![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/74770260/rectangle_large_type_2_4c32d90af06630cf659417bf84527f74.png?width=1200)
「ジャムの旅 〜紅まどんな〜」
宇和島でブラッドオレンジを収穫して、そのまま瀬戸内海の岩城島へ向かう。
高速に入る前に愛媛のご当地セルフうどん店「大介うどん」を発見。
そういえば4〜5年前に食べたな。
よし、腹ごしらえしておこう。
うどん2玉を自分で湯だまりで温めて、好きなトッピングをのせて、レジで出汁をかけてもらうシステム。面白いな…。
トッピングの肉ごぼうと甘めの出汁、コシのある讃岐うどんとは違う柔らかめのうどん。山の斜面で冷えた身体に沁みた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71980023/picture_pc_47b63b44a83aba283da8b244e4de2492.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71980156/picture_pc_2d106267cdb3cf79a6253fd25e97a4da.jpg?width=1200)
松山を通り越して、今治からしまなみ街道へ入り、因島からフェリーに乗ってようやく岩城島に着いたのは午後5時すぎ。
宇和島を出てから車で3時間半。
愛媛県は東西南北に長〜いのだ。
そのおかげでフェリーのデッキから瀬戸内海に沈む夕日を見ることができた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71980337/picture_pc_bbfa131987966a4791b94fd7e36dd943.jpg?width=1200)
今回も「ブルーレモンファーム」の古川夫妻にお世話になる。
2か月前に来た時は青レモンと洋梨を組み合わせてジャムを作った。
あの時青かったレモンもずいぶんと色づき、きれいな黄色になっていた。
これから暖かくなるにつれ、酸味が和らぎまろやかになるのだ。
「ぜひ紅まどんな使ってみてよ!」
古川さんに言われた時は一瞬ドキッとした。
紅まどんなはすでに完成されている高級果物だ。
さくらんぼの「佐藤錦」、苺の「あまおう」、ぶどうの「シャインマスカット」のように、某高級フルーツ店のS屋に一箱数千円で売っているような大スターである。
「こういう果物はそのまま食べるのが一番なんですよ。」
長年そう言って高級フルーツを加工するのを避けてきた。(いや、逃げてきた…)
しかし今の僕に逃げ道はない。
前回も旬のレモンをたくさん使わせていただき、素晴らしい加工施設も手配していただいている。
やるしかねえな…。
これも大切なご縁だ。
誠心誠意、真っ向勝負すると決めた。
ゼリー状のとろけるような果肉が特徴の紅まどんな。
下処理をしながらも、気がつけば3個くらい食べていた。
いや〜もうね…。美味いよ。当たり前だけど。
外皮も薄皮も極薄なので、火入れも最小限にして大切な旬の香りを逃さないように…。
紅まどんなからの豪速球をホームランにはできないけど、なんとかヒットゾーンには打ち返すことができた。
うん、美味しい。うまくできた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71980595/picture_pc_480414a11e96dd26d2eeb808efe09da5.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71980632/picture_pc_1c014a611f8c818e535f09be156c75c2.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71980630/picture_pc_553616089629f8e7eee0417e7bed3994.png?width=1200)
仕込みが終わったのが午後4時半頃。
まだ間に合うな…。
加工施設の裏にある積善山の頂上に行こう。
瀬戸内海に沈む夕日が見れるはずだ。
無人の頂上は結構な寒さだ。10分くらいで引き上げよう。
と思っていたのだが、あまりの夕焼けの美しさに動けなくなった。
言葉も出ない。ありきたりの表現だけど…綺麗だ。
途中から立派なカメラを持ったおじさんも上がってきた。
最高の夕暮れの瞬間を納めるため、ひたすらシャッターを切っている。
二人とも言葉は交わさず、ただただじっと夕焼けを眺め続けた。
そしておじさんがそっと僕に向かって、
「感動ですね…」
と言葉を漏らした。
素敵なおじさんだなぁ…。
旅の最後にこんなご褒美がもらえるなんて。
ずっとここにいれたらいいのに。
それくらい素敵な時間だった。
この先の「ジャムの旅」でも、たくさんの素敵な景色に出会えるはず。
そう思うともう次の旅のことでワクワクしている。
次はどこだ…。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71980860/picture_pc_0ec85eec59646f0347c2149c4caa735d.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71980866/picture_pc_51fb00d3b3d19a911e8e75bd5d804ebb.png?width=1200)
前回の岩城島はこちら↓
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?