源実朝は北条氏の傀儡か? 名君か? -『六代勝事記』と『沙石集』-
暗君=悪い政治を行う君主
凡君=何もしない盆暗な君主
名君=良い政治を行う君主
「源実朝は北条氏の傀儡で、政治活動を放棄して、和歌を詠んでいた凡君」
のイメージが強いが、当時の人々はどう思っていたのだろうか。
1.『六代勝事記』
作者不明で、「承久の乱」直後に成立した歴史物語『六代勝事記』の源実朝の死亡記事には次の様にある。
「1月27日、源実朝、薨去。源実朝は、内政には老子『老子』の教えに従い、外交には黄石公『三略』の兵法を奮った。源実朝が政権を担当した1203