文章を書くコツ―「考え」を「言葉」にするためにはどうすれば良いか

 見たことのない風景が見事に言語化された文章に出会うとき、ふと心を奪われる。僕はこの現象を「言葉を得る感覚」に近いと感じています。上手く分節されなかった風景が頭の中に染み渡っていくような感覚。小説にしろ、哲学書にしろ、専門書にしろ、心を一瞬で奪っていくような文章が確かにあります。そしてそんな書き手に憧れます。

 文章を書くのはなんとなく苦手、そんな風に思う方も多いと思います。僕自身、学生時代は文章を書くのがそれほど得意ではありませんでした。ブログを始めて、自分の考えを文章にしていくこと、それと同時に本をよく読むようになったこと。僕にとっては、この二つが文章を書き続ける大きなきっかけになったのかもしれません。とはいえ、突き詰めて考えるとそんなきっかけが本当に実在するのかどうか良く分からなくなります。

 さて、前置きが長くなりました。このnoteは文章を創造する、つまり文章の書き方のノウハウみたいなものを僕なりに整理したものです。ただ、作文の書き方とかそういうものじゃなくて、どちらかというとクリエイティブなライティングとでも言いましょうか。方向性としては、文章の創造の仕方というものに対する関心が強いかもしれません。

 こんな僕が文章を書くことについて語るのもどうかと思いますが、単著も書かせていただきましたし、いくつかの共著や連載も書く機会に恵まれたので、そろそろ偉そうに語っても良いかなぁ、なんて考えています。(すみません、偉そうに……)
 また、僕自身にとっても文章の書き方を少しだけ整理をしたい気持ちがありました。僕の主な執筆実績は以下にまとめてあります。一般向けと言うよりは主に薬剤師の視点で医療者向けに執筆してきた原稿が多いと思います。したがって、ここで示した文章の書き方が一般化できるかどうかについては議論の余地があるかもしれません。

 なお、文章の書き方については僕なりにいろいろ研究してきたところもあります。有料公開についてご理解いただけましたら幸いです。また必要に応じて随時更新していきます。

【主な執筆実績】
■医療者向け専門書(単著)▶ISBN-10: 4822200981
■医療者向け専門書(共著)▶ISBN-10: 4524259473、ISBN-10: 4498079205、ISBN-10: 4765317196、ISBN-10: 4784946004、ISBN-10: 4840748934、ISBN-10: 4840748829など
■医療者向け連載▶日経ドラックインフォメーション、薬事日報社、南山堂(レシピ+)
■一般向け連載▶日刊ゲンダイ
■WEBマガジン連載▶地域医療ジャーナル
■医療者向け専門誌▶ASIN: B074ZXJQLW、ASIN: B01G8GK15S、ISBN-10: 4758123179、ISBN-10: 475811563X、ASIN: B01MRXT2RPなど
■小説▶ファミ通文庫×カクヨム「僕とキミの15センチ」短編小説コンテスト中間選考通過
■学術論文(査読有)▶DOI: 10.1002/jgf2.110
■人文系論考▶週刊医学界新聞 第3230号

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