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アメリカ視察記⑤【退屈日記】ディズニー度、ディズニーランド越え

アメリカロサンゼルスの旅。3泊5日。

みなさんであればどのようなプランを立てるだろうか。

ハリウッドにビバリーヒルズ、ディズニーランドもあるし、MLBの球場も2つ。
サンタモニカに行けばビーチに観覧車などの楽しめるアミューズメント施設があり、そのすぐそばにはショッピングモールもある。

男性女性、子ども。
みんな楽しめる何かが、日本とは全く違うスケールで体験できる。
それがロサンゼルス。

8年前に当時の彼女(現奥さん)と来た時には上記の選択肢の中から、
「2人が楽しめるもの」「自分が楽しめるもの」「相手が楽しめるもの」をバランスよく選択し、旅行会社の手配してくれたバンに乗って連れて行ってもらうというスタイルだった。

そうなると、どうなるのか。

アメリカ人が作った外国人のための施設に外国人として行く。
そして外国人相手に商売をするアメリカ人に出会う。


ということになる。

はじめてのアメリカだったので、それはそれでいいのだけど、
いかにもロサンゼルス土産的な売店を見ると
頭の片隅に京都にありがちなブランド物をもじったギャグTシャツがいっぱい売っている売店を思い出す。

こみ上げるコレジャナイ感。。。

自分がアメリカに求めているのはそれではない。
じゃあ、何なのか。

  • 「いらっしゃいませ」ではなく「お邪魔します」

  • 「時間潰し」の時間

この2点であり、なんのことか訳が分からないと思うので、
以下、説明していきたいと思う。


「いらっしゃいませの世界」よりも「お邪魔しますの世界」

ガイドブックに載っているような観光地、観光施設というのは「いらっしゃいませの世界」である。

8年前に憧れのアメリカ西海岸。ステイプルセンターやサンタモニカ、ディズニーランドなどを訪れた。
でも、バンで連れられ時間内に戻ってくる作業を繰り返していると、感動とかより「みんなも行った、みんなも憧れるこの場所にタッチしてきました」というスタンプラリーに参加させられてる気分になる。

そのような場所は観光客用にデザインされていて、「いらっしゃいませ」と回らされている感じがするのだ。

自分は、それにあまり興味がない。行って、体験して理解することができた。

自分が求めているのは、何か。

アメリカ人が市民のために作った場所に外国人として行き、「お邪魔します」とアメリカ市民に混ぜてもらいたい。

というものだ。つまり「お邪魔しますの世界」

夏休みの午前中。予定はないけど、なんか天気はいいし、ちょっと外でも出ようかとスケボーをもって公園へ行く

そんなアメリカンキッズに混じって「お邪魔します」と、一緒に滑りたい。

時間を潰しの作法

その時間に何を求めるのか。

何も得ようとしない。時間が余っているので、時間を潰そう。
それぐらいのスタンスである。

「時間を潰す」

マイナス要素の多い言葉に聞こえるかもしれないが、そうではない。

どう時間を潰すのか。それはとても重要なトピックである。

例えばの話ではあるが、皆さんも思い返してほしい。

「小学校時代、夏休みの午前中に何をしていたのか」
「中学校時代、放課後から塾までの間に何をしていたのか」
「大学の夏休みに何をしていたのか」

膨大な暇な時間を目の前にして、何を選択してきたか。

それは、能力や勉強の良し悪し、学校でのアレコレよりも自分自身を形作っているはずだ。

小学校時代に朝は「筋肉マン」「幽遊白書」を観ていたこと、
中学時代の放課後はドラマの再放送には目もくれずブックオフなどに入り浸っていたこと、
高校時代に、学校が近くの家に野球部みんなで泊まって朝までPS2のウイニングイレブンをやりまくったこと、
大学の夏休みは「2年連続で甲子園の全日程をバックネット裏で観戦」「東京に一人旅をして野球名門校にアポなし突撃し、練習見学をさせてもらう」「マクドのコーヒーお替り自由をいいことに隣の古本屋で買った本を徹夜で読んで、読み終わったら売るルーティーン」などをしていたこと。

学校で学んだことよりも、色濃く自分に残っている。
人の個性とやらは「時間潰しの作法」によって出来上がると言ってもいい。

アメリカンキッズの時間潰しを追体験するべく、スポーツショップでスケボーを買って、公園で滑るために出発した。

歩いた時間は1時間半ぐらい

すれ違う人々

IHOPで食事をとった後(画像左上)、南へひたすらまっすぐ歩く。
天気は最高で、パンパンに膨れ上がった腹ごなしには丁度いい。

天気はGOOD。街並みはCOOL。

この通りはホテルが多く、すれ違う人は家族連ればかりで頭には丸くて黒い耳がついている。
彼らの行き先はディズニーランド。
アナハイムのディズニーランドはウォルトディズニーが唯一設計に携わったといわれる本家中の本家。

アニメの世界観を再現したテーマパークで中に入れば
「わあ!!まるでアニメの中に入ったみたい!!」
と興奮すること間違いなしである。

とはいえ、アニメを100%再現できているわけではなく、ぬいぐるみの中には人がいる。どれだけ頑張っても「まるでアニメの中に入ったみたい」が限界なのである。結局はいらっしゃいませの世界なのである。

一方、ふだんはP.F.SやDULTONでアメリカ雑貨を漁り、雑誌を貪るように読み返し、部屋や持ちものなどをアメリカに寄せることに情熱を注いでいる自分からすれば、いま歩いているこの状況はどうだろう。

再現度100%

夢にまで見た世界観の再現度100%。というか、それそのもの。

ディズニー度(夢の国再現度)、ディズニーランド越え!!!

すべてを確かめるようにゆっくり歩き、
パシャパシャ写真を撮り、
この角度、この構図、、、ヤバい!!と心の中で小躍りする36歳。

自分はあのとき、すれ違ったパパよりも夢の世界の住人だった。

退屈日記

さて、アメリカンキッズの時間潰しを体験するべくポンデローサ公園に到着した。

とてもきれいな公園で、トレーニング器具や野球場に子ども遊具にスケートボードパークが備わっている。
こんな整った環境を無料でサクッと使えるロサンゼルス・アナハイム市おそるべし。

リアルアメリカンキッズが何人かいた。
そのうちの一人に電話がかかってきて、なにか用事ができたのか友人に何か喋ってスケボーで帰っていく。
ロサンゼルスの街並みをキッズが家の用事でスケボーで帰っていく。
その街並みに消えていくシルエットに痺れる36歳。

これがアメリカだよな。

これがアメリカンキッズだよな。

スポーツショップを出た後、公園まで少しスケボーをプッシュしようと思い、プッシュするものの30mぐらい先で豪快にこけて買い物袋が破れた自分との違いに埋めがたい差を感じたことは言うまでもない。

夢の世界にお邪魔している身分なのだからぎこちなくても気にすることはない。いらっしゃいませの世界で体験させてもらうのとは違うのである。

バンクがあると戻ってこれるので、止まらずに延々と滑ることができる

ガイドブックに載ることはない、ローカルな場所を歩き、市民のためにつくられた公園で遊んだこと。

退屈で暇な時間を、どのようにして潰したのか。
その時間になにを感じたのかを拾い、言葉にしていく。

「小学校のときに夏休みと言えば・・・」
「大学生の時に東京に行って・・・」
「アメリカの公園でスケボーしたら・・・」

そんな『退屈日記』を書きためることこそ、自分の人生を豊かにしてくれるのだと思う。

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