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突然の出向命令

三十代前半、独身の私はその企業に入社して4年になろうとしていました。役員をしている尊敬している上司から呼び出しを受け、タイミング的に、ボーナス査定か何かの話と思い、一人で会議室で待機していました。

上司はほぼ時間通りに会議室に現れ、いつもと異なる雰囲気で、着席しました。

「単刀直入に言うわ。お前に国に出向してほしい」

いつも冗談を言って、職場に活気をもたらす上司だったので、私はいつもの冗談だと思い、私は
「あはは、いいですねー! それで、本題はなんですか?」と聴き流し、聴き返しました。

上司はすかさず、
「これが本題や」と真面目に返してきました。

私は驚き、言葉に詰まりました。
なぜ私なのか?
私でよいのか?
何がミッションなのか?
いつまでなのか?
出向後の処遇はどうなるのか?
など、様々な質問をしました。

私はなぜか断るということは考えませんでした。
諸先輩方は国への出向を希望しており、私には到底縁のないことと思っていました。今回、お声がけ頂けたのは光栄なことですが、私で大丈夫なのかという不安が強かった状態でした。

このように、前触れもなく、あまりに突然の出向の命令が下されました。

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