【エッセイ】僕のパートナー

 彼の関西のなまりが愛おしい。訛を持たない僕には、彼の訛が羨ましくさえあるくらいだ。何より彼の声が好きだ。優しくて、木漏れ日のような輝きを以て、僕に降り注ぐ。

 彼はすごく素敵な人だ。小柄で愛らしくて、初めて会ったときから僕の心を捉えて離さない。彼は自分のことをオジサンというけれど、僕には色気のあるお兄さんに見える。

 彼は僕より早く年をとる。十三歳も年上だからだ。For Tracy Hydeの"Undulate"のサビを反芻する。
 十二月のクリスマスには、彼の住むところへ行くことになっている。一緒にカレーを作ると約束した。二人で作るカレーは、どんな料理にもまして美味しいことだろう。

 さて、僕らは付き合ってから三年目。夢はパートナーシップ制度を活用して、正式にパートナーになることだ。今はまだ正式にパートナーではないけれど、パートナーと呼びたいくらい大切な人だ。

 僕は精神の病気で、しばしば彼に迷惑をかける。先述の通り、彼は僕より十三年早く年をとる。これからもたくさん迷惑をかけるだろうけれど、彼がおじいさんになったら、僕が支えてあげないと。それが、恩返しというものだ。

 そうしたことも覚悟したうえで、僕は彼と、正式なパートナーになりたいと思っている。本当に、心の奥底から愛しているのだ。

#私のパートナー

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