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貧しいニッポン(日経ビジネス2021.12.20)

何の本を読んでも、日本の未来は暗い、と書いてあります。事実、世界的に見ていま日本はどんどん貧しくなっていっています。そんな内容を踏まえて社内でブレストしました。

ブレストノート

日本はどんどん貧しくなっている

2021年は様々なものの値があがりました。顕著だったのは建築系。木材や鉄、銅など、素材関係が軒並み値上がりし、それに呼応してリクシルも値上げを余儀なくされました。
日本は元々、安く売ってシェアを拡大するのが典型モデル。そのせいか日本の平均賃金は過去20年間ほとんど上がっていません(2020年時点で年収435万円)。しかしながら海外勢はこの20年でアメリカが25.3%、韓国が43.5%上昇しています。日本の上昇率は0.4%ですので、その停滞ぶりが見て取れます。
安い国日本は世界から魅力が下がっていて、特に海外アーティストなんかは、昔は日本のついでに中国にでも行ってやるか、という姿勢だったのですが、いまや逆転し、中国のついでに日本に来てやるかという感じらしいです。海外の労働力も日本で働くよりアメリカのほうが儲かるよねって、日本が選ばれなくなってきているとか。
このまま日本はどうなっていくのでしょうか。その解決策はとくに示されていませんでした…。

高価格・高単価商品を開発する企業の取組

日本政府が手をこまねいている中、それを企業は指を加えて見ているわけにもいかないわけです。企業はデフレから脱却し、高く売って高い利益を上げるという戦略に変えているところもあります。
・さくら水産
鮮魚を得意とする飲食店ですが、コロナ前は安く提供していたところ、コロナになって客が遠のいたのをきっかけに、高単価路線に変更。水槽に魚を泳がせて、行きた魚をさばいて提供する活魚定食1,280円〜という高単価商品の提供を始めたところ、それがヒット!今やコロナ前に比べて客単価は200〜300円もあがったそうです。
・愛知ドビー
バーミキュラという3万円前後もするホーロー鍋を製造販売。鋳物の高い技術力を駆使し、新しい商品を開発したところ、売上高はバーミキュラを始める前の10倍に。

あまり事例はあがっていませんでしたが、このように企業努力で高く売る戦略に舵を切っている会社も少なくないそうです。
経営戦略的に見れば、それはすごく理にかなっていて。というか、安くたくさんというビジネスモデルは今後はどんどん苦しくなっていくのは目に見えています。なぜなら人口そのものが減っているから、市場が伸びないので。数を取れないなら、価格を上げるしか方法がない。なので高単価商品を開発していくほか、企業が生き残っていく道はないのです。
それはわかっていてもなかなかできないのが現状ですよね。ついつい安くしがちなのは、これまでのデフレジャパンの功罪なのかもしれません。
でも最近の消費者行動を見ていると、本当にいいものを求めている人が多いように思います。高い旅館・ホテルなんかはいつも人気だし、料理屋さんも高いお店はいつもいっぱい。バーミキュラもそうだけど、ダイソンやバルミューダとか独創的な高品質商品がバカ売れしてます。どうでもいいものなんかもう欲しくないんです。ものは揃っている。その上で本当に欲しい物をみんな求めている。
本当に欲しいものは何か。僕は、とてつもないこだわり、なんだと思っています。生産者のエゴでもいい。それくらいエッジの効いたものが世の中は求めている気がします。むしろ迎合していくものは敬遠されていくでしょう。消費者の考えが及ばないものこそ、逆に求めているものなんだと思うんですね。そこにはゆるぎない哲学が必要だと思っていて、作り手の想いを感じられる製品じゃないとダメだと思うんです。だから作り手は、想いをしっかりと磨きあげることが必要だと思っています。

海外に活路を見出す

さて、ブレストでどんなアイディアが出たかというと
・高単価商品を作る
・年間パスポート6万円
・海外の市場に切り込む
・プロポーズ謎…エンゲージリングとセットで60万とか
・お笑い×謎解き(コント)
などなどあがりました。最近どんなテーマでもアイディアを上げてくるようになりました(しゅごい…)。
最近社内でも注目が高まっているのが「海外市場」です。
僕たち謎解き制作会社は日本国内でしか商売をしていません。これをそのまま同じモデルを海外に持っていったらどうなるんだろう、とよく考えていました。そしてこの度の海外市場のほうが伸びている事例を見ると、日本よりも海外で勝負したほうがいいんじゃね?っていつもなります。ただ、海外のことは何も情報がないので知らないし、そもそも謎解きの文化だってないし(日本ですらそこまで浸透していないのに)、実際どうなんだろうってところで止まってしまいます。
なので知り合いの海外の人に聞いてみたり、調べてみたり、できることを少しずつやっていっています。
いまのところ、海外には僕らが手掛けるような周遊の謎解きはなく、いわゆる上海型と呼ばれるエスケープゲームだけが存在しているようです。
ないなら作ればファーストペンギンになって先行者利益をとれるじゃん!と考えるのか、ないならないなりの理由があるはずだ、と躊躇するのか。僕の気持ちとしては海外進出したい気持ちはめっちゃあるんですが、何分情報が足りないので、まずは情報を収集してからですねぇ。なにか情報を持っている方がいらっしゃったら教えてくれると嬉しいです。
「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫氏の言葉通り、まずは相手をしる、情報を取ることからやっていきたいと思いました。

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