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ハイカラとして生きる

 近頃、東ドイツの歴史を調べるのに熱中しているのだが、それにともなってにわかにドイツ語の勉強も少しずつ再開しつつ、ネットにてメイドインドイチュラントな品々をチェックしたりしている。
 かつては舶来品とも呼ばれたであろう品々については、僕は元来、ホームズ好きなのもあって英国グッズにも興味を惹かれる。

 先日は、元・イギリス空軍マーク、現在はモッズと呼ばれた若者文化のマークとして知られるもののピンズを購入し、ドイツ製のカバンに付けたりしている。

 しっちゃかめっちゃかな用い方ではあるものの、モッズ自体も英国人でありつつ、ベスパを乗り、特注のイタリアンスーツを着て、そして後にはモッズコートとも呼ばれるアメリカ軍放出品のコートを着こなすという点では似たところがある。
 それと並行して、二作の映画を観た。
 近頃は滅多にnoteに映画に関する記事を書かないので、まるで映画を観なくなったようにも映るだろうが、決してそんなことはない。毎週一本は視聴しているペース。ただ単に、映画館上映の新作を視聴していないので、日記的に書く機会に乏しいだけ。
 そんな僕が観た映画は『アンタッチャブル』と『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』。名作映画好きならご存知のタイトルだろう。いずれも1920~30年の禁酒法時代のアメリカを舞台とした、マフィア・ギャング映画である。

 これが僕の趣味の日々の一側面であり、趣向である。
 これをして、タイトルにはあえて“ハイカラ”と綴った。レトロでありつつ、海外文化へのある種の系統をイメージして。
 個人的に気を配っているのは、単なる古いもの好きではなく、あくまでも数寄者として、己の好みとして感じ出した戦前・戦後の欧米社会の文化をよく知り、体現することだ。主にYouTube等で活動しているらしい、お笑い芸人「昭和加藤」さんを僕は好きなのだが、それは単に70年代文化を身にまとっているからというよりも、近頃、その解説までも行っている辺りにファッションではなく教養を感じたためだ。
 たとえ『坊ちゃん』のように、「赤シャツ」と揶揄されることがあろうとも、教養と趣味を信じてハイカラを演じ切るのが、昨今の僕の心境なのだ。

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