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0で割ることはなぜいけないのか。答えは0で割った商を仮定したらわかった

分数を使って式が表されているとき、必ず次のようなかっこ書きがあります。

b/a   (a≠0)

この「(a≠0)」の部分です。これは、0で割ってはならないというルールがあるからです。

いろいろな人に「1を0で割るとどうなるでしょうか。」と聞いてみると「0でいいんじゃない。」という返答が返ってきます。それでも、0で割ることはならないのです。では、なぜ0で割るといけないのでしょうか。今回はそれを解説します。

1 証明方法

タイトルにあるように、0で割った商を仮定して証明します。この過程のもとでおかしなことが成り立つなら、0で割ることが成り立ちませんね。

余談ですが、このような「真である(と思われる)命題の否定を仮定する。その仮定のもとで矛盾が起こる。すなわち元の命題は真である。」といった証明方法を「背理法」といいます。

2 実際に証明!!

ここでは、ある数 a を仮定しその商を q (quotient)とします。すると0で割ることは$${\dfrac{a}{0}=q}$$とすることができます。

次にこの式の両辺(「=」の右の式と左の式)に0を掛けます(等式の性質より)。$${\dfrac{a}{0}\times0=p\times0}$$

すると、左辺(「=」の左の式)は$${\dfrac{a}{0}}$$の分母の0と掛けた0が約分されて1になります。すなわち、左辺は$${\dfrac{a}{1}=a}$$となります。

右辺(「=」の右の式)はどうでしょう。どんな数に0を掛けても0になることは周知の事実ですから$${q\times0=0}$$となり、$${a=0}$$が成り立ちます。

つまり、0で割ることを仮定するとどんな数でも0になるという驚きのことが成り立ってしまいます。(aにどんな数を入れても0になる)つまり1も-2も$${\dfrac{2}{3}}$$もみんな0になる、ということです。

なぜ、あらゆる数が0になってはならないのでしょうか。それは、どんな数でもそれ以外の数になりうるからです。

例えば、0=0という等式があったとします。しかし、0はどんな数にでもなりうるため-2=4も100=$${\dfrac{4}{3}}$$も成り立つようになってしまいます。

これは、おかしなことです。つまり0で割ることは成り立ちません。

このようにして、0で割ることがいけないことが正しいということが証明されました。

いかがだったでしょうか。ほかにもこの話も含めて算数や数学で習った事柄を証明するのは楽しいなと思っていただければ幸いです。

[この記事は、個人的な見解を含むので誤りが含まれている場合があります。誤りの部分についてはコメントでご指摘していただけると幸いです。]

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