かわいいから許す。
やはり今年も雨だな。
6月初旬、山形への「ジャムの旅」。
今年で3回目。
梅雨時期だから当たり前だけど、毎年雨の中の出発となる。
宇都宮に入り、サービスエリアでひと休み。
ここには朝8時から営業している餃子屋さんがあるのだ。
前日は遅くまで仕事が入っていたからあまり寝ていない。
眠いのだ。
がっつり餃子でも食べて目を覚そう。
年に一度の朝餃子。
ちょっとした背徳感が心地いい。
山形といえば「さくらんぼ」。
ちょうど旬を迎える頃だ。
過去2年の旅の話はこちら。
↓
今年はジャム作りの話をしてみよう。
基本的には旬の果物とお砂糖を煮詰めるいう単純作業なんだけど、収穫と下準備の労力が果物によって大きく異なる。
「苺」
とても楽。
収穫しやすいし、下処理もヘタを取るだけ。
「いちじく」
まあまあ楽。
蜜で手がベトベトになるけど、果実もそれなりの大きさで収穫しやすい。
ザクザク切るだけ。
「りんご」
ハシゴに登って収穫、果実もそこそこ重たくなるから結構しんどい。
熊が出ないか怖い。
皮むきと芯抜きに手間がかかる。
「柑橘」
収穫はそんなに苦にならない。
グレープフルーツのような大きな果実は、すぐに予定収穫量に達するから。
急斜面にあるブラッドオレンジの収穫は緊張感あったけど…。
ただ下処理はめちゃくちゃ大変。
皮を剥いて何度も湯がく。そしてひたすら刻む。
果肉から種を丁寧に取り除いて、これもひたすら刻む。
(先日のグレープフルーツは仕込みに12時間かかった…)
「栗」
落ちたイガ栗を足でグイッて広げて中の栗をトングで拾う。
9月とはいえまだ炎天下の下。汗だくになる。
栗に切れ目を入れて蒸し、中から実をスプーンで取り出す。
永遠に続くかのような作業。
途中で心がボキボキと折れる。
いつ終わるんだこれ…。
そして「さくらんぼ」
青々と茂った葉っぱをかき分け、小さくてデリケートな果実を収穫。
ハシゴを使って高所での作業も続く。怖い。
果実が小さいからなかなか予定収穫量に達しない。
下処理はどうだ?
まず枝を取り除いて、専用の道具(ホッチキスみたいなやつ)でひたすら種取り。
商品に種が混入しないように慎重に。
何度も確認しながら作業しているのに、ジャムを煮ている最終段階でふわっと表面に種が浮いてくる時がある。
なんでだよ!どこにいたんだお前!
ってな感じだ。
1位「栗」
2位「柑橘」
3位「さくらんぼ」
大変さに順位をつけるとしたらこうかな。
「栗」「柑橘」は作業をしていると途中から心が殺伐としてくる。
あ〜、いつ終わるんだ〜。みたいな。
でも「さくらんぼ」はなぜだかそうはならない。
ずっと楽しいぞ。
やればやるほど幸せ感が増していくではないか。
なぜだ?
「見た目がかわいいからじゃね?」
ずるいよね〜。
結局見た目かよ…。
かわいいから許す。
赤ちゃんも、ワンちゃんも手がかかるけど、結局かわいさに押し切られる。
(女性のことはさておき…)
果物の中でかわいさだったら「さくらんぼ」がダントツかな。
形、艶、色、揃ってるし。
そんなこんなで大変な仕込みのことも忘れて、ただただ幸福感に満たされた「ジャムの旅」となった。
さくらんぼLOVE。
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