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instagramフィードのアルゴリズム ~飲食店の為のマーケティング基礎知識~

徐々に飲食店の方もSNSに取り組みはじめていますが、なかなかその仕組みを理解せずに活動を行っている人が多いです。より効率よくツールを使う為には、そのツールのルールを知る必要があります。という事で今回はinstagramのフィードの仕組みについて記載してみました。

instagramでの露出を増やすためにはまずは、フィードのアルゴリズムについての概略をおさえる必要がありますので、下記の内容を理解して取り組みを考えるとちょっと内容が変わってくるかもしれません。

1.フィードとは

 フィードとは、左下のホーム(赤丸)を押した際に表示される投稿のことを言います。(水色の四角内)スライドすると下にずっと投稿が続きます。普段何気なく見るときはココを見る人が多いのでここの中で上位に表示されればより多くの人に見てもらう事が可能になります。

2.フィードのアルゴリズム

Instagramのフィードのアルゴリズム

 フィードアルゴリズムは、6つの要素に基づいていると言われています。しかしながら、その内の3つは利用している方の特性に紐づきますので、こちら側ではコントロールができない要素なので、関与ができるところは3つになります。
 それでは、具体的にフィードのアルゴリズム(上位表示要素)について記載していきます。

①関係性 (Relationship)

 Instagramの基本的な理念は『Bringing you closer to the people and things you love (大切な人と大好きなことと、あなたを近づける)』です。そのことから、『どれだけ多くののアカウントをフォローしていても、親友の最新の投稿を見るべきだ』と言った考えがベースにあります。ですから、
Instagram/Facebookは、友達や家族の投稿を見逃さないようにアルゴリズムが組まれています。

 ではどうやって、Instagramは『大切な人』を判別しているのでしょうか?
それは下記の要素を考慮していると言われています。

 ・好きなコンテンツを投稿している人
 ・DM(ダイレクトメッセージ)を送った人
 ・検索で見つけた人
 ・実生活で知っている人

 店舗アカウントで考えると、お客様にとって上記のような位置づけにならないといけないことが分かります。また、そういった位置づけの方も一人ではないですから、その中でより関係の深いところに位置付けられなければ、上位に表示されないという事です。

 それでは、一般のお客様がどれくらいの人数をフォローしているでしょうか?人によってまちまちではありますが、頻繁にinstagarmを使っている若い人達だと200名位から数百名といった方が多いかと思います。となると既に関係性のある人が少なくともそれくらいいるという事です。少なくともそれらの関係のある方と同程度の関係性が必要になってきます。

②興味・関心 (Interest)

 興味・関心系で上がってくる要素は、2種類あります。
 ⅰ)その人がフォローしているアカウント
 ⅱ)InstagramのAIが『あなたにぴったり!』だとおすすめする投稿

があります。
Instagram側からするとより多くの人に長くInstagram上に滞在して欲しいので過去のその人が見たコンテンツの中から興味深いと思えるものをランキングしています。
 単純に自店舗のフォロアーを増やす、フォロアーの興味のあるコンテンツを発信し続けるという事が必要だとわかります。

③タイムリーさ (Timeliness)

 Instagramは、ユーザーの好奇心を掻き立てるためにも、関連性が高くかつ新規性の高いコンテンツを表示するようになってきています。情報の鮮度も 重要な要素になってきています。
 すなわち、見てくれる方(フォロアー)がアクティブに活動している時間帯に投稿した方が、ランクインする可能性が高まると言えます。

 

↑ここまでの3要素は、難易度はさておき、自分たちでも関与できる部分ではあります。ここ以下の部分は、関連要素としては知っておかなくてはいけませんが、こちらではコントロールはできないものになります。

④フォロー数(follower)

 その人が1000人をフォローしていたとしても、そのすべての投稿を見ることはできません。その人が望むようなフィードにするためには、稼働していないアカウントやほとんど見ないようなアカウントを削除していく必要があります。
 フォロアーから見たときに有用でない情報を発信しているアカウントは、いずれ削除される運命にあるという事が言えます。

⑤利用頻度(Frequency of use)

 こちらもその人がInstagramをどれくらいの利用頻度でチェックしているか?も観ています。アプリの利用頻度の高い人は、利用頻度の低い人と比べた場合、より時系列的なフィードになります。

⑥利用量(Usage)

 利用頻度と共にどれくらいの時間フィードのスクロールを行っているか?も当然ながら表示されるコンテンツの量が変わります。普段からどれくらいの時間利用しているか?によってもポップアップされる情報の幅は変わってきます。

利用頻度の低い」や『利用量が少ない』アカウントに対しては、表示されるものがかなり絞られてしまう。=関連度や興味・関心が、かなり高くないアカウントはそこに上位表示はされないです。


3.自店(個店)の投稿でフィード内での上位表示は可能か?

 ここまでフィードでのアルゴリズムを簡単に説明してきましたが、内容を見てどう感じられたでしょうか? ここで表題の件を考えたいと思います。

①『自店(個店)の投稿でフィード内での上位表示は可能か?』

 その答えは ⇒もちろん可能です!!

 しかしながら、多くの条件を乗り越える必要があります。

ⅰ)店舗とお客様の関係性を友人や好きなもの・こと以上に高めらる
ⅱ)お客様が興味・関心の持てる内容を発信し続けられる
ⅲ)お客様がアクティブにinstagramをみる時間帯に投稿を上げられる

これら3つ条件を継続的に行う事が出来て初めてフィードの上位に表示される可能性が出てきます。ⅲ)に関しては予約投稿のできたりしますので、十分に可能ですが、飲食店においてはⅰ)ⅱ)が非常に難しいです。なぜなら、1店舗で考えると

・元々、商品の変化が目まぐるしく起きない。
・興味のある商品を発信できたとしても、それを同じ人が継続的にみる理由がない。
・よって、このことの為だけに常に新しい話題や商品を考えて、提供し続けなくてはいけない。

と言うことがあります。よって常に商品の入れ替わる小売とは違う特性があることが判ります。恐らく、上記のことをできる飲食店の方は、一握りしかいないと思います。

よって、更に細かく最初の質問に答えると

自店(個店)の投稿でフィード内の上位表示は可能か?

という事になります。


②広告を使っての自店舗の投稿の上位表示は可能か?
 ⇒もちろん可能です。
 こちらは、費用を払っての広告ですので、間違いなく表示することは可能です。表示数は広告単価と予算によって変わります。 Facebook/instagram 広告であればエリア、ターゲットを絞り込んで打つことが可能です。
広告の種類も配信の目的に応じて「認知」「検討」「コンバージョン」から選べます。投稿箇所もフィードのみならず、発見タブ、ストーリーズ、リールなどにも投稿可能です。課金条件は、それぞれのキャンペーンに応じてクリック課金(CPC)インプレッション課金(CPM)、動画視聴時間(CPV)、アプリインストール課金(CPI)と変わります。

恐らく、自店舗の投稿でフィード内で上位表示させるとすると以上の2つの方法になります。次にそれ以外の方法について紹介していきたいと思います。

4.自店投稿以外でのフィード内上位表示の方法

①UGCによるフィード内上位表示

 3.で自店の投稿を上位表示させることが難しいと記載しましたが、その理由の一番は、2.で説明したアルゴリズムの中の関連性の部分です。店舗とお客様の関連性を高めていくことは非常に難しいですが、逆に既に関係性のある人であれば比較的容易に表示ができるということです。では店舗に来るお客様と関連性の高い人は誰でしょうか?
→それは、お客様の友達です。すでにお店を利用していただいているお客様の友達=お店を使っていただける可能性の高いお客様候補と言えます。
と言うことは単純にお客様にお店のことを紹介していただくことができれば、そのお友達のフィード内には上位表示がされると言うことです。

関係性の深さと上位表示の関係

最近聞いたことがあるかもしれませんが、お客様が店舗のことを投稿してくれたもののことをUGC(Use Generated Cotents)と呼びます。下記のようなSNSを中心とした媒体でアップされることが増えています。

UGCとは

すなわち、このUGCを増やしていくことが一番確実にお客様候補に自店舗のことを知ってもらえる可能性が上がることがわかるかと思います。

次の課題として、このUGCを増やすためにどうしたらいいか?になると思いますが、今回はインスタのアルゴリズムの理解を優先させたいと思いますので、別途そちらに関しては記載したいと思います。

②インフルエンサーの活用

 先ほどは、お店に来たお客様にUGCを上げていただくといったお客様の好意によって行われる活動でしたが、こちらは商業的な広告といった手法での上位表示になります。前の章で記載したinstagram広告とは別の切り口です。

 当然ながら、フォロアーも一定数以上おり、店舗発信するよりも認知度が上がることはまちがいないです。一方でInstagram広告との違いは何か?というところを知っておかなくてはいけません。

・instagram広告とインフルエンサー販促の違い

instagram広告とインフルエンサー販促との違い

 一般的に効果があると話がされているのは、小売りで事例がほとんどです。飲食関連での成功事例は少ないといった印象です。これは、上記表にも記載しましたが、飲食店の特性として商圏があるという事です。自店の商圏内の人1万人に認知されたならば、反応率1%として100組の来店が期待できますが、インフルエンサーを使って全国の10万人に認知をさせられたとして、商圏内の人が100人しかいなかったら、同じ反応率だと1組しか来店が期待できないという事です。これが小売り等の通販であれば、全国が商圏範囲に入りますので、同様の反応率1%で1000組からの注文が期待できます。

 基本的はこの小売りでの効果をもとにインフルエンサーの価格が決まっていることが多いため、費用対に見合わないことがほとんどです。最近では定額でマイクロインフルエンサー(フォロアー数10万人未満)やナノインフルエンサー(フォロアー数1万人未満)が使えるような販促が出てきていますので、まだそれらを活用するのも一つの方法です。

ただ、フォロアーが何の目的でその人をフォローしているか?も来店につながるか?にも影響してくるため、インフルエンサー選びは結構難しい側面があります。

フォロアーさんのフィード内での上位表示は期待できますが、まだ、現状のフェーズでは、来店促進というよりかは、認知度拡大(ブランドイメージ訴求)的な使い方になるかと思います。
※注意しなくてはいけないのは、フォロアー数=上位表示される数ではないということ。店舗同様にフォロアー数がいても日常でのエンゲージが高くないインフルエンサーは、ややもするとフォロアーのフィードに上記表示されず見てもらえていない可能性あり。お金でフォロアーを買っている人の場合はほとんどエンゲージされません。

5.まとめ

◎Instagramのフィードのアルゴリズムの要素

Instagramのフィードのアルゴリズム

◎『自店(個店)の投稿でフィード内での上位表示は可能か?』

自店(個店)の投稿でフィード内の上位表示は可能か?

その他に強制的に上位表示させるには『広告を利用すること』がある。

◎自店投稿以外でのフィード内上位表示の方法

①UGCによるフィード内上位表示が有効

関係性の深さと上位表示の関係
UGCとは

②インフルエンサーの活用

instagram広告とインフルエンサー販促との違い

フォロアーさんのフィード内での上位表示は期待できますが、集客につなげる為には、インフルエンサーの選別が必要。現状は、どちらかというと認知度拡大(ブランドイメージ訴求)的な使い方になりやすい。

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