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声色 #同じテーマで小説を書こう

日が沈む。 次第に灯りゆく外灯。 オレンジ色に染まる雲の向こう側が見たくて、タバコに火をつ…

わたしの青いワンピース

たった1度、祖父と真夏の国へ行った事がある。 当時私は小学生で、違う言語が飛び回るのが怖く…

夢を見たのと祖母は言う

祖父が旅立ってから10年以上経つが、未だに祖母の暮らす部屋には亡き人の気配が色濃く残る。 …

旅に行く理由

――― 昔、俺は異国の海で椰子の実のように浮かんでいた。 幾多の波にさらわれて、砲撃を受…

レストランにて

「ボンソワール、マダム」 誂えたスーツを纏い、優雅に中折れ帽を下げて祖父が挨拶すると、 …

祖父との約束

夏の初めに、私は船の上にいた。 父母と兄、従兄弟と祖母だけ乗せた小さな船は、波をかき分け…

遠距離恋愛のはじまり

高いビル群に、鳥の巣のような特徴的な建物。 窓から見えるその景色に、私は両手を大きく上に伸ばす。 ここに辿り着くまで、電車で3時間近くかかった。山々と畑が多く広がる地元では決して見ることができない景色だ。 ここ―東京にはるばる来た目的は、観光ではない。つい1か月前に恋人となった人と初デートをする為だった。 世間でいう『遠距離恋愛』という関係を、私とその人は始めようとしていた。 簡単に会う事が出来ない、東京に住むその人と付き合う事に迷いが無かったのは、前の恋人との関係が私の

美味いもん食え

社会人1年目の春、私は人生のどん底にいた。 就職活動に惨敗し、地元の中規模の製造業しか内…

かつて、あなたがいたのに

ヨーグルトと私の付き合いは長い。 どのくらいかと言うと、小学生まで遡る。 学校から帰って…