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2度挫折したタロットカード制作の3度目の正直で工夫したこと

こんにちは。ずっと制作していたオリジナルタロットカードが着手から4年かかって、最近完成したsziaoreoです。
「全然おわらない...」「自分の絵が気に入らない...」などの理由で2度挫折し、3度目の書き直しでようやく形になりました。
この記事では2度挫折した自主制作を完遂するために何をしたのか、絵が変わった背景に何があったのかなどについて紹介していきたいと思います!

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1.自分にあったツールを選んだ

1〜2度目まではアナログで紙にボールペンで線画を描き、それをスキャンしてゴミとり、調整、色をつけるという流れで制作していました。
本職はデザイナーなのでパソコンでの作画ができないわけではなかったのですが、絵に関してはなんとなくアナログ至上主義で生きてきたので、なんとなくアナログで描いてました。
しかし仕事柄、表現方法をいくつか検証したり、全体を見て後から色やオブジェクト調整したりという癖がついている私にとってはデジタルの方がメリットが大きいのでは...?ということに気づき、思い切ってiPad proを購入。やりたかった検証・調整作業がスムーズになって作業スピードが向上し、「描いても描いても終わらない」というサイクルから抜け出すことができました。

2. 気持ちがのらんものは描くのやめた

タロットは絵の中にあるひとつひとつのモチーフに意味があり、実際に占いをする方はそのモチーフからも判断すると聞いていたので、2回目までは参考にしていたウェイト版のタロットから割と忠実に描いていました。
しかし全体で78枚、大アルカナだけでも22枚となると少なからず「これ描くの全然気持ちがのらんな」みたいなモチーフが出てきます。
「描きたくないものを避けるのって逃げなのかな〜」なんてことを考えてもたもたしていたのですが、「オリジナルタロットなんだからオリジナリティ出さんとね」という気持ちで、本来の姿から逸脱しない程度で自分が描きたいようにあれこれアレンジするようにしました。

例えば「CHARIOT」のスフィンクスはピラミッドの隣にいるようなエジプト系スフィンクスだったのをなぞなぞ出してくるタイプのギリシャ系スフィンクスにしたり。

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「MAGICIAN」は中年男性だったものを透明人間にして、ローブの中を宇宙っぽくすることでより神秘的なイメージにしてみたり。

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さらに細かいところでは人の顔は無表情で描く方が好きなので、もう口は描かず表情は省いたり。「こう描いた方が自分の絵にあってるなぁ〜」という感覚を大切にしたことで、描きやすくなっただけでなくクオリティも上がった気がします。

3.ひとりスタイルガイドを作ってみた

仕事でサービスのブランディングに携わっており、デザインシステムについて考えることが増えたので、このやり方を自主制作にも応用してみました。
本来チームで開発・制作する際、意思決定スピードを向上したりアウトプットのスタイル・質を安定させるために作りますが、たくさんの絵を描く必要がある&それらに統一感を与えたかった自分にとってはとても効率の良い方法でした。

例えば、
黒で線をざかざかと重ねてテクスチャや陰影を作る表現が好きなので、
「絵の中に最低一箇所は黒いざかざかで表現するエリアを作る」とか

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植物を描くのは好き&得意なので、
「絵の邪魔をしない範囲で草木や花は書き込むようにする」とか

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全体のシリーズ感・統一感を出すために、
「色数は絞ってカラーパレットを作り、基本的にその中から配色する」とか

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「過去使った描き方・表現をコンポーネントとして活用する」とか
翼の模様や、動物のたてがみの表現などで「これはいいぞ」と思った表現をコンポーネントとして扱い、同じ・似たモチーフには基本的にそれを適用して描いています。

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このようにひとりスタイルガイドを意識することで、自分が得意な描き方や絵の良さをを安定して引き出せるように&モチベーションを保って効率よく作業できるようになりました。

おまとめ

制作全然終わらないよ〜クオリティ上がらないよ〜てなっていたけど...

・自分の作業傾向や大事にしたいステップ、制作物に合ったツールを選び、
・気持ちがのらんものは無理に描かず描きたいものに時間を割き、
・ひとりスタイルガイドを作って作業効率化を考えてみたら...

3度目の正直でようやくタロットカードを完成させることができた!
仕組みと作業の進め方を見直したら、アウトプットをより自分らしくブラッシュアップできた!

そして描き上げた78枚の絵を実際にカードとして印刷し、ブツになった姿がこちらです!やったー!!

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このオリジナルタロットカードは販売もしていますので、ぜひこちらも覗いてみてください。

以上、「オリジナルタロットカード制作の3度目の正直でやったこと」でした〜。



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