「肩甲骨の内側」の痛み-原因は「首」にある⁈ 原因と鍼灸による施術を解説
「肩甲骨が痛い」という方はよくいらっしゃいます。
「肩甲骨はがしをやってみたのですが…」と言われる方も多いです。原因によっては肩甲骨はがしが有効な場合もありますが、まったく意味がない場合も。
今回のケーススタディは、「肩甲骨が痛い」と来院されたけれど、実は首に原因があった方のケースです。
ストレッチや湿布、マッサージも効かず来院
40代の女性。
1か月ほど前から肩から左肩甲骨の内側に張りと痛みを感じるように。
そのうち治るだろうと思い、自宅でストレッチなどをしつつ、2週間ほど放置していたが一向に改善しないため病院を受診。
湿布を出され様子をみたが、特に変化がない。近所のマッサージに行くが、かえって症状が悪化してしまう。
仕事中も家事炊事中も痛みがあって、気分まで落ち込みがち。
仕事にも支障が出てきたため、友達のご紹介で来院されました。
見立て~首の筋肉が固くなったことが原因
問診でいろいろ聞いたところ、痛みの出る1週間前に引っ越しの手伝いをして、その後、肩甲骨の内側の痛みが出だしたということでした。
しかし、調べてみると、実際に問題があるのは肩甲骨周辺ではなく、首の筋肉(中斜角筋)のようでした。
中斜角筋は、前斜角筋、後斜角筋と一緒に斜角筋を形成する筋肉で、首を安定させたり、肋骨を持ち上げて呼吸をサポートしたりする筋肉です。
その中斜角筋の付近を肩甲骨の内側に分布する肩甲背神経が通っていいます。今回の場合は、なんらかの原因により中斜角筋が硬くなって肩甲背神経を締め付け(絞扼 こうやく)、それが「肩甲骨が痛い」と感じる原因となっていました。
おそらく、引っ越し作業で普段使わない肩や首の筋肉が緊張し、結果として中斜角筋が特に硬くなったのでしょう。
施術方法~緊張を緩めるだけで8割改善
この方のような症状の場合、鍼とマッサージで問題のある箇所の緊張を緩めれば、8割の症状が改善します。
施術から1週間後に再度来院してもらったところ、1~2割程度違和感が残っているとのこと。前回と同様に中斜角筋の緊張を緩め、さらに胸郭(きょうかく、心臓や肺を守っている胸の骨)の可動域が広がるように調整しました。
施術後、張りや痛み、違和感がなくなったことのを確認し、施術完了としました。
中斜角筋は長時間のデスクワークでも緊張する
中斜角筋の緊張を原因とする肩甲骨の内側の痛みを訴える方は、デスクワークの方にも多い印象です。
中斜角筋は首を安定させるためにも使われるため、デスクワークで猫背の姿勢が続くことで固くなり、その結果、肩甲背神経が圧迫されるのです。
「肩甲骨はがし」などセルフケアには限界がある
来院される前に、自分で治そうとして「肩甲骨はがし」などのストレッチをされる方は多いようです。しかし、今回のように自分が痛いと思っていたところとは別の場所に痛みの発生源(炎症など)があることは結構あります。
その場合、痛い部位のストレッチしても、マッサージを受けても、当然ながら痛みは改善しません。
身体の仕組みが分かっている専門家に診てもらい、原因を特定して適切に施術することが重要だとよく分かる事例だと思います。
「私の肩の痛みに似ている」「マッサージでも湿布でも楽にならない」という方は、ぜひ調布の春宵堂治療院にお越しください。
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急性期、慢性期の各種関節痛を得意としています。
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