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ゲームデザイン記事まとめ

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ゲームデザインに関する記事をまとめたものです
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#ゲーム開発

ゲームアイデアをハイレベルコンセプトにする方法

■ハイレベルコンセプトとはハイレベルコンセプトとは、ビジネス用語の1つで、顧客に商品サービスを最もわかりやすく伝えるためのフレーズ、となります。 端的に言うと「一言で "あなたのゲームの特徴" を説明するとどうなるの?」との問いに答えるものです。 これができると、ゲームを簡単に説明できて、ゲームをアピールした時に内容が伝わりやすいものとなります。 ハイレベルコンセプトでゲームアイデアを考えたり説明するには、以下の3つの方法があります。 1. "直喩" を使う 2. "組

プレイヤーのモチベーションを上げる方法

「プレイヤーのモチベーション」という記事が面白かったので、これを読んで感じたことを書いていきます。 ■「プレイヤーのモチベーション」の記事のまとめこちらの記事で書かれていることはおおよそ以下の通りです。 ▼プレイヤーのモチベーションを維持するための方法 1. キャラクターの成長 操作可能なキャラクターのパラメータが上昇して成長し、それによりゲームを効率的に攻略できるのが楽しい 2. 謎 プレイヤーに謎を提示して、それをプレイヤーの手で解き明かしていく過程、謎の正体が意

宮本茂のゲームデザイン〜オクルージョン

宮本茂さんのゲームデザインについて調べていたところ、面白い記事が見つかったので紹介します。 ここで公演された方は、スターフォックスの開発に関わり、宮本茂さんと仕事をしてその経験から「オクルージョン」という方法を学んだそうです。そしてその後、自身の会社「キューゲームズ」で「PixelJunk」シリーズを作るときにその方法が役に立ったそうです。 ■オクルージョンとはオクルージョン(occlusion)という単語の意味は「閉塞、閉鎖」です。 3Dプログラムでおなじみの「オクルー

松本人志×宮本茂の対談を見て思ったこと

だいぶ昔の話ですが、2011年にNHK BSプレミアムで、松本人志さんと宮本茂さんの対談番組が放送されていました。 今更ながらそれを見た感想を書いてみます。 (※独自の解釈も入れているので、正確な内容は動画で確認することをオススメします) ■宮本茂さんの発想法について対談の中で「どうしたらあのような独特なゲームが生まれるのか」ということを松本人志さんは聞いています。 これに対して、宮本茂さんは以下の回答をしています。 * 子供の頃の遊びが元になっている * 他の人が考え

ゲームにおける主人公のキャラのあり方

今回はゲームにおける主人公のキャラクター(性格・人物設定)について考えてみます。 ■主人公はしゃべらないのが基本一般的なゲームであれば、ドラゴンクエストの主人公のように「しゃべらない」キャラクターが良いと思います。もしくはしゃべったとしても常識的な普通の受け答えをさせます。 というのも、ゲームでは「主人公=プレイヤー自身」なので、平均的な人間である方が入り込みやすいからです。 ■主人公の成長は物語によるものではなく、「ゲームシステム」で表現する小説や映画の物語を作る場合に

「体験」から作るゲームデザイン

■ゲームデザイナーの役割とは何か「The Art of Game Design」という海外で最も支持されている(と思われる)ゲームデザイナー向けの本があります。 この本に以下のことが書かれています。 ゲームデザイナーの役割は何でしょうか。 そんなこと明白? "ゲームを作ること" では? それは違います。 ゲームは最終的な形式に過ぎません。 ゲームが楽しいのは、ゲームを遊ぶことで得られる「体験」があるからこそ。 この「体験」を魅力あるものにするのがゲームデザイナーの役割で

実績の設計について

今回はゲームをより深く楽しむことができる仕組みである「実績」の作り方を紹介します。 ■実績とはここで解説する実績の定義は以下の通りです。 * ゲーム内で何らかの目標を達成すること * 実績を達成できなくてもゲームクリアには直接影響しない * 実績を達成できなくてもマイナスの評価をしない 実績は「アチーブメント」と呼ばれることもあります。通常、ゲームクリアとは直接関係なく、プレイヤーが達成するかどうかは任意とされることが多いです。 ■実績のメリット実績を実装するメリット

「The Art of Game Design」の紹介

People will forget what you said, people will forget what you did, but people will never forget how you made them feel. みんなはあなたが言ったことを忘れてしまう。あなたがしたことを忘れてしまう。 だけど、あなたに対して抱いた感情を決して忘れることはないでしょう。 — マヤ・アンジェロウ (アメリカの詩人・活動家) 家の押入れを調べていたら、昔買ったまま放

ゲーム要素分析〜ターン制とリアルタイム制について

今回は「ターン制」と「リアルタイム制」のシステムがゲームにもたらす効果を考えてみます。 ■ターン制とリアルタイム制の定義ターン制とは、ゲームに参加している各プレイヤーの行動フェーズが順番に回ってくるシステムです。 古くは、多くのボードゲームやカードゲームなどのアナログゲームで採用されているシステムで、例えばババ抜きであれば以下の通りです。 1. 順番が回ってきたプレイヤーは隣のプレイヤーのカードを一枚引く 2. 同じカードが揃っていたら、カードを捨てる 3. 次のプレイヤ

ゲームの要素分析〜強制スクロール

今回は「強制スクロール」のシステムがゲームにもたらす効果を考えてみます。 ■強制スクロールの定義強制スクロールとは、「フラッピーバード」や「ラン&ジャンプ系」などで採用されているゲームシステムで、プレイヤーの意思とは関係なく画面がスクロール、それに合わせて画面外から新しい地形や敵、アイテムが出現します。 古くは「パックランド」「スーパーマリオブラザーズ」で採用されたシステムで、これらのゲームでは自動スクロールではなく、プレイヤーの移動に合わせて画面がスクロールしていました

もっとも簡単なRPGの作り方

今回はRPGをお手軽に作る方法について紹介します。 ■RPGを作るのは難しい?RPGは他のジャンルと比べて、作るのが難しいイメージがあります。それはRPGが持つ一般的なイメージが「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」「ポケットモンスター」など、大規模なゲームを連想してしまうためです。 ただ、作り方次第ではそれほど難しいジャンルではありません。 以下、RPGを簡単に作るための方法を紹介します。 ■ステージクリア型のRPGを作るRPGというと一般的には、広大なマップ

Pyxelでパズルゲームを作ったのでメモ書き

昨日は「東ゲ部もくもく会」に参加してPyxelでミニゲームを作ってきました。 これはどういうゲームかというと、テトリミノをうまくフィールドに当てはめて、ニャンコをゴールまで導くゲームです。 というわけで、なぜこのゲームを作ったのかまでの思考のメモを書きます。(かなり個人的な内容です) ■「テトリスの仕組み」を使った何かを作ってみたかったこのゲームのアイデアは東ゲ部もくもく会の前日に考えました。もくもく会に参加するなら何か作らねば……という切実な問題があって、それならテトリ

ベルトスクロールアクションの歴史や面白さについて考える

ベルトスクロールアクションを作り始めて、このジャンルについてもう少し勉強しなければ……と思って、色々と考えたことをまとめます。 ■ベルトスクロールアクションの定義ベルトスクロールアクションには様々な要素がありますが、個人的には以下の要素が大きいと感じました ① 斜め上からの視点(クォータービュー)でZ軸(奥行きがある)移動が可能 ② 格闘技メインの接近戦を主体にしたアクション ③ 単体で戦い、大量の敵を蹴散らす ■ベルトスクロールアクションの面白さ定義した3要素について

PermaDeathをクソゲーにしない方法

ローグライクで永続的なアップグレードをするべきか?(Should Roguelikes Have Persistent Upgrades?) という面白い動画があったので、この動画を見て感じたことをまとめます。 この動画で主張されていることは、ローグライクでの重要なゲーム性の1つである、PermaDeathについてです。 PermaDeathというのは、Permanent Death (永久的な死) のことで、言い換えると「死んだら全てを失う」というゲームシステムのことで