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実績の設計について

今回はゲームをより深く楽しむことができる仕組みである「実績」の作り方を紹介します。

■実績とは

ここで解説する実績の定義は以下の通りです。

* ゲーム内で何らかの目標を達成すること
* 実績を達成できなくてもゲームクリアには直接影響しない
* 実績を達成できなくてもマイナスの評価をしない

実績は「アチーブメント」と呼ばれることもあります。通常、ゲームクリアとは直接関係なく、プレイヤーが達成するかどうかは任意とされることが多いです。

■実績のメリット

実績を実装するメリットは以下の通りです。

* ゲーム本編と異なる目標設定ができる
* それにより、ゲームをより深く楽しむための別の目標を提示できる
* 本編よりも高い難易度の目標を設定することも可能となる

これにより、やり込み要素として、ユーザーにそのゲームを長く楽しんでもらうことができます。また、実績達成時に、「ゲーム内通貨を獲得できる」「経験値をもらえる」とすれば、ゲームをクリアできない人のための救済措置とすることも可能です。(サブクエスト的な位置付け)

■実績の実装手順

実績はゲーム内容がある程度固まった段階から実装し始めて問題ありません。というのも、実績はゲーム内容によって評価すべき項目が異なるからです。

ある程度ゲーム内容が固まったら、まずは実績ではなく「統計(Stat)」を実装します。ゲームにおける「統計」というのは、ゲームをプレイするうちに蓄積される情報のことです。

* トータルプレイ時間
* トータルゲームプレイ回数。勝利(ゲームクリア)回数
* 累積獲得スコア
* 総敵撃破数
* 総移動距離
* 総攻撃回数
* お金を獲得した金額の合計
* アイテム獲得数
* ゲームプレイのログ

例えば上記のような情報です。これらの統計情報を記録すると、実績を判定するときにも活用できるからです。例えば以下の実績です。

* トータルプレイ時間が 2時間を超えた
* ゲームを10回プレイした (クリアした)
* 累積スコアが 10万点 を突破した

■実績の種類

実績の種類は、通常プレイに付随するものと、特殊な制限プレイの2つに分けられます。

▼通常プレイによる実績
* 到達ステージ数 (例:ステージ5まで到達した)
* クリアした難易度 (例:HARDモードでクリアした)
* アンロック (例:新しい主人公キャラクターを解放した。イベント回収)
▼特殊な制限プレイ (狙わないと出せない)
* タイムアタック(例:一定時間内にクリア)
* 攻撃せずにクリア、必殺技を使わない、ソロプレイでクリア、キャラクターを強化せずにクリア
* 回復アイテムを取らない、ダメージを受けずにクリア、ショップを利用しない
* 最速で敵を倒した、特殊な方法で敵を倒した

実績は「そのゲームで評価できるものは全て評価する」という方針で問題ないと思います。そうして考えついた実績を「簡単にできるもの」「少し頑張ればできるもの」「達成が難しいもの」それぞれのカテゴリにバランスよく配置します。
なるべく「簡単に達成できるもの」を多めに用意した方が、遊び手に「実績を達成する楽しさ」を伝えやすいかと思います。

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