子どもの立ち位置を俯瞰で見よう。

「ウチの子にこんな重い荷物を持たせないでください。」

 聞けば、部活動の遠征の荷物を部員で分け合って持っていくのだという。受話器から漏れて聞こえるぐらいの相当な剣幕である。顧問は困惑しながら「それでは、次からは、重い荷物は持たせないようにしますね。」と答えて、ため息と共に受話器を置いた。

 この後の展開を母親は予想できないのだろうか?

「どうして〇〇君だけいつも軽い荷物なんですか?!」

 おそらく、困るのは当の子どもであろう。もし、母親にクレームを入れてもらって、嬉々としているようでは社会的に未熟であると言わざるを得ない。

 「男は敷居を跨げば七人の敵あり」と聞くと時代錯誤もはなはだしい気がするが(そして、女ならもっとだ!という怒りの声さえ聞こえてきそうだが)、子どもだってそうなのだ。

 学校ひとつとっても、仲間内での立ち位置、クラスでの立ち位置、対教員、部活動などなど色々な顔があり、それぞれ異なる立ち位置で生活しているのだ。

 そこを想像できる親でありたい。我が子の立ち位置を俯瞰で見てみよう。社会に生きる一人の人間として、状況判断し、さまざまに調整して日々生活している姿が浮かんでくるはずだ。


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