の要因は、才能ではなく目的性訓練の量である
3.天才は才能ではなく好機で出来上がる
4.ラーニングゾーンに意識を向けられる
5.まとめ
1.一つにのめり込む前に知識の幅を広げたほうが成功する
RANGEを読んだ。一流になるには、一つのことにのめり込んで時間をかけることが良しとされがちだが、初動は幅広い経験をしながらフォーカスポイントを見つけた人が実際は成功しているよということを論証する本。
このように、一般的には、エリートは努力量であるというのが、信じられている論理である。
この件には実際に著者も同意している。しかし、
しこの本が示しているのは、実際はそれはのめり込んだ後の話であり、その状況まで行く過程では、幅広い経験を積んだほうがいいよというのがこの本の主題である。
というのがファクトだったのだ。初期は幅を広げて、本気を出すときに主体的に選択させるのが成功パターン。
というように、色々な事象で実証されている。
幅広い経験が生きる理由は、別分野への転用の素材が増えるからである。現代は不確定要素が多く、未来を見通しきれない。だからこそ「経験なしで学ぶ」ことが大事、つまり新しいアイディア同士を結びつけて領域を超えたアイディアを出していくことが大事。だからこそRANGEが必要なのだ。
と著者が言うのも、時代が不確実なので、練習量や練習時間が優秀さを示すような、旧来型の成長モデルは適応できない。
こう考えると親が子にできることは、色々な掛け合わせるための素材の経験を提供することしかなくて、そのさきは任せるよと言うのが良い距離感なんだろうと思った。
2.成功の要因は、才能ではなく目的性訓練の量である
非才を読んだ。生まれつきの才能という概念自体がそもそも間違いであることを論証しながら、目的性訓練の量と、その原理に沿って勧められた環境によって一流の人材が出来上がることを説明し、才能という言葉で成長の芽を摘まないよう警告する本。
と最初から言い切る。先日読んだ"天才!成功する人の法則"からも引用されていて、この論調とかなり近しい。実際に一万時間の法則を引き合いに出しながら、才能なんてものはなく、努力が大事だということを伝える。実際に引き合いに出すのがモーツァルトやタイガーウッズなのも同じ。ただ、この本はその時間についてももう少し深掘る。
というように、頂点にたつ人は特別な学習が必要で、一万時間を一時間たりとも無駄にしない集中が必要という点だ。
一流はただいたずらに時間を練習に費やすのではなく、 "目的ある訓練"に注ぎ込まれた時間が多かった。
一流は、少しばかり届かない目標を追い続ける。
こういった目的意識が練習の違いに現れると。
ここら辺も"天才!成功する人の法則"の見解とかぶる。目的性訓練の原理に沿って勧められた環境が整っているかも大事なのだ。実際に例えば、なぜブラジルの選手はサッカーが上手いのかみたいなところは、子供の頃からフットサルで遊ぶ時間が長いことから説明する。
これはサッカーをやっていた身とすると納得感はある。他にも、この本ではなぜアフリカ勢はマラソンが早いのかみたいなのも遺伝や才能ではなく、練習と環境で説明している。
人は、複雑な技をひとつの塊としてまとめ上げるチャンク能力がある。多くの練習を行うことによって、技能のより高度な側面、つまり作戦や戦術に集中させてくれるという。
この本を含め、直近読んだ。"天才!成功する人の法則"・ "マインドセットやればできる!の研究"でも似た論調だと思ったが、生まれつきの才能という概念自体がそもそも間違いなのだろう。
反射神経や身体能力と言われるものは、実は生まれつきの能力などではない。それは脳の情報処理の結果でしかなく、したがって後天的に習得されたものだ。ということを今回の本では彼は脳科学の知見を活用して示している。それどころか、才能という発想、生得的に決まった限界があるのだという発想そのものが、人々のやる気を失わせて世界の発達を阻害しているのだ。
才能という言葉で成長のストッパーをかけてはいけない。
3.天才は才能ではなく好機で出来上がる
天才!成功する人々の法則を読んだ。経歴を際立たせているのは、才能ではなく好機であるというメインメッセージを様々な実際の成功者の例を引き合いに出しながら論証していく本。
と冒頭で言い切っているように、才能ではなく、機会だという強いメッセージとともに始まる。機会というのは簡単に偏りが生まれるようになっている。
と言われているが、例えばアイスホッケーの選手には、同年齢の仲間たちの間で早く生まれた者が多いことをデータで示す。選抜チームを組む際に、対象年齢の切り方で誕生日が早い人の方が成長する期間が少し長い。そんなわずかなアドバンテージが将来を左右するのだ。いつ、どこで生まれ、親の仕事が何で、どんな環境で育ったか、それが成功するかしないかに大きな差をもたらすと。
これはよく引き合いに出される研究結果なので知っている人も多いかと思うが、この本のアプローチとして面白いのは、"長時間に渡ってトレーニングを詰める機会"が大事だという点だ。例えばビートルズはハンブルクで夜通しで毎日演奏をする舞台があったとか、ビルゲイツもプログラム開発を大学よりも前に徹底的に行う機会があったという例を出す。
この本はだから一万時間努力をしなさいと言うようなよくある話ではなく、"天才の成功を「社会や共同体」の視点から捉え直す"ことを行う。
子供には広く体験をさせて、自発的にのめり込ませることが大事という論証を知ったが、徹底的にのめり込めるような外部環境(市場環境・友人・コミュニティ・インフラ)の波にのせてあげられるよう意識して、そういった体験を提供してあげることが大事そう。
親としては良い波が来ている環境に子供を連れて行って、いろいろな体験を提供して、乗りたい波に乗ってもらうことができることなんだろう。親として良い波(好機)を見つける技術を磨かないと。過去・現在・未来を勉強して、三点の補助線を引く精度を上げていきたいと思わせる本でした。
4.ラーニングゾーンに意識を向けられる
究極の鍛錬を読んだ。傑出したクリエイターはいずれも自分が選んだ専門分野で全身全霊仕事に打ち込み、自分の人生を捧げ、膨大な知識を蓄積し、常に自分自身をその領域の最先端に置くよう努力した者であるということを体系的にまとめた本。
これが冒頭にある時点で、かなりストイックな内容なことがわかる。
このような社会の中で、
企業は優秀な人材をとにかく強く求めている。では、その優秀な人材はどのような特性を持つのか。
と、他の著書でも軒並み述べているように、遺伝や才能といったものに対しては否定的。
というように、IQにも否定的。
達人と素人の違いは、特定の専門分野で、一生上達するために考え抜いた努力をどれだけ行ったのかの違いだと。この本でも述べられている。
この5つの要素がこの本で語りたいことだ。
とあるように、もう少しで手の届くところにある技術や能力を得ていく旅に出る必要があるの。秋元康さんも"夢は全力で伸ばした手の指先の1ミリ先にある"と言っていた。
このように人は無意識に楽な方向に流れる。人は繰り返し行われる作業を無意識に実行できるよう自動化していく。車の運転は初期は意識を使っているが、そのうち無意識になるように。
ここに意識を向けられているかどうかが重要そうだ。
最高の結果を出すものは自分自身のことを追うい深く観察しているのだ。こういったメタ認知が達人は優れているという。
これは、言われてみると確かにそうだ。そもそも仕事は従業員の能力向上を目的には設計されていないし、変化が激しい世の中だからこそ、何度も繰り返し同じことを行うのは非効率だ、フィードバックも決まったタームでの評価だ。
自分の会社では、会社のミッション・ビジョン・バリューみたいなぶれない骨格を作りながら、そこと社員の能力向上が一致するような採用をしたいし、それを補完できるような会社にしたいなぁと思った。
5.まとめ
子供にも自分にも、知識の幅を広げて、それぞれで目的性訓練を行い、良いチャンスがある場所に行き・行かせ、そこでめちゃくちゃ努力する・させる。
そうしたいなと思った。
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