私のスタイル/私の万年筆
私のスタイル
私は何ひとつ書けないと思った
そのことを私は嘆いていた
でも今は違うようだ
スランプだって創作の趣の一つじゃないか
そんなふうに笑い飛ばしながら
原稿用紙に向かう時は真摯な心で
獲物を狙う鷹のように鋭い眼光を光らせて
注意深く万年筆を走らせる
今日も そして明日も
私は私の感情を 思いを 詩に昇華する
私の万年筆
ペリカン社の万年筆は
可愛い親子のペリカンマーク
長い歴史を持っていて
復刻版まで出してくれる
いいね 太っ腹だね
ところで僕のこよなく愛する万年筆は
ペリカンの"M101N"━━
傑作"101N"の復刻版だと云う
手に入れてもう二年が経つ
時が経つ毎に思い入れが強まるのは
万年筆そのものに芸術性を帯びている証だ
キャップを抜いて
インクの香りを嗅ぐときに 私は
芸術に挑みかかる者の 獣のような眼をしてる
(2023.7.26)
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