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何をそんなに追い込まれているのか

面接がある日、朝起きると必ずお腹が痛い。

それはもう、ぎゅるんぎゅるんに。お腹を押さえながら、おじいちゃんのような姿勢にならないと歩けないほどだ。

胃はきゅぅきゅぅに締まって、食べ物は何も口に入らない。仕方がないので朝ごはんも昼ごはんも食べず、水だけ飲んで、無理やりメイクで顔色を整える。腹痛をごまかすために、6月なのにお腹にカイロを貼って、スーツを身にまとい、無理やり家を出るのだ。

そして面接直前まで「大丈夫、これは練習だから」「内定なんていらないから」「そんな緊張しなくていいから」「大丈夫」「トイレに行きたかったらトイレに行ってもいい」「落ちてもいい」と自分に言い聞かせ、何とか腹痛をごまかしながら面接会場に向かう。

約束の時間になって、面接会場に入るとやっと腹痛は少し収まる。会場を見て「たいしたことない」と安心したからか、新しい場所への知的好奇心が勝ったからか、理由は分からない。
しかし、面接が始まると再びキリキリとお腹が痛む。「早く終われ早く終われ」と思いながら必死に笑顔を貫き、やっと面接が終わると、腹痛は嘘のようにスッとひくのだ。

「あれ?さっきの痛みどこ行った??」そう思いながらようやく食欲が出てきたので、コンビニでおにぎりを買って帰る。時刻は15時とか17時。そんな時間になってやっと、胃が食べ物を受け付けてくれるのだ。

何をそこまでおびえている?


一度、吐き気と腹痛が我慢できなくて、面接の日程変更を申し出たことがあった。しかも当日に。企業からしたら迷惑極まりない就活生であるが、仕方ない。この腹痛と吐き気で、会場までいける気がしなかった。

死にそうな思いで企業に日程変更の電話をお願いし、電話を切ると腹痛は嘘のように消え去った。さっきまで吐き気と下痢と腹痛で本気できつかったのに、「今日はもう面接がない」と分かった瞬間、全ての痛みがスッと消えたのである。

何をそこまで追い込まれている?


一応言っておくが、上記面接は全て第一志望業界ではない。全て第二志望業界、なんなら滑り止めだ。私は来年、第一志望に再挑戦するつもりで、今受けている業界は面接練習と「まあ、内定したら親のために働くか~HAHA」という程度で受けている会社である。別に祈られても、「NNTなら堂々と就浪できるからラッキー」と思っているクズ就活生である。だから企業研究もろくにしてないし、面接は全てフィーリングで受けている。通過率も何故かいいし、例えお祈りメールが届いても「見る目ねーな」で終わりだ。病んだことがない。全く怖がる要素も、緊張する要素も、まともに歩けないほど胃が痛くなる要素も、プレッシャーも何もないはずである。なのに本当に毎回、死ぬほどお腹が痛い。

何がそんなに怖いのか?


本当に、分からない。真面目に理由が分からない。どうしてここまで自分が追い込まれているのか、自分がおびえているのか分からない。

無意識のうちに、「面接が怖い」と思っているんだろう。それは分かる。でもなんで? 意識的には、「ここで働きたくねえ~~」と思いながら就活している。「来年に向けた面接練習だから」と思いながら就活している。そんな企業にも親にも失礼クズ就活生ドーナツちゃんが、なぜここまで面接前に胃が痛くなるの? 何をそんなに緊張しているの? そんなに怖いの?御社が。まったく怖くないよね、むしろ舐めてるし働きたくないと思っているよね。じゃあなんでそんなに胃が痛いの?

なんで?


さっぱり理由がわからない。いつもnoteって結論が出てから、もしくは書きながら結論を出していくんだけど、この問題については結論が出せそうにない。だって自分の理性じゃわからないもん。本能がなぜか、「怖い」とおびえているんだもん。

面接前、鼓動がめちゃくちゃ早くなって、呼吸ができなくなって、お腹がきゅぅきゅぅ痛むこの状況に、笑えてくることがある。「何をそんなに緊張しているのww笑えるwwwww」そう思いながら、「大丈夫だよ、何をそんなに緊張してるのドーナツちゃんwwwww」と自分に笑いながら言い聞かせることもある。でもそんな状況になっても、胃は治らないのだ。


正直、その会社の面接に行くだけで、ここまでお腹が痛いなら、例え内定を貰えても働けないと思う。面接ぐらいで死にそうになるのに、内定者研修とか、ましてや週5日×8時間とか耐えられるわけがない。働ける自信がない。特に、第二志望業界はトイレに行けない時間というのが存在する。もちろん緊急時には行けるけど、休憩以外は普通に「俺、ト~イレ」なんて行けない職場だ。そんな場所で働ける?私。いや、無理でしょ。無理だよ、ばか。


でも業務内容も、志望動機も、就活軸とも合っているので、私は第二志望業界を受け続けている。

働ける自信がないなら、トイレに逃げやすい他業界受けようかな……

でも今更、こんな6月下旬に他業界っていっても、どうしていいのか分からない。明らかに今から新規企業受ける人って「就活うまくいってない人」って目で見られるし、今までの就活の流れとかめちゃくちゃ聞かれる。「何月から就活始めた?」「何業界見てた?」など。第一志望業界をごまかそうものなら「じゃあこの時期は何してたん?」って聞かれる。怖い怖い。

毎回「第一志望業界惨敗しました~☆」って遠回しに言うのも嫌だし、言わなかったら言わなかったで「この時期までなにしてたんオメー?この時期行動してない学生はいらねえよ!」って目で見られるし、いやだいやだ。


でも、他業界を受ける前に、腹痛をどうするかよ。。。
どうするん? 私。

心療内科? いやあそこ、予約するのにクッソ時間かかるうえに、医者との相性もあってコスパめちゃくちゃ悪いやん。病名判断してもらっても「で?」って感じだし、薬もいいの貰ったことないし、来年のために就活は立ち止まれないし。

だからって、内科で内視鏡検査は怖いし……胃カメラするのに胃が痛くなりそう。

というわけで面接を受け続けるしかない気がしてきた。受け続けて、受け続けて、私の無意識下にある本能が「もう面接、コワクナイ」「働くのも、コワクナイ」「コワク…ナイヨ」と思うまでやるしかないのかな。悲しいね。でもやるしかないのかな。


という不安note。

母には「胃が痛くなるドーナツちゃんが東京の出版社に働くのは難しいんじゃない?」って言われたけど、「地元第二志望業界の方が勤務中トイレいけないし、胃が治るわけでもないし、同じくらい難しいやんけ」としか思えないドーナツちゃんでした。


おやすみ。