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國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』を読んだ

書店に並んでいて少し気になっていたことと、『居るのはつらいよ』に出てきたので、お盆の期間に読んでみた。

結果、わかるー!という部分と、わからん…!という部分の両方があった。噛みごたえある本ですごく面白い。


特に面白かったのは、退屈を三形式に分けて考えているところ。
第二形式の退屈の中で生きることが、すなわち人間が人間らしく生きること(人間であることを楽しむこと)になるのも、順を追って読んでいくと腑に落ちる気がした。

本を読んでいて、なぜか就職活動中のときのことを思い出した。
刺激がないと生きられないわけではないのに、難易度が高い仕事を選んでいた記憶がある。
それはもしかすると、「なんとなく退屈だ」という声から逃れたいと感じていたからなのかもなあ と思った。

この3年ほどで自分の指向が変わったような気がする。
自分の大事にしたいことは何?を改めて考えてみたとき、「まず自分を大事に」ということと、次に家族・友だち、その次に仕事 という順番がしっくりくるようになった。
前までは、そもそも自分の大事にしたいことは?という問いが出てこなかった。
これをきっかけに、自分の大事にしたいこととは?を忘れないで、判断の一指標にしたいと思う。



また、「浪費」と「消費」の違いについては咀嚼しきれていない。
言葉としては飲み込めたけれど、具体的に思いつくイメージが自分の中に浮かんできていないので、
時間をあけて何回か読んでみようと思った。


全体を通して、「これをこうしたら退屈がなくなります!」という単純明快な本じゃなくて良かったなあと思った。

國分さんの仰っている通り、この本と読み手との間でどんな<暇と退屈の倫理学>が広がっていくのか、色んな人の感想を見てみたいと思う。



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