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早稲田大学に通う発達障害者(ADHD)のあなたへ【4年間でできる人生設計】

KY(空気読めない)、天然と言われ続けて20数年。
筆者は早稲田大学在学中にADHDグレーゾーンを診断され、それを隠して大手企業に入社し(グレーゾーンであるなら敢えて申告するべきでも無いだろうという判断)結局うまくやっていけず、現在休職しているニートのお先真っ暗な女だ。

筆者は早稲田大学が大嫌いだった。
煌びやかなダンスサークルや、面白いと言ってロータリーで嘔吐するそのモラルのなさが嫌いだった。
教授の荒ぶるTwitterや、生徒に媚びた「○○論」が人気授業であるところが嫌いだった。
顔が広い陽キャのみが生きる希望を与えられているような場所に思えた。
学生会館は英語劇の騒音で頭が痛くなったし、サークル活動は男尊女卑が蔓延していて精神的苦痛を覚えた。

……と、振り返れば何もかもがうまくい行かなかった、他の学生と比べて鬱になったりせず、もっとやれたことがあるんではないかと思う、今日この頃。
少なくとも、あの4年間はなんでもやれる時期だった。人生で一番時間があったのだから。
(今も休職中なので暇ではあるが「大学生」という身分と「休職中」という身分の差は大きすぎる)

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筆者が早稲田大学で良かったところ
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・3教科で受験できる。早稲田ブランドの割りにコスパがいい(筆者は国語しかできない)
・留学が楽しかった。4年間で唯一他者と自分を比べないでいられた時間だった
・尊敬する教授に出会えた。ゼミ形式の授業に潜ったことで、教授との親交を深められた
・司書課程が面白かった。多くの授業が5~6限に設置されているため、本当に本が好きな人しか受けていないので、同士が集まるいい時間だった。
・創作することに出会った。ZINEを作って文フリに参加したり、挑戦!ということをいくつもした
・有給インターンで就業しながらお金を稼いだ。自己肯定感が低い筆者にとって、お金というわかりやすい対価がもらえたのは肯定感につながった
・なんだかんだ就職活動がうまくいった。今、休職だが手当金がたくさんもらえたり復職後の体制を整えてもらえる大手企業に入り込めたのも早稲田ブランドがあってこそだと思う

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筆者が早稲田大学で嫌だったところ
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・サークルがクソすぎる。男尊女卑の温床で、人生で初めて差別にあった。(まあ、就職してからは同じような感じだったけど)
・早稲田実行委員のような人たちが大きい顔をしている
・真面目に授業を受けている学生が少ない。学校側もそれをよしとしている
・飲み会がクソすぎる。サークルも、ゼミも、酒を飲んで楽しいってキャッキャしているのが苦手だった。仲間内で乱れた性関係がすぐに生まれるのも嫌だった
・上流階級の子息が多すぎる。仕送りの額や、留学費用、ひいては就職活動におけるコネまで自分と比較して病んだ

……と、ここまで書いて気づいた。
早稲田大学で嫌だなと思った「男尊女卑」「金持ち優位」「自己責任論」「酒と女」という点は、昭和体質が続く大手の日本企業に入っても続いていく。
だから、「早稲田大学の多くの人が行く進路」に乗らずに、もっと違う進路を考えていれば良かったなと思う。この後悔を、現役の大学生の皆さんにも繰り返してほしくないから。

長くなってしまったが、ぜひ最後まで読んでほしい。


1、医療費制度を使って病院費用を浮かせよう

「早速カネの話?!」と驚くかもしれないが、病院の費用は馬鹿にならない。
早稲田大学は病院と薬局でかかった費用を支払ってくれる制度がある。

早大生なら、1つの医療機関につき月額1,000円を除いて、1年度あたり60,000円まで戻ってくる

精神科は合う合わないが激しく、合うところが見つかるまでは転院し続ける根気が必要と言われている。費用のことを気にしなくていい大学生のうちに、自分のかかりつけ医と出会えるといいと思う。

また発達障害の人にとって、積み重なった自己否定感から鬱病が併発しやすい。
早稲田大学ではカウンセリングが無料で受けられる。
(カウンセリングは通常受けると1時間5000円以上かかるから、とてもお得だと思う)
私も大学時代お世話になっていた。大学に抱えるモヤモヤや、なんともいえない辛さをカウンセラーに話すだけでも救われる。

2、レポート日程やテストについては無理をしなくてもいい

日常生活に穴があるADHDにとって、大学生活は難しいことの連続だと思う。
履修登録を忘れる、授業に出席できない、仲間内に出回っている試験問題が回ってこない、レポートの提出期限を間違える……

単位を落とし続ける→落単→留年……ということはよくある。
卒業が1年延び2年延び……結局中退するというADHDの大学生の事例をよく聞く。

早稲田大学は発達障害学生向けのサポートが手厚い。
落単しそうでも、丁寧なメールで説明をすれば救済措置をとってくれる。私のADHDの友達は、卒業論文も文字数が足りなくても、審議の元に卒業できることになっていた。

大学卒業することがすべてではないと思うが、これから先の人生で「早稲田大学卒業」という肩書きは盾になってくれると思う。
ADHDは大学生活が向いていないと思うので、ずるずると卒業を引き伸ばすよりも、さっさと卒業して自分に合う環境で仕事をするのが良いと思う

ちゃっちゃか単位を取得して4年で卒業することを勧める。

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テンプレート よかったら使ってください

○○教授(先生/准教授 等)

お世話になっております。
私、○○論を受講しております、早稲田大学○年の(名前)と申します。学籍番号は(学籍番号)です。

〇〇の講義の件ですが、出席日数が足りておらず、期末テストの点数も及第点に達していないと思います。
今後このようなことがないように、次の学期には一層勉学に励む所存です。

大変申し上げにくいのですが、私は医師から発達障害を診断されており、時間通りに授業に出席することや、大教室の中で集中して授業を受けることが困難な性質でございます。
現在、薬を試してみたり、早稲田大学の学生支援コーディネーターさんの協力のもと、少しずつではありますが改善の努力をしているところでございます。
誠に勝手なお願いであることは重々承知しておりますが、今回に限りレポートや再試験といった救済措置を取っていただくことは可能でしょうか。

もしも、救済措置を取っていただけるのであれば、全力で取り組ませていただきます。

お忙しいところ大変申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

○○学部○年
(学籍番号)
(名前)

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3、就活は病むから注意しよう

私は性格診断をしても「芸術家タイプ」と出て、社会人になることがまったく想像ができない大学生だった。

しかし、早稲田大学に入学すると、大学3年次から、だんだん学内に黒髪スーツの人が増えていく。
近年はベンチャー志向も強まっているとはいえども、多くの学生は一流企業に向けて熾烈な就職活動をすることになる。

就職活動のイメージができない!という人にはこの本がおすすめ。
朝井リョウは早稲田大学文化構想学部出身で、新卒では東宝に入社した。
「就活をやってきた」人が描く小説なので、色々とえぐい。
ちなみに、映画版もあるが、全員顔採用で大手に内定がもらえるレベルなのでリアリティにかける。
グループディスカッションのシーンは「演技!!」という感じで、小説版の生の雰囲気がなかったので残念…

○大学1、2年生のあなたへ

就職活動まで時間がある大学1、2年生は、将来をどうするか考えよう。

文系就職は営業の採用が多い。
コミュニケーション重視の職はADHDに向かない場合が多い。
ちなみに「それでもきっと大丈夫!」と意気込んで就職活動をした私は現在、休職している……。

自分に合うことは何かを考えて欲しい!
例えば、一人でコツコツをする作業が得意な人は、大学生のうちにプログラミングを勉強したり、公認会計士を目指したり、手に職をつけることを勧める
例えば「小説家になりたい」と思うなら、大学時代にできるだけ多くの公募に出そう。

日本の就職活動は、終身雇用の総合職採用である。
「どれだけこの会社に忠誠を誓うことができるか」をメインに採用活動が行われる。資格や学業よりも、部活動などの経験重視であることからもわかるだろう。

小学校の時、教室で「うんこうんこ」と騒いで楽しそうにしている同級生が理解できなかった。
大学に入って、サークルで飲み会をしてはしゃいでいる同級生が理解できなかった。
いつかは自分に合う環境に行って、伸び伸びと楽しく生きていけると信じてやまなかったーー
しかし、社会人になって気づいたことがある。
今までの人生で生きづらいと思っていた人は、社会になっても変わらない。
社会人になっても、飲み会で「うんこうんこ」と騒いだり、上司に媚びて後輩をパワハラにするような人が出世をする。

○大学3、4年生のあなたへ

もう就職活動は目の前だ。
私は就活期の大学の雰囲気が苦手で仕方がなかった。
就活は情報戦だというが、私はこうした大きい波に乗るのが苦手だった。
頑固な私はESの文章を書くことができず、サマーインターンの時期に鬱になって家に閉じこもっていた。

命を落とすくらいなら、就活なんて辞めていい
きっと早稲田大学に入学できるレベルの頭脳を持つあなたなら、院に進学して勉強してもいいだろう。

逆に、家庭の事情で就職しないといけない人におすすめしたいのは、できるだけ採用人数が多い大手IT系(子会社含め)か、半官半民の企業に入社することをおすすめする。
どちらも、倍率が高くなく、福利厚生がしっかりしているイメージだからだ。
私は大手企業に入社して、結局適応障害になって会社を休職しているが、働いているときと変わらない手当がもらえているし、「3年目離職率0%」記録を終わらせないように復職後のフローも考えてもらえている。

「本が好きだから出版社!」などと思って高倍率の業界を受ける場合は注意してほしい。
こうした煌びやかな業界は高倍率になり、落ちる続けると精神的な負荷がかかる。
専願しないで、「興味がない仕事」「でもお金を稼げる仕事」を受けることを勧める。

4、本を読む

早稲田大学に入学ができたあなたなら、きっと自分の性質と向き合ってこれからの人生をより良いものにしようという能力があるはずである。

薬の処方、カウンセリングなど、あらゆるケアができると思うが、知識を蓄えることが一番の助けとなる。

私が読んでいてよかった本を紹介する。


5、まとめ

サークル、飲み会、朝帰り、唯一無二の親友ーー
私が想像していた物語のような大学生活はできなかった。
この4年間のモラトリアム期間で、自己否定感だけが強まってしまった。
この後悔を誰かにも繰り返して欲しくないため、このnoteを書いた。

大学4年間は長く、つまらないものだと思うが、社会人への準備期間に当てて、これから先の人生をより良いものにしてほしい。
永遠に難しい人生がこれからも続いていくだろうけど、もっと幸せな世界を探し求ればきっとどこかにあるはずだ!

あなたの人生がこれからより良いものとなりますように。






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