田中静子

青森県公立中学校教頭 教育の地域格差・経済格差の是正・個別最適化がテーマ

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座右の書『貞観政要』中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」(出口治明著)

唐の基礎を築き、名君と名高い太宗(李世民)の言行録「貞観政要」のエッセンスを知の巨人出口治明氏の手解きで読むこの書。 分かりやすい!しかし、「分かりやすい」という初読の感想に、我ながら違和感を持つ。自分は「分かった気」になっているだけではないか。 私が師事しているメンターとの、今年の読書は感想文にまとめるという約束が頭をよぎったが、ちょっと自信がなく、言葉に起こすのを避けた。その甘さを見抜いたかのように「読書感想待ってます」とのメンターの優しくも厳しいメッセージ。そうです

    • BANKSY (ジョン・ブランドラー他)

      「バンクシーの画集です。東京で開催されているバンクシー展に合わせて出版されたらしいです。¥3500。」馴染みの本屋さんの、この一言に飛びついた。「買う!」 アートの強みをまざまざと見る。 批評的視線、強いメッセージ(決して押し付けがましくはない、ただ、そこにあるだけ。)多産多死、怯まない、論破できない(論理じゃない、感じることだから。そもそも論破する必要もない。その後出てくる言葉は言い訳だろうから。) 何故痛いのだろう。どう感じるかはそれぞれ。見る人は自分というフィルター

      • 戦う心構え

        日本人は議論を避けようとする傾向にある。互いの理解のためには、対話が不可欠であるにもかかわらずだ。 映画「いまを生きる」を見た。 いわゆる名門校である全寮制学院ウェルトン・アカデミーに、同校の卒業生でもある英語教師ジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムズ)が赴任してくる。彼はある日の授業で突然机の上に立ち、「私はこの机の上に立ち、思い出す。常に物事は別の視点で見なければならないことを! ほら、ここからは世界がまったく違って見える」と話し、生徒にも体験させる。キーティング

        • 子どもの立ち位置を俯瞰で見よう。

          「ウチの子にこんな重い荷物を持たせないでください。」  聞けば、部活動の遠征の荷物を部員で分け合って持っていくのだという。受話器から漏れて聞こえるぐらいの相当な剣幕である。顧問は困惑しながら「それでは、次からは、重い荷物は持たせないようにしますね。」と答えて、ため息と共に受話器を置いた。  この後の展開を母親は予想できないのだろうか? 「どうして〇〇君だけいつも軽い荷物なんですか?!」  おそらく、困るのは当の子どもであろう。もし、母親にクレームを入れてもらって、嬉々

        座右の書『貞観政要』中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」(出口治明著)